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変換なしの雑食夢

ran

秘密を抱える三成 5

「う〜ん」
「?」
「…」
「…」
「…」
「おい」
「はい?」
「顔が酷い」
「通常運転ですが?」
「巫山戯るな」
「いやぁ〜だって」
「腹でも下したか?」
「乙女に!」
「…」
「蔑まないでくださいよ。ふう…三成様?触らないでくださいよ。セクハラですよ」
「…動くな」
「三成様ぁ〜」
「…」
「あはっ」
「熱、か?」
「えーと…っわ!」
「大馬鹿もの!」
「降ろしてください〜」
「左近!!!」
「左近様に運ばれる位なら這ってでも自分で行きます!」
「そんなに嫌いか?」
「一方的に敵視されてますから!左近様、三成様好き過ぎなんですよね〜」
「そうか」
「うー…本当に目が回る。」
「ここで寝ろ」
「部屋に帰りますよ〜。うつったら」
「そんなに柔では無い」
「寝ないし食べないじゃ無いですか!」
「だが、私ではなく貴様が寝込んでいるな」
「ぐ…」
「寝ていろ。医者がすぐ来る」
「お医者様?!」
「如何した?」
「高い!」
「黙って寝てろ」
「きっと私の給料全部無くなる!ただでさえ薄給なのに!」
「貴様の風邪を治す程度の金でこの家が揺らぐか」
「…」
「如何した?」
「…出して、くださるんですが?」
「当たり前だ」
「メイドですよ?」
「私のが抜けている。ただのメイドでは無い」
「!」
「馬鹿で変わり者でいい加減だが、私のメイドだ」
「…」
「?」
「…ぐすん」
「?!」
「…」
「なぜ泣く?!苦しいのか?!!」
「いえ」
「なら」
「捨てられると、思ったから」
「………は?」
「病気のメイドなんて、お荷物、だから」
「気は確かか?」
「普通、そう、です」
「…」
「三成様が!優しいから〜…もー!!!」
「怒るな。熱が上がる…おい」
「?」
「泣くな」
「あい」
「変な返事をするな」
「したくて、してるんじゃ、無いです!」
「…くくく」
「笑うなぁ〜」
「いや、くくく」
「もー!!!」
「脹れるな。心配するな、貴様は私の…おい」
「?」
「そう言えば、名前は何という?」
「あー…」
「貴様は私のメイドだ。捨てはしない、が。名すら知らんのは些か不自由だ」
「おいとかお前とか貴様でいいです」
「…私を裏切るのか?!」
「どーしてそっちに?!恥ずかしながら…私の名前は無いので、言えないだけですよ」
「…」
「…」
「…名が無いだと?!嘘を」
「孤児ですから。物心ついたときの記憶は下町の路地裏ですよ」
「!」
「親の顔も何も知りません。まぁ、何とか運よく生きてますけど。名前は無いですね。番号とかはあったかなぁ。黒髪とか身体的なのも。」
「そう、か。すまない」
「謝らないでくださいよ〜。まぁ辛いことも結構ありましたけど。世の中その程度ですよ。生き辛い程度に真っ暗なのが世界です。だけど」
「…」
「今はすごく楽しいんです。三成様」
「何だ?」
「三成様はかなり面倒くさい人ですね」
「…貴様!」
「でも、貴方がいるから。このうんざりとした世の中も楽しくて美しく思えるんですよ」
「は…?」
「今、この賢くて可愛くて忠実な貴方のメイドにしてくれたから世界が綺麗なものに変わりましたよ。なにより、」
「…」
「私のメイドと言ってくれてありがとうございます。」









何かを言いかけた瞬間、刑部と左近様、お医者様が入ってくる。それを見てしこたま嫌そうな顔をした上舌打ちをし始める。この人、こういうとこが面倒くさい。取り敢えず退けと刑部様が言うので立ち上がると私の顔を見下ろす。怖い。そう思いつつ三成様〜と呼べば口をへの字に曲げて私の名前を呼んで、額にキスを落としてくる。


爆弾の方がマシかもしれない。






「な?!」
「早く診ろ!すぐ治せ」
「やれ、三成。すぐには無理よ」
「お前!!!三成様に何てこと!!!!!外行けよ!!!うつったら」
「私のせい?!」
「左近…貴様」
「え?!これ怒られるの?!また!!!?」
「人の何たらを邪魔する奴はと言う。主の場合それが馬ではなく三成か。ああ、恐ろし恐ろし。不幸よな」
「刑部さん?!」
「こうべを垂れろ。慈悲だ、一瞬で」
「三成様ぁ〜」
「っ?!如何した???」
「風邪ですってぇ。」
「本当か?!」
「一応様子見をして下さい。今のままなら薬を飲んで寝れば、明日には落ち着いてくるでしょう。3日安静にね。あと薬はきちんと飲みなさいよ」
「?」
「高いからまずくとも飲ましゃれ」
「えー…わかりました」
「ひひひ。一応部屋に帰ろうなぁ。」
「な?!此処ではいかんのか!」
「着替えに困ろう。」
「!」
「時折、見舞いすればよかろう?だが寝させてやらしゃれ」
「…」
「不味い…美味しく無い。でも高い…」
「ひひひ。聞いておらぬなぁ、どれどれ…熱が高かろう?苦しいか?」
「あー…大谷様。ふふふ」
「笑わしゃるな。部屋に帰ろうなぁ」
「私が連れて行く。」
「左様か」
「おい、捕まれ」
「ん…」
「部屋に行くぞ」
「え〜」
「不服か?」
「三成様のお世話」
「そんなもの治ってからにしろ」
「お茶」
「貴様は飲めんだろう」
「…」
「…」
「…寂しく無いですか?」
「は?」
「私はすごく淋しいのにぃ」
「…」
「…」
「…刑部!」
「やれさて。」
「三成様の薄情者ぅ!!!わーん!」
「こりゃいかん。熱で錯乱してますね。腕出さして」
「あ、ああ。」
「抑えててくださいよ!」
「すぐ終わる!じっとしていろ。…泣くな。」
「いたぁい!うわーーーん」
「な、泣かすな!」
「と言っても…もうすぐ。あ」
「ぐすん」
「眠たそうよな。まこと猫のように擦り寄るのう…三成?」
「っ?!な、何だ!」
「ひひひ」
「刑部!」
「やれ、寝よった。」
「これでぐっすり休めますよ。変に空回りしてたのも」
「そう、か」
「連れて行かしゃれ。近くのゲストルームでもよかろう」
「ああ」







秘密を抱える三成 5







「起きたか?」
「うー…三成様?」
「何か食べられそうか?」
「ふふふ」
「笑うことか」
「三成様だぁ」
「まだ熱が高いのか?」
「ふふふ」
「まだ、高いな…」
「?」
「いや、いい。食べろ」
「?」

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