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変換なしの雑食夢

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秘密を抱える三成 5

「う〜ん」
「?」
「…」
「…」
「…」
「おい」
「はい?」
「顔が酷い」
「通常運転ですが?」
「巫山戯るな」
「いやぁ〜だって」
「腹でも下したか?」
「乙女に!」
「…」
「蔑まないでくださいよ。ふう…三成様?触らないでくださいよ。セクハラですよ」
「…動くな」
「三成様ぁ〜」
「…」
「あはっ」
「熱、か?」
「えーと…っわ!」
「大馬鹿もの!」
「降ろしてください〜」
「左近!!!」
「左近様に運ばれる位なら這ってでも自分で行きます!」
「そんなに嫌いか?」
「一方的に敵視されてますから!左近様、三成様好き過ぎなんですよね〜」
「そうか」
「うー…本当に目が回る。」
「ここで寝ろ」
「部屋に帰りますよ〜。うつったら」
「そんなに柔では無い」
「寝ないし食べないじゃ無いですか!」
「だが、私ではなく貴様が寝込んでいるな」
「ぐ…」
「寝ていろ。医者がすぐ来る」
「お医者様?!」
「如何した?」
「高い!」
「黙って寝てろ」
「きっと私の給料全部無くなる!ただでさえ薄給なのに!」
「貴様の風邪を治す程度の金でこの家が揺らぐか」
「…」
「如何した?」
「…出して、くださるんですが?」
「当たり前だ」
「メイドですよ?」
「私のが抜けている。ただのメイドでは無い」
「!」
「馬鹿で変わり者でいい加減だが、私のメイドだ」
「…」
「?」
「…ぐすん」
「?!」
「…」
「なぜ泣く?!苦しいのか?!!」
「いえ」
「なら」
「捨てられると、思ったから」
「………は?」
「病気のメイドなんて、お荷物、だから」
「気は確かか?」
「普通、そう、です」
「…」
「三成様が!優しいから〜…もー!!!」
「怒るな。熱が上がる…おい」
「?」
「泣くな」
「あい」
「変な返事をするな」
「したくて、してるんじゃ、無いです!」
「…くくく」
「笑うなぁ〜」
「いや、くくく」
「もー!!!」
「脹れるな。心配するな、貴様は私の…おい」
「?」
「そう言えば、名前は何という?」
「あー…」
「貴様は私のメイドだ。捨てはしない、が。名すら知らんのは些か不自由だ」
「おいとかお前とか貴様でいいです」
「…私を裏切るのか?!」
「どーしてそっちに?!恥ずかしながら…私の名前は無いので、言えないだけですよ」
「…」
「…」
「…名が無いだと?!嘘を」
「孤児ですから。物心ついたときの記憶は下町の路地裏ですよ」
「!」
「親の顔も何も知りません。まぁ、何とか運よく生きてますけど。名前は無いですね。番号とかはあったかなぁ。黒髪とか身体的なのも。」
「そう、か。すまない」
「謝らないでくださいよ〜。まぁ辛いことも結構ありましたけど。世の中その程度ですよ。生き辛い程度に真っ暗なのが世界です。だけど」
「…」
「今はすごく楽しいんです。三成様」
「何だ?」
「三成様はかなり面倒くさい人ですね」
「…貴様!」
「でも、貴方がいるから。このうんざりとした世の中も楽しくて美しく思えるんですよ」
「は…?」
「今、この賢くて可愛くて忠実な貴方のメイドにしてくれたから世界が綺麗なものに変わりましたよ。なにより、」
「…」
「私のメイドと言ってくれてありがとうございます。」









何かを言いかけた瞬間、刑部と左近様、お医者様が入ってくる。それを見てしこたま嫌そうな顔をした上舌打ちをし始める。この人、こういうとこが面倒くさい。取り敢えず退けと刑部様が言うので立ち上がると私の顔を見下ろす。怖い。そう思いつつ三成様〜と呼べば口をへの字に曲げて私の名前を呼んで、額にキスを落としてくる。


爆弾の方がマシかもしれない。






「な?!」
「早く診ろ!すぐ治せ」
「やれ、三成。すぐには無理よ」
「お前!!!三成様に何てこと!!!!!外行けよ!!!うつったら」
「私のせい?!」
「左近…貴様」
「え?!これ怒られるの?!また!!!?」
「人の何たらを邪魔する奴はと言う。主の場合それが馬ではなく三成か。ああ、恐ろし恐ろし。不幸よな」
「刑部さん?!」
「こうべを垂れろ。慈悲だ、一瞬で」
「三成様ぁ〜」
「っ?!如何した???」
「風邪ですってぇ。」
「本当か?!」
「一応様子見をして下さい。今のままなら薬を飲んで寝れば、明日には落ち着いてくるでしょう。3日安静にね。あと薬はきちんと飲みなさいよ」
「?」
「高いからまずくとも飲ましゃれ」
「えー…わかりました」
「ひひひ。一応部屋に帰ろうなぁ。」
「な?!此処ではいかんのか!」
「着替えに困ろう。」
「!」
「時折、見舞いすればよかろう?だが寝させてやらしゃれ」
「…」
「不味い…美味しく無い。でも高い…」
「ひひひ。聞いておらぬなぁ、どれどれ…熱が高かろう?苦しいか?」
「あー…大谷様。ふふふ」
「笑わしゃるな。部屋に帰ろうなぁ」
「私が連れて行く。」
「左様か」
「おい、捕まれ」
「ん…」
「部屋に行くぞ」
「え〜」
「不服か?」
「三成様のお世話」
「そんなもの治ってからにしろ」
「お茶」
「貴様は飲めんだろう」
「…」
「…」
「…寂しく無いですか?」
「は?」
「私はすごく淋しいのにぃ」
「…」
「…」
「…刑部!」
「やれさて。」
「三成様の薄情者ぅ!!!わーん!」
「こりゃいかん。熱で錯乱してますね。腕出さして」
「あ、ああ。」
「抑えててくださいよ!」
「すぐ終わる!じっとしていろ。…泣くな。」
「いたぁい!うわーーーん」
「な、泣かすな!」
「と言っても…もうすぐ。あ」
「ぐすん」
「眠たそうよな。まこと猫のように擦り寄るのう…三成?」
「っ?!な、何だ!」
「ひひひ」
「刑部!」
「やれ、寝よった。」
「これでぐっすり休めますよ。変に空回りしてたのも」
「そう、か」
「連れて行かしゃれ。近くのゲストルームでもよかろう」
「ああ」







秘密を抱える三成 5







「起きたか?」
「うー…三成様?」
「何か食べられそうか?」
「ふふふ」
「笑うことか」
「三成様だぁ」
「まだ熱が高いのか?」
「ふふふ」
「まだ、高いな…」
「?」
「いや、いい。食べろ」
「?」

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秘密を抱える三成 4

「…」
「すかー」
「…」
「むにゃ、」
「…」
「もーむりれす。」
「ん?」
「そんなにいっぱいたべられません」
「…」
「んー…みつなりさまぁー」
「?!」
「これ、たべ、ぐう〜」
「…」
「…」
「…はぁ」
「…むにゃ」
「呑気なやつだ」
「やれ、はいる…それは何か?」
「私付きのメイドらしい」
「いや、なに。それは知っておる。その主付きのメイドが寝ておるが…」
「眠い眠いと言っていたらいつの間にか寝ていた。」
「本に気持ち良さげに…」
「刑部」
「われに悋気して如何する?我はもうちと静かなのが好みよ」
「ふんっ!」
「堂々と寝ておるなぁ。もうちと遠慮すれば愛らしいがなぁ」
「こういう奴だ」
「んふふふ」
「寝て笑っておる…」
「いつもの事だ」
「?」
「この部屋が薄暗いせいだと言っていた」
「左様か」
「?」
「いや、なに。真面目なぬしが、怒らぬのでな。それもよくあることらしい。」
「こいつのせいだ。怒ってもきりがないこの間はソファーで寝ていたが、今日は行倒れのように寝ていた。仕方がないから、ベッドに移動させたまでだ」
「ひひひ」
「何だ?…おい刑部、頬を突くな」
「柔らかいことよ。まるでもちよの」
「刑部!!!」
「やれちと静かに…ほれ起きてしもうた」
「…んー?寝てた?」
「寝ていたぞ。盛大にな」
「あ、三成様おはよう?!」
「本に主は珍獣よな」
「おおおおおおおええ??!!!!!!!?大谷様?!それに!!!!ベッド?!!???!??!!!!」
「五月蝿い」
「お、起こしてくださってもいいでしょ?!メイド長にまた怒られる!」
「また?」
「…あ」
「またとは何だ」
「そのー…ですね」
「…」
「怒りません?」
「事と次第による」
「あーのですね。実は私、三成様なんて言ってはいけないんですよ。」
「?」
「普通は旦那様よの…待て三成。なぜそのような顔をする?!」
「身の毛もよだつ愚行だ」
「「???」」
「致命的に似合わん!こいつがしおらしく、旦那様など言ってみろ!この世の終わりだ!!!!!」
「そうですよね!私もそう思うんです。似合いませんよね!!!」
「それでいいのか?主らは」
「なのにうざ左近様が告げ口をしやがって…」
「ほう」
「メイド長は三成様の命だから仕方がないと言いってお咎めなしだったんですけど。近習に言われてほっとくわけにも行かなくなって…草抜きをしていました。だからねむいのですよ」
「それはどちらの方が悪い?」
「善悪ではなかろう」
「悪いのはうざ左近様です!」
「そうか」
「はぁ…」
「ではそろそろ起きますね」
「構わん、寝ていろ」
「良いんですか!」
「其処は遠慮するとこよの」
「三成様に遠慮してどうするんですか?人の裏や機微を読んだりできる人ではないんですから思ったことを直球勝負した方が平和ですよ、ね!」
「賛同を求めるな。食え」
「わっ!」
「寝言で何か食べていた。食え」
「わーいわーい!」
「食ったら寝ろ。良いな」
「おいし〜。三成様も!あーん」
「ん」
「?!」
「如何ですか〜」
「甘い」
「やれさて、眩暈がしそうよの」









秘密を抱える三成 4








「テメェ!三成様に告げ口したな!!!」
「あ、ウザボロ左近様」
「何がだよ!!!とんでも無く怒られちまっただろう!」
「みんなの前で貧乳無学メイドが、三成様付きだ何て気にいらねぇ!って愚痴愚痴言うからですよ!」
「本当の事だろ!」
「キーッ!!!!」
「やれさて如何した」
「「こいつが!!!」」
「主らは犬猿の仲よ。もう近くに寄りゃれるな。ほれ、三成のベルが聞こえる。いかしゃれ」
「あ、本当に!行ってきます」
「左近」
「…」
「あれでいて三成とはうまく行っておる。邪魔をしりゃるな。」
「気にいらねぇ」
「ひひひ」
「あんな奴!ただの人間じゃないっすか!三成様とは本来話せないような奴が」
「それは三成自身が決める事よ」

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秘密を抱える三成 3

「こんな遅くに何様ですか」
「出掛ける」
「…深夜、ですよ」
「外套を出せ」
「言われたからには出しますけど…大丈夫ですか?」
「何がだ」
「最近の睡眠、昼寝程度ですよ…死にますって」
「心配するな」
「いやぁ…あっ!」
「?」
「すいません…そうか。そういう事か!」
「…いらん事を考えているだろう!」
「いやぁ。別に…未来の奥方様に宜しく!」
「…」
「そんな顔で見ないでくださいよ!あ、相敵さん?」
「もう良い」
「まぁ、冗談はさておき」
「冗談か!?」
「いやだって…雇い主の肉体関係まで気を配るのは執事の仕事でしょうし。私関係ない」
「…」
「取り敢えず、今は通り魔とか人攫いとか…何かと物騒ですから!気をつけてくださいね」
「私がか?」
「慢心はいけませんよ!怪我したら面倒くさいでしょ!」
「…心配だとは言えんのか?」
「言ってくれる美人さんに宜しく!私は速攻寝ますから」
「貴様…」
「はいできた!男前ですよ」
「当たり前だ」
「っち!はい仕込み杖」
「…」
「なんです」
「貴様は決して外に出るな」
「はぁ」
「そうだな…此処で寝ていろ。」
「え?!良いんですか?!一筆書いてくださいよ」
「…」
「?」
「冗談だ」
「酷い!まぁ良いや。自分の部屋から出ませんよ。…これでいいですか?」
「それと、これをやる」
「?」
「部屋で開けろ…何だその顔は!」
「いや、私は忠実なメイドですから…夜伽は」
「貴様の顔を見て言え!!!!」
「ま、そうですよね。ありがたくいただきます」
「部屋に帰ってからつけろ。私の前ではつけるな!…刑部が喧しい」
「あー…揶揄いそうですね。毎晩ですか?」
「そうだ」
「いつも御茶菓子くれるお礼に時間外ですが聞いておきます」
「一言多い!」
「では、行ってらっしゃいませ〜」
「行ってくる」




そんなこんなで暗闇に消えていく馬車を見届けて私は自室に帰る。三成様月のメイドは特別室なのだ!ありがたやありがたや。些か面倒くさい人の面倒を見る理由は此処にもある。にしても贈りものとは珍しい。寝る準備をすませたのち箱を開けてみるとネックレスが入っている。…首輪、なのだろうか?どういうつもりかわからないけど、面倒臭いので付けて寝る。抜き打ちされたらうざそうだし、この部屋を失うのは嫌だ!









「やれ、三成」
「刑部か?」
「珍獣にやったのかえ?」
「ああ」
「左様か」
「他の者は?」
「集まっておるよ。」
「…」
「如何した」
「いや、いい。」
「左様か」


















「お帰りなさーい。美人で巨乳でしたか?」
「…」
「何、見てるんですか!」
「…」
「鼻で笑わないで下さいよ!」
「いや、な」
「まぁ事実ですから!嫁に行くあてもないですし」
「…」
「哀れんで見ないでくれますか?まぁ、下っ端ってそういうもんですよ。」
「そうか」
「三成様だって、此処を継いでくださる跡継ぎがいるでしょ!」
「…」
「?」
「…寝る」
「はいはい」
「貴様は」
「はい?」
「私の側から離れるな」
「…はぁ」
「わかったか?」
「拒否は出来ないんでしょ?わかりましたよ」
「なら、いい」





秘密を抱える三成 3







「…」
「わっ!もう起きたんですか」
「五月蝿い」
「お茶は?」
「飲む…」
「はいどうぞ」
「準備がいいな」
「いや〜三成様が何処で何しているのか、全くもって興味ないですけど」
「貴様…」
「いっつも夜出歩くと死ぬほど寝るでしょ?疲れることしてんだろうなぁ〜何処で思うわけです」
「語尾を伸ばすな!」
「というわけで」
「薔薇臭い」
「いい匂いとおっしゃってくださいよ。薔薇づくしのお茶に蜂蜜入れてみました」
「?」
「ローズヒップティの上に薔薇の乾かしたの落としたんですよ。聞いてみたら疲労回復にいいらしいから丁度いいかなと」
「…」
「御疲れ様でした」
「ああ」
「美味しいですか?」
「…」
「?」
「甘い」
「疲れ取れますよ。」
「そうか」
「お金持ちも大変ですね〜」
「甘い」
「次は普通のにしましょうか」
「いや」
「?」
「これでいい」
「ふふふ」
「…」
「?」
「ニヤつくな!」





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秘密を抱える三成 2

「なぁにしてんの?」
「いやぁ…日光浴です」
「サボりだろう?」
「三成様誘ったんですけどねぇ。忙しいって剣もほろろに断られました。」
「そりゃあ、なぁ」
「今日はお客様が見えてましたから、疲れたのですかねぇ。」
「あー…」
「あんなハイテンションな三成様は不気味以外のなにものでも…」
「おまっ?!」
「にしても美人でしたねぇ。」
「気になる?」
「いや、全然。あの人パッケージこそ三成様だけど。中身は間違えなく、大谷様でしたもの。君子危うきによらずと言いますし…ありゃ」
「ベルの音だ」
「っち!面倒くさい」
「お前、もっとオブラートに包もうよ」
「最近の落としまくるんですよ。嫌がらせかよって思っでも一応雇用主だし。面倒くさいです。面倒」
「って言いながら手洗ってんだな」
「忠実なメイドですから。そして今日のお菓子はクロカ…クロカン?」
「何?黒田官兵衛の略?」
「…」
「?」
「ちっちゃなシュークリームのタワーです」
「名前くらい覚えようよ」
「えー…面倒くさい」
「本当にメイドかよ」




メイドですよぉ〜と言う時には三成様の部屋の前である。プレートはないので、ノックをしてみると入れとのこと。お呼びでしょうかご主人様と言えば今世紀最大の「珍獣発見」に立ち会った人の如く目を大きく見開いて悪いものでも食べたかと言われる。本当にこいつはと顔に出しながらお茶の時間で良いですかという。御茶菓子が食べたいんですよと付け足すといつもの顔に戻って持って来いとのこと。何だかなぁ。





「不服か」
「忠実なメイドの体で行くと三成様には珍獣扱いされるし、大谷様には盛大に引き笑いされるし、横の人には胡散臭い顔されるし…踏んだり蹴ったりですよ」
「ちょ?!名前言って!!!!!」
「えー…面倒くさい」
「たった3文字だろう!様つけても横の人と同じ!」
「そういうとこがうざったいんですよ」
「左近、黙れ。」
「は、はい!」
「大体、貴様は変人のメイドだ。普通にしていて変人なのだから仕方がない」
「物事を深く考えない性質なんですって。はいどうぞ。左近様は?」
「左近は構わん!」
「三成様ぁ〜」
「えー…私は?楽しみにしていたのに!」
「?」
「???」
「飲むのだろう?飲め」
「近習が飲まなくてメイドが飲むんですか?」
「貴様は頭が空っぽで、変人の珍獣メイドだが」
「かなり蔑んでますね」
「これはかなり気に入っている」
「はぁ」
「私と己以外に飲ますな」
「えー…」
「拒否は認めない!」
「今日のお客様と大谷様は?」
「…」
「…」
「あと、一方いらっしゃる。その方を含め3人は例外だ」
「へいへい」
「きちんと返事くらいしろ!」
「それよりクロ、クロカン?」
「なんだ?暗の名か???そんな不幸じみた食べ物はいらん!」
「…」
「…」
「シュークリームのタワー食べましょ!」
「貴様…名前くらい覚えてこい!」
「だって!見てくださいよ!この可愛さ!不幸の片鱗もありません。今のご時世、なかなかお目にかかれませんよ」
「そうか…」
「お茶もはいったし。食べましょう」
「もっと食べろ」
「嬉しいですけど半分こです」
「それでもかなりずーずーしいよな」
「まだ居たんですか?」
「おまっ?!俺の方が身分高いのわかってんのかよ!」
「えー…。大谷様くらいになってから偉そうにしてくださいよ」
「俺だってなぁ!お前の知らない三成様の秘密を…」




うざ左近様が何かいいかけた瞬間、ドスッという音がする。明らかに何か投げたのは三成様だし。何かは右手に持っていたナイフだろうし。うざ左近様の顔の横切れてるし、みつなりの顔、魔王だし。
とりあえずやナイフは投げつけるものでもないですし、ハイティーは優雅に食べるものですよと言えば、鼻で笑われるが目線、うざ左近様。表情魔王のままである。




「三成様」
「…」
「お顔が魔王に成ってます。うざ左近様がうざったいのは今に始まった事ではないのですから、座って食べましょうよ。」
「仕置きが必要だ」
「後にしましょうよ〜。三成様食べないと私食べちゃいけない事になってるんですよ!大谷様が言ってたでしょ!」
「おい…」
「すっごく楽しみにしてたんですよ!お仕置きなら今日のうざ左近様の食事に雑巾の汁入れておきますから。ねっ!」
「お前、俺の事嫌いだろ!」
「今はすごく嫌いです。シュークリームのタワー食べさせてくれないのなら、みつなも同罪です!」
「なっ?!」
「私、凄く、食べたいんです!」
「っ。わかった。」
「!」
「食え。話はそれからだ!」
「え?!」
「わーい」
「俺、まだ助かってないじゃん!」
「おいしぃー!!!凄い!美味しいです!!!」
「そうか」
「幸せ〜。」
「…」
「三成様も!はいあーん」
「ん…」
「美味しいですね!」
「甘い」
「当たり前ですよ!だから幸せなんです〜」
「…そうか」







秘密を抱える三成 2








「何してんですか?」
「仕置きだ。」
「暗闇で追いかけっこしないでくださいよ」
「貴様こそ、それはなんだ?!」
「いや、最近物騒だから。盗賊なら危ないし」
「好き好んで此処にはこん」
「そうですか?まぁこの辺りは人攫い少ないですけどね」
「人攫い?」
「最近美女が攫われてるんですよ!きっとエロ狒々爺です。」
「貴様は大丈夫だ」
「暗に美人でない事実を突きつけてますよね!」
「…」
「否定して!」

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秘密を抱える三成 1

朝である。健全な人間なら起きる時間だろうけど、ここの主である三成様はまだ寝ていない。というよりもこの人は寝るつもりはないのかもしれない。今も書斎で何かをしているみたいだけれども…『立ち入り禁止』と達筆で書かれたプレートを表に出している時は入ってないけない事になっている。以前入ってしまったメイドは即刻解雇になってしまったらしい。何を、しているのかは興味深いけれども今は衣食住の方が勝っている。ので、静かに銀食器を磨いているのだ。本当にやる事の少ない屋敷である。何でも、名家で資産家であと何だったっけ?働かずして生きていけるのだから羨ましい。私は生まれた時からその日暮らしだから、三成様のような境遇はよくわからないのだけれども、苦しくはなくとも楽ではないらしい。




「旦那様がお呼びですよ」
「えー…」
「えーではないです。早く手を洗っていきなさい」
「はーい」




ベルの音がしたらしいので私が呼ばれる。三成様付きのメイドは一人で皆、数ヶ月持たない。辞めるのではなく配置換えが殆どだ。些か面倒くさい人だから仕方がないけど、何故か私は2年もっている。奇跡と言われたものの決して気に入られているわけではない。神経質すぎる三成様にズボラすぎる私で丁度いいと言ったのは確か、大谷様ではなかっただろうか?

言えてて妙だなぁと思いながら扉の前に立つと、いつもはなくなっているはずのプレートがまだあって首をかしげる。




「三成様ぁ」
「な、何だ!」
「ベルの音したみたいですけど」
「お、としただけだ!そうだ!落としただけだからまだ入るな!!!」
「わかりました〜。」
「向こうへ行け!」
「あら、酷い」
「何が酷いものか!」
「だってベルが鳴ったらやって来る忠実で真面目なメイドですよぉ〜」
「…もう良い!本当に向こうへ行け!!!」
「はいはい。あっ!」
「何だ!!!」
「三成様ぁ〜」
「だから!何だと聞いている!!!!」
「後でお茶にしましょうね〜。マフィン上手にできたんですよ〜」
「…わかった!!!!!だから」
「では、また後で」





そう言って部屋から離れる。にしても何をしているだろう?珍しく言い澱んでいたし。ま、良いかと思いながら今日のお茶は何にしようかなぁと呑気に歩いているとふわりと大谷様が現れる。一応一礼すると凄まじく引き笑いされる。曰く、メイドのふりをせずとも良いということ。失礼な私、忠実なメイドですわ!と言えば益々笑われた。





「やれ、主は相変わらずよの」
「しこたま笑って言う台詞ですか?」
「大体、メイドは客の前に現れぬものよの」
「あー…んー…大谷様は特別なのですよ。私のようなホームキーパーの妖精が見えるのですから」
「妖精のう…にしては随分とまぁ」
「ええ。随分とまぁでも妖精は妖精ですから」
「主らしい事よの。で、三成は?」
「お部屋にお籠りですよ〜何してるか知りませんが…まぁ三成様も男ですから色々ありましょうよ」
「主は適度に耳年増よなぁ。健全と言えば健全か」
「だって女っ気ないんですもん!そっち系かと思えば、すごく怒られるし!」
「…怖いもの知らずよのぅ」
「私にだって怖いものの一つや二つ…っち!三成様だわ」
「舌打ちするでないわ。本に主は」
「大谷様も行きますか」
「…」
「今日のお茶はお取り寄せしてみたんです。ここ、鬱屈としてますから華やかなお茶ですよ〜」
「左様か」
「なんか嫌そうな顔をしてますね。」
「主のどこが良いのかと思うてな」
「全体…?ですかね」
「言うなら言い切りゃれ。」
「いやー…謎ですから」
「そうよなぁ」
「ですよね〜」
「…」
「?」
「主は、本に頭が悪そうよのぅ」
「否定はしませんよ」
「だが、」
「大谷様?」
「実に興味深い」
「???」
「あー!きちゃったの?!もう来ちゃったの???!」
「あー…うざい左近様だ」
「ひでぇ!」
「あ、すいません。間違えました。うざったい左近様だ」
「もう良いよ…あんたってそういうやつだもんね」
「ひひひ。もう良いのか?」
「いやー…途中でベル落としたみたいっす」
「またですか?」
「「また?」」
「さっきも。まぁ良いか。後で来ますね。」
「え?!あーっ!行っちまった」
「やれさて。あの三成にしては不用心な事よの。…如何したものか」
「さぁ。如何したもんっすかね」







秘密を抱える三成 1









「薔薇ですよ。薔薇!私が唯一、仕事をする薔薇です」
と言ってテーブルに置くと至極嫌な顔をされる。あれ?薔薇嫌いですか?と尋ねればバンバンとテーブルを叩きながら貴様の仕事は私の身の回りの世話だろう!と叫ばれる。頑丈なテーブルでよかった。でないとぶっ壊れているところですよ。




「大体貴様は!」
「これは薄紫でですね、三成様に似てるんですよ〜」
「は?!」
「ね!」
「…」
「歯ぎしりしないでくださいよ〜。若いうちに入れ歯になりますよ!」
「黙れ!」
「では、黙りますよ。良いですね!私が喋らないとここはゴーストハウスになりますよ!静かで鬱蒼と」
「もう良い…大人しく茶を飲め」
「良いんですか?!私も飲んで!」
「元よりそのつもりだろう。」
「いやだって。大谷様すぐ帰っちゃうんですもん!せっかく用意したのに」
「刑部は多忙だ。貴様のように暇ではない」
「えー…。まぁ良いや」
「今日は済まなかった」
「?」
「何度もベルを落としてしまった」
「あー…良いですよ。別に」
「何があってもプレートのあるときは部屋に入るな」
「わかってますよ〜。私だって無職嫌ですもん!それに」
「意外と気に入ってるんですよ此処」
「そう、か」
「幾ら、三成様が変わり者で面倒なやつでもこれだけ自由にできる場所はそう多くないですから」
「…おい待て!貴様…変わり者はお前だろう!」
「私は変わり者ではありませんよ。ただ気にしないだけです」
「…」
「お茶のお代わり、如何ですか?」
「…」
「?」
「…頂く」
「はい」





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