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変換なしの雑食夢

ran

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不幸娘と三成

「やれ」
「…刑部か」
「如何した?」
「井戸のところにある女は何者だ?」
「女…ああ。あれは主の侍女の一人よの。また何かしたのか?」
「私はしていない」
「左様か…なればよいが」
「泣かぬのだな」
「ん?」
「女は泣くと思っていた」
「それは、そうよの」
「…」
「気になるか?」
「?」
「左様か。主の世話をさせてみるのも良いかもしれぬなぁ」
「は?」
「泣かぬ女は珍しい故。長続きするやもなぁ」
「そうか」
「良いのか?」
「貴様に任せる」






どんな因果か知りませんが、何故私はここにいるのでしょうか?








「えーっと(お茶、濃い目の熱め。香は駄目。部屋にいる時は静かに。気配を消す。…どうやって消すの?意味わからん!)」
「大丈夫?」
「書付は頭の中に入れました!けど」
「屍は拾ってあげるから」
「うー…頑張って生還します!」





今から殿様付きの侍女になってしまった。死刑宣告を受けました。
最近散々だったので今度のお休み寺社詣りに行こうとした矢先の宣告は私の心を抉り取る。





「失礼致します」




意を決して部屋に入ったところ誰もいらっしゃらなかった。




「あれ?いらっしゃらな…いぃ?!
「う…」
「(倒れてる?!)殿様…熱い。熱!」
「触るな!」
「痛っ?!殿様…」
「誰だ貴様!何故、此処に」
「今日から殿様付きの侍女になった…いいいえ!それより」
「なっ?!」
「お布団に!」
「は、離せ!この馬鹿力!!!!!」
「(軽!この人噂通り霞で生きてる!)良いですか。失礼致します!」
「貴様ぁぁぁ!!!!!」
「袴脱いで下さい。諸々壊れてしまいます。お召し替えは…無理ですね。」
「…それは!秀吉様から下賜された」
「なれば尚更。床の間に祀っておきますから」
「何!」
「痛いです。叩かないでくださいませ!」
「離せ!仕事が」
「ミミズの這ったような文字ですよ!」
「…」
「医師を呼んできます。あと刑部様も」





どういって飛び出すと叫び声と物が壊れる音に驚いた周囲が垣根になっていて思わず引く。いや、それより、刑部様をと言えばふよふよと何方かがやって来られる。きっとこの方だ!とおもい早口で石田様の状態を告げると引き笑いで部屋に入られる。但し、目は笑っていなかった。






「あーあ。怒られていなさる」
「医師を呼びにいけ」
「行きました。左近様が連れてくるって」
「大丈夫かしら」
「それより」
「…………」
「きゃ!どどどどどうしたの?!口の端!」
「うわー…跡になるなぁ。」
「青痣だから大丈夫よ」
「怖かったぁ………」
「取り敢えず傷の手当を」
「やれ、先の侍女はどこよの」
「はい」
「これはまた。大層にやられたなぁ」
「刑部様。今より傷の手当を」
「なれば三成の横でも構うまい」
「(構います!!!)」
「世話をしてやらしゃれ」
「は、い」





此処には優しさはないらしい









不幸娘と三成







「…失礼します」
「…」
「ありゃ!どーしたんだよ!女の子の顔に」
「女の子ではないということですかね。先生」
「んー口の中も切れてますね。痛くないですか?」
「…」
「やれ、犯人の前で言えるわけなかろう」
「三成様?!」
「…知らん!」
「どちらでも良いので…軟膏ですか?」
「そう。口の中は無理だから。時々血を吐き出しなさいね。気持ち悪くなるから」
「はい」
「大丈夫?」
「大丈夫ですよ?」
「いやー普通なら泣いてるけどね。君らしいよ。はい出来た」
「島様。少し殿様の側にいていただいてもよろしいですか」
「良いけど」
「やれ、いかぬ。この男気が付かぬでな」
「酷っ!」
「では水指しを誰かに頼んできます。殿様」
「…」
「やれ、三成」
「粥なら行けそうですか?」
「いらん!」
「…それも頼んで置こう。」
「なら、お召し替えの支度だけしておきます」
「やれ、まさかその間だけか?」
「はい」
「…主は着替えぬで良いのか?」
「え?ああ。このままではよろしくないのなら…私は侍女の中でも下っ端でしたので」
「俺たちのとこしてくれたもんなぁ。」
「はい」
「左近…」
「え?なんで凶惶?!」
「ではお願いします」

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恋慕する三成 6

「くしゅん」
と小さなくしゃみが聞こえる。そこで初めて寝ていたのかと自覚する。にしても、柔らかい手だ。今でも気をぬくと寝てしまいそうになる。確か、あの忌々しい猫が奥の膝を…ああ。だからか。



「奥」
「あら」
「すまん」
「?」
「膝」
「え?ああ。大丈夫ですよ」
「そうか」
「殿様?」
「ん」
「よく寝ておいででしたね」
「そう、か」
「途中左近様や刑部様もおいでになっていたのですが」
「…」
「ふふふ。珍しい事とお二人ともお帰りあそばしたのですよ」
「そうか」
「殿様」
「ん?」
「お休みになられているのですか?」
「如何した?」
「いえ…」
「今は戦終いで少しな…隈があるか?」
「はい」
「…不愉快なものを見せた」
「え?」
「憂いを嫌うお前の事だ…不愉快だろう?」
「いえ…あの。」
「なんだ?」
「暗い顔…の事なのです」
「?」
「人の噂やそういうもので一喜一憂して暗い顔をしてはならないと…殿様の様に太閤殿下の御為に滅私の心で尽くす形を憂いや不愉快などとは少しも思いません」
「…」
「殿様?」
「話せば話すごとに。会えば会うほどに。お前を愛しく思う」
「?!」
「顔が赤い」
「いえ、その」
「…眠たいな」
「おやすみなさいますか?」
「いや、ここではあまりにも良く無い」
「?」
「奥の側は落ち着くがですよ理性もなくなる」
「???」
「くくく。その意味がわかったら、ここで寝る」
「はぁ」





そう言って私は奥の頬を撫でる。くすぐったそうに目を細めて笑う奥は何にも増して愛おしい。




「殿様?」
「ん?」
「にゃー」
「ぐっ」
「あら、つき」
「この駄猫が!上から退け」
「にゃー」
「つき」
「…太々しい」
「っふふ」
「?」
「くくく…ふふふふ」
「奥?」
「もうし、わけ」
「漸く、笑ったな」
「え?」



口付けをされる。そして静かに抱きしめられて、もう一度愛おしいと言われる。



「その笑みを、守りたいと」
「殿様?」
「いつも、そう笑っていてほしい」
「っ」
「私の奥」




恋慕する三成 6






「ん…」
「目が覚めたか?」
「っ!」
「?!」
「そ、の」
「痛かったか?その、だ。私も必死に堪えてはいたのだが…」
「…」
「嫌いに…なったのだろうか?」
「い、え。その」
「至らぬところが有ったら言って欲しい」
「恥ずかしいのです…」
「は?」
「…」
「っ!」
「わっ!殿様」
「佐吉と呼んでくれ」
「…佐吉、様?」
「必ず守る。奥」
「はい」
「だから、今はこのままで」

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恋慕する三成 5

「奥!」
「殿様?」
「今日の加減は如何だ?」
「ふふふ。」
「笑っていてはわからん。苦しくないか?」
「はい」
「なら、いい。おい。猫」
「にゃー」
「貴様が羨ましい」
「え?」
「いや、戯言だ」
「…」
「これからは私が毒見をする。」
「は?」
「私の名で持ってきたものは私が食べてから食せ。」
「お待ちください」
「?」
「夫に毒味をさせるなど…聞いた事がございません」
「???」
「殿様?」
「周りは知らん。が、私はもう二度とお前に苦しい思いをさせたくはない」
「!」
「私の名を騙り…貴様を苦しめることなど金輪際あってはならない。何より」
「何より?」
「あの婚儀の折、私はお前を慈しみ守ると誓ったのだ。」
「!」
「いいか?いくら私の名を侍女が言ったとしても受け取るな。たとえ物でもだ。私が手ずから渡す。手紙は…戦の時は苦しいが左近以外には預けん。お前は…いつでも送ってくればいい」
「…ふふふ」
「如何した?」
「殿様になら、私の命差し上げてもよろしいかもしれませんね」
「は?」
「お言いつけ。お守りいたします。」
「あ、ああ!」
「殿様?」
「…その、だ。」
「?」
「刑部から聞いた。」
「???」
「側室の件、だ。」
「え?ああ。はい。佐和山の御城へ?」
「あれは嘘だ」
「?」
「刑部と半兵衛様の…すまない。私がしっかりしていないから。」
「えー…と」
「私はお前以外妻を迎える気はない。たとえ側室であったとしてもだ。」
「御気遣いしなくても…良いのですよ」
「私が好かん」
「…」
「この結婚はそもそも…私からお願いしたものだ。」
「え?」
「…天地神明に誓っても真実だ。」
「殿様」
「お願いだ」
「は、い」



手が触れる。少し冷たい手。指先だけが触れる。
顔を上げる事が出来ない。



殿様はどの様なつもりなのだろうか?私には…わからない。






「いつか、でいい」
「?」
「私の子を産んでくれ」
「は?!え?」
「…」
「殿様」
「…それだけだ」









恋慕する三成 5










「奥」
「ああ、殿様」
「口を開けろ」
「?」
「食え」
「甘い」
「金平糖だ」
「これがですか?」
「ああ。」
「ふふふ」
「…」
「にゃー」
「貴様にはない!」
「…」
「…」
「つき」
「にゃー」
「殿様」
「段々と太々しくなってきているぞ!」
「猫とはそういうものでございますよ」
「…」
「殿様?」
「退け」
「にゃ!」
「つき?…殿様」
「ふん!」
「?」
「私ですら寝た事がないのに、そう何度も使われてたまるか」
「は?」
「膝を借りる」
「っ!」
「今日は、疲れ、た」
「殿様…誰か。」
「はい…何事で御座いますか?」
「掛物を。」
「は、はい」
「隈」
「え?」
「お疲れなのね」
「それ程奥方様を大事に思っている事なのでしょう」
「私は…」
「私は下がっておりますので」
「ええ」






今日の気温は高くもなく低くもなく。丁度良い日和です事と思いながら髪を撫でてみる。細くきれいな髪だ。羨ましいとと思う。美しい顔。凛とした佇まい。文武両道であり太閤殿下の左腕に相応しい御仁。
あれから、足繁く通ってこられる。無理をなさって御いでなのだろう。表に行けない私には分かりかねるのだけれども、この方の仕事量は並大抵のものでは無いと竹中様が言っていた。だから、お休みになるのは私室であるここではなく表にある執務室。





「少し心配ですわ」






こんな、気持ちになるとは思わなかった。割り切った関係。傀儡の室として不要になったら捨てられるのだろうから。そう、思っていたのに。いつかこの方の子を産みたいと、そう思える日が来るのだろうかと思案して私は髪を撫で続けるのだった

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恋慕する三成 4

「…ん。あいわかった。引き続き調べよ」
「はっ!」
「やれ困ったこまった」


あの日より妙に感じる侍女たちの殺気に探りを入れていたら案の定、病の理由が知れてくる。毒。しかも、三成が持ち込んだ菓子に仕込んだというのだから頂けない。確か、戦支度の前か。吟味に吟味を重ねていると左近が言っていたはずだ。
何より。あれは奥方に心底惚れている。一年や二年といった短い時間ではない。故間違えてもそういう事が起きるはずはないのだ。
ただ、逆は如何か。奥方の母親。太閤の奥方は毒を煽って亡くなったと聞いた事がある。奥方の眼の前で。
其れを幼少の砌に見たのだ。なれば己が身を守るか、三成を厭うだろうが…素振りがない。訳がわからぬ





「おい」
「やれ、三成か」
「奥にこれをと思うが」
「ひひひ。凶惶も随分と丸くなったものよの」
「…」
「まぁ奥方のみだかなぁ。…その後、奥方の調子は如何か?」
「昨日、軒先に座って外を見た。」
「二人でか?」
「猫もいる。」
「左様か」
「どうした?」
「あの菓子よ」
「菓子?」
「奥方に渡した」
「ああ。あれが如何した?」
「いかにして手に入れたものかとな」
「金平糖をか?先だって下賜されただろう。以前、奥が食べてみたいと言っていたからな。」
「金平糖?」
「如何した刑部?」
「饅頭であろう?そう、聞いておるが」
「いや…まさか?!」




三成が跳ねるように立ち上がるとあの速度で奥方の部屋に向かう。まさかなのだ。あの折、忙しくて手渡した菓子の内容が違うという事実は空恐ろしいことに繋がる。何より、近づけばわかる程度に奥方の部屋は騒がしい。





「奥?!」
「あ、ら。殿様…」
「血?!」
「吐血しておいでです!今、医師を!!!」
「何故、だ!?おい!!!そこの女!!!如何なっている!」
「殿様から下賜された菓子を!!!奥方様に何を食べさせたのですか!!!」
「やれ、落ち着けおちつけ…奥方。手を出しゃれ」
「私が?!このようなもの!私は奥に渡していない!!!」
「え?!ですが…昨日もその前も…」
「にゃー」
「つ、き」
「?!奥!!!刑部!医師を呼べ!!!」
「あいわかった。…菓子を持ってきた女を捕まえしゃれ」
「は、はい!」
「お、く…」
「殿、」
「ああ、すぐに医師が来る。」
「涙」
「っ」
「お泣、遊ばしません、ように」
「無理を、いうな」
「ふふふ」








血を吐いた奥方のそばには甘味が転がっている。其れ、なのだろう。三成はひしりとその体を抱きしめて涙を流し、奥方が其の体を撫でている。
何なのか。齟齬がひどい

血を吐き、死が近しいというのに。死を呼ぶとわかっているのに。






其れでもなお受け入れるのは、何故か。










恋慕する三成 4







「ん…」
「奥?!」
「と…の?」
「ああ。私だ。…わかるか?!」
「え、え」
「奥方様。お口を濯ぎ下さい」
「ん」
「気分は如何だ?」
「殿様…ずっとおいで遊ばされたのですか?」
「ああ」
「申し訳ございません」
「当たり前だ!…お前は私の大切な妻だ」
「ふふふ」
「顔色が悪い。血を吐くなどあってはならない!」
「ええ。あら、殿様」
「何だ?」
「お召し物に…血が」
「ん?ああ。お前を…その。だ。抱きしめた時に」
「申し訳ございません。直ぐに」
「…いい。今は頼む。じっと安静にしてくれ」
「…はい」
「手を」
「?」
「寝るまで、ここにいたいが。良いか?」
「ええ」
「!」
「その様に、固まらないでくださいませ」
「いや、そのだ」
「ふふふ」
「…奥」
「?!」
「無事で、良かった」
「接吻…あら、誰か!」
「はい…殿様?!」
「しー…手を貸して頂戴。寝てしまわれたわ」
「奥方様をたいそうご心配遊ばされておりましたから。」
「…そう」
「奥方様?」
「いえ、良いわ。刑部様に連絡を。おやすみ遊ばされても大丈夫かを尋ねておいて頂戴」
「はい」

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恋慕する三成 3

「つき」
「にゃー」
「奥方様」
「はい」
「お加減は如何ですか?」
「もう大丈夫よ。私、慣れているから」
「!」
「まぁ、そろそろと思っていたし。こればかりは致し方ないわ」
「奥方様!」
「ふふふ。つきはずっと傍にいてくれましたね。ありがとう」
「にゃー」
「で如何したの?」
「殿様が凱旋との事です」
「あら、相変わらず早いわねぇ。」
「奥方様?!」
「床上げをして下さい。服を」
「ですが…」
「もう大丈夫よ」
「…」
「早く。ああでも」
「はい」
「殿様にしたら寝込んでいた方が良いのかしら」
「にゃー」
「ふふふ」
「失礼致します」
「殿様が御帰りあそばしたか?」
「はい。湯浴みしたのちこちらに」
「何とお伝えした」
「夏風邪を召して大事をとっておられると」
「…奥方様」
「お見舞いかしら?…誰か筆をとって頂戴。」
「はい」
「何と御書き遊ばされるのですか?」
「戦勝の宴の折に参りますと。其れまでにここを整えなさい。」
「はい」
「にゃー」
「つき。ふふふ。影は取り除いておかないと。あなたも少しの間侍女のところへ行って御いでなさいね」
「にゃー」







ぱたぱたと化粧をはたくと侍女が困ったような顔でやってくる。文の返事が届いたらしい。良い知らせですか?と笑ってみると曖昧にうなづかれる。曰く、宴の前にこちらに来るらしい。




「前に?」
「いえ、実は」
「ああ。少しお待たせしてしまいますね。」
「構わないとの事ですが…」
「早く準備いたしましょう」
「はい」
「…宜しいのですか?」
「何がです?」
「殿様と…御あい遊ばすのが否なら体調を崩されたとでも」
「偽りを言って如何します。」
「ですが」
「出来ましたね。参りましょう」




そう言って私は立ち上がる。少し待たせてしまったとないちん焦りながら。





「殿様」
「奥」
「今回の勝ち戦おめでとうございます」
「あ、ああ。あの程度の弱国。秀吉様の意向の前にはなす術もない…いや。其れより」
「?」
「夏風邪を引いていたのか?侍女から聞いた。熱は下がったのか?」
「はい。ですがもうすっかり」
「なら、良いが。」
「?」
「少し、痩せたか?」
「そうでございますか?」
「ああ。そうだ」
「?」
「やる」
「???」
「今回の必勝祈願をした際に受けて帰ってきた。守り札だ」
「ありがとうございます」
「やはり顔色が悪い」
「そうですか?」
「宴には無理に来ずとも良い」
「では挨拶だけ」
「ああ」
「殿様?」
「困ったことはなかったか?」
「安寧に過ごしております」
「なら、良いが。あの黒猫は?」
「侍女のところへいって何かを強請っておりましょう」
「そうか…ああ。」
「?」
「私の部屋にも花を活けてくれたらしいな」
「はい。」
「礼を言う」
「ふふふ」
「?」
「いえ…あら?」
「三成様ー!!!」
「っち!」
「左近様。如何致しましたか?」
「奥方様!三成様知らないっすか?!」
「御前に御いでですよ」
「何だ左近!」
「広間に皆様お集まりっすよ!刑部さんが探してたっす!」
「何?!急いで行く。奥」
「はい」
「行くぞ」
「え?」
「早くしろ」
「あ、はい…っ」
「?!」
「やはり先に御いでてください。私は後から参ります」
「だが…」
「三成様」
「っ!?良いか、後で迎えに来る。其れまで休んでいろ」
「はい」
「行くぞ」
「…行ってしまったわね。あら?つき。出てきてしまったの?ごめんなさいね」
「にゃー」
「そうね。此処で少し転た寝ようかしら?」
「にゃー」
「暖かいわね。あなたは私を厭わないから有難いわ」







恋慕する三成 3







「ずいぶんと痩せたようだね」
「夏風邪をひいてしまい、申し訳ございません。皆々様が命を賭して戦って御いでの時に」
「下がって良い。」
「では失礼致します。殿下。竹中様」




ふわりと頭を下げて退室する。
勝ち戦だったと聞いていたが、此処まで賑やかだとは思いもしなかった。





「やれ、奥方」
「刑部様。此度はおめでとうございます」
「いや、なに。其れより」
「はい」
「顔色が良くない。本に大事ないか?」
「皆様に御気にかけていただいて。本当にもう大丈夫です」
「なら、よいが。」
「奥」
「殿様?」
「やはり、先に休め。」
「はい。自室に下がっております。本当に申し訳ございません」
「謝る話ではない。」
「ふふふ。」
「送っていこう」
「殿様や刑部様が居ないと下のものが困りますわ。私なら大丈夫」
「だが」
「では失礼致します」





「行ってしまった」
「…」
「心配なら早々に切り上げるが良かろう」
「ああ」

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