恋慕する三成 3 恋慕する三成 2016年05月27日 「つき」「にゃー」「奥方様」「はい」「お加減は如何ですか?」「もう大丈夫よ。私、慣れているから」「!」「まぁ、そろそろと思っていたし。こればかりは致し方ないわ」「奥方様!」「ふふふ。つきはずっと傍にいてくれましたね。ありがとう」「にゃー」「で如何したの?」「殿様が凱旋との事です」「あら、相変わらず早いわねぇ。」「奥方様?!」「床上げをして下さい。服を」「ですが…」「もう大丈夫よ」「…」「早く。ああでも」「はい」「殿様にしたら寝込んでいた方が良いのかしら」「にゃー」「ふふふ」「失礼致します」「殿様が御帰りあそばしたか?」「はい。湯浴みしたのちこちらに」「何とお伝えした」「夏風邪を召して大事をとっておられると」「…奥方様」「お見舞いかしら?…誰か筆をとって頂戴。」「はい」「何と御書き遊ばされるのですか?」「戦勝の宴の折に参りますと。其れまでにここを整えなさい。」「はい」「にゃー」「つき。ふふふ。影は取り除いておかないと。あなたも少しの間侍女のところへ行って御いでなさいね」「にゃー」ぱたぱたと化粧をはたくと侍女が困ったような顔でやってくる。文の返事が届いたらしい。良い知らせですか?と笑ってみると曖昧にうなづかれる。曰く、宴の前にこちらに来るらしい。「前に?」「いえ、実は」「ああ。少しお待たせしてしまいますね。」「構わないとの事ですが…」「早く準備いたしましょう」「はい」「…宜しいのですか?」「何がです?」「殿様と…御あい遊ばすのが否なら体調を崩されたとでも」「偽りを言って如何します。」「ですが」「出来ましたね。参りましょう」そう言って私は立ち上がる。少し待たせてしまったとないちん焦りながら。「殿様」「奥」「今回の勝ち戦おめでとうございます」「あ、ああ。あの程度の弱国。秀吉様の意向の前にはなす術もない…いや。其れより」「?」「夏風邪を引いていたのか?侍女から聞いた。熱は下がったのか?」「はい。ですがもうすっかり」「なら、良いが。」「?」「少し、痩せたか?」「そうでございますか?」「ああ。そうだ」「?」「やる」「???」「今回の必勝祈願をした際に受けて帰ってきた。守り札だ」「ありがとうございます」「やはり顔色が悪い」「そうですか?」「宴には無理に来ずとも良い」「では挨拶だけ」「ああ」「殿様?」「困ったことはなかったか?」「安寧に過ごしております」「なら、良いが。あの黒猫は?」「侍女のところへいって何かを強請っておりましょう」「そうか…ああ。」「?」「私の部屋にも花を活けてくれたらしいな」「はい。」「礼を言う」「ふふふ」「?」「いえ…あら?」「三成様ー!!!」「っち!」「左近様。如何致しましたか?」「奥方様!三成様知らないっすか?!」「御前に御いでですよ」「何だ左近!」「広間に皆様お集まりっすよ!刑部さんが探してたっす!」「何?!急いで行く。奥」「はい」「行くぞ」「え?」「早くしろ」「あ、はい…っ」「?!」「やはり先に御いでてください。私は後から参ります」「だが…」「三成様」「っ!?良いか、後で迎えに来る。其れまで休んでいろ」「はい」「行くぞ」「…行ってしまったわね。あら?つき。出てきてしまったの?ごめんなさいね」「にゃー」「そうね。此処で少し転た寝ようかしら?」「にゃー」「暖かいわね。あなたは私を厭わないから有難いわ」恋慕する三成 3「ずいぶんと痩せたようだね」「夏風邪をひいてしまい、申し訳ございません。皆々様が命を賭して戦って御いでの時に」「下がって良い。」「では失礼致します。殿下。竹中様」ふわりと頭を下げて退室する。勝ち戦だったと聞いていたが、此処まで賑やかだとは思いもしなかった。「やれ、奥方」「刑部様。此度はおめでとうございます」「いや、なに。其れより」「はい」「顔色が良くない。本に大事ないか?」「皆様に御気にかけていただいて。本当にもう大丈夫です」「なら、よいが。」「奥」「殿様?」「やはり、先に休め。」「はい。自室に下がっております。本当に申し訳ございません」「謝る話ではない。」「ふふふ。」「送っていこう」「殿様や刑部様が居ないと下のものが困りますわ。私なら大丈夫」「だが」「では失礼致します」「行ってしまった」「…」「心配なら早々に切り上げるが良かろう」「ああ」 PR