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変換なしの雑食夢

ran

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日常 2

「…」
「あら、治部様」
「…」
「如何致しました?」
「声が変だ」
「?」
「風邪か?」
「昨日少し寒うございましたから。寒に入りましたから少し鼻風邪を引いたみたいですね」
「…」
「治部様?」
「熱はないな」
「はい。大事ありませんよ」
「…佐渡!!!」
「侍女頭様に用でございますか?」
「はい、お呼びですか?」
「相模を一日借りる」
「?」
「ああ。宜しゅうございますよ。相模。治部様付きに」
「はい」
「行くぞ」
「あ、おまち下さい」






部屋に着くと何をすればと尋ねる。すると万年床と化した床を指差して寝ていろと仰るので私は停止してしまう。それを見て不思議そうにしていた治部様もふと停止して、違う!と叫び始めるのだから私は赤くなる顔をできるだけ平静に戻す。欲の少ない方だから私があらぬ方に考えてしまったことを恥じて。曰く、今日は書類の整理をするから用があれば呼ぶ。それまで横になっていろとの事。最後の方は聞き取れにくいほどの声だったけれどもそういうことだろう。刑部様に対してもそうだけれども見た目程恐ろしい方ではない。寧ろ、お優しい方なのだ。



「熱を出してはならない。風邪は万病の元だ」
「なれば、違う部屋で控えております。」
「?!」
「もし、治部様にうつってしまっては大変ですもの」
「か、構わん!」
「治部様?」
「それにうつらない。私なら平気だ!!!だから気にせず寝ていろ!」
「あ、あの。治部様」
「…何だ」
「ありがとうございます」
「!」
「実は少し…ですからお言葉に甘えて横にならせていただきます」
「あ、ああ!そうしろ。顔色も悪くなってきている。何かあればすぐに言え」
「はい」



ちょこんと横になったのを見届けると至極満足げな顔をされる。よしと一言おっしゃって文机に向かわれるのだ。




「こほっ」
「?!」
「じぶさま?」
「起きたか?」
「寝ておりましたか?」
「ああ。やはり熱が出てきたな。医師を呼ぶ」
「自室に戻って」
「?!」
「治部様がお休みできません」
「それは!…ひと夜くらい寝なくとも良い」
「?!」
「こ、言葉の綾だ!だが」
「やれ、入る」
「刑部様」
「ちとすまぬなぁ。」
「刑部!!!」
「やれ煩や煩い。熱が高いわ。医師を連れてこようなぁ」
「私が言った!だが自室に帰るという」
「左様か。相模」
「はい」
「佐渡がここに居るようにと言っておったわ」
「は?」
「というより賢人よ。主の看病がてら三成を休まず予定に相成った。」
「「?」」
「三成が休まぬのでな。餌になりゃれ」
「餌ですか?」
「…書類は済ますぞ」
「あいあい」
「三成様のお床は?やはり自室に」
「持ってこさせるわ。枕を並べて寝りゃれ。」
「「?!」」
「おお医師もきりゃれたか。ではなぁ。侍女はつける故何かあったらよばしゃれ。但し大声でなくてはなぁ…ひひっひひひ!」
「刑部ー!!!!!」








日常 2









「ちぃーす」
「あら、左近様」
「お見舞いの許可おりたんで来たんっすよ!風邪はどうっすか?」
「まだ熱が下がっていない。あまり喋らすな」
「あ!三成様!」
「相模。茶だ」
「本当に…何から何まで」
「好きでしている。半兵衛様にも言われているからな。…左近」
「何っすか?」
「用がなければ早々と往ね」
「酷っ!」
「お前が来たら気を張って相模が休めん。」
「そんなことありませんよ。治部様」
「ん?」
「御髪。水が」
「すまん」
「(良い感じ!)これ、俺からの差し入れです」
「そんな…本当にありがとうございます」
「何が良いかわかんなかったんすけど。相模様絵が好きって聞いたことあったから。草子屋に言って今はやりのものをとってみたんっすよ。それなら寝てても大丈夫っしょ!」
「まぁ。名勝ですね。富士のお山だわ」
「…佐和山まであるのか」
「治部様の?海の近くなのですか?」
「いや、淡海だ。」
「まぁ」
「美しく静かなところだ。一度来てみれば良い」
「是非」
「ああ」
「(此の儘くっついちまえ)」
「「…」」
「あれ?」
「「!?」」
「どうしたんっすか?顔赤くなって」
「左近ー!!!!!」
「へ?!」
「何だこれは!!!」
「げ??!(何で春画が!?)」
「貴様…相模に愚劣な思考を」
「ままままままま真逆!そんな恐ろしいことしないっすよ!」
「何?!」
「あ、の」
「相模!そんなもの捨て置け!!!」
「…」
「後で検品してまともな物だけ渡す!左近!来い!!!」
「いやー!!!!」







「やれ相模」
「刑部様」
「今左近の声がしたが」
「もう、何が何やら」
「?」
「少し横になります」
「それが良かろう。ちと顔が赤くなっておる。熱が上がっては大変よ」
「は、い」
「?」

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日常 1

「あ」
「相模様?」
「ふふふ」
「?」
「どうしたんっすか?」
「いえ。本多様の上」
「?」
「…」
「申し訳ありません。本多様。…ほら」
「?」
「あ!?鳥だ!!っあー…逃げちまった」
「もう鶯の鳴く頃合いになりましたのね。徳川様たちは殿下の?」
「…」
「ならもう少しかかりそうですわね。縁にお座りになってくださいませ。私も侍女頭様をお待ちしているのです。左近様は治部様を。皆でお茶を飲みながら待ちませんか?」
「…」
「本多様?」
「大丈夫っすよ!相模様のお茶美味いっすから」
「今日は折角ですからおまんじゅうも作りました。本多様」
「…」
「お座りになって下さいましてありがとうございます。あ」
「また鳥が」
「…」
「動けなくなっちまった!」
「あら、大変。本多様」
「?」
「お口を開けてくださいませ」
「…」
「お口に合いますか?」
「…」
「いーなー!俺も俺も」
「左近様も?はいあーん」
「旨!また腕上げたっしょ?」
「ありがとうございます。鶯も召し上がるかしら?」
「どうっすかね?」
「…」
「あら、残念」
「また逃げちまった」
「いえ、本多様の肩に移動したみたいです」
「…」
「本多様は鳥に好かれますね」
「…」
「お優しいのがわかるのでしょうね」
「…」
「本多様?」
「…」
「ふふふ。はいあーん」
「仲良いっすね」
「左近様とも仲良しですよ」
「相模様はみんなと仲良しっすよ」
「そうですか?ふふふ。また鶯」
「あっ鳴いた。下手くそだなぁ」
「まだ春の始まりですから。すぐに上手になりますよ、ね?」
「…」
「また鳴いた。」
「春ですね」
「…」
「ふぁー。未だ終んないんっかね。眠たくなってきた」
「本当に。日差しが暖かいから」
「珍しいっすね」
「そうでもないんですよ…んー」
「…」
「あ、ご心配には及びませんよ。昨日、備品の数が足りなくて。夜更かししてしまったんです」
「寝てていいっすよ」
「そういうわけには…うぅ」
「相模様」
「日差しに負けそう」
「ぷー!相模様らしい」
「そうですか?ああ。鶯の他にも色々きましたね」
「…」
「本多様のそういう姿を見るの、私好きです」
「?!」
「えっ?!何!!そういう関係なんっすか?」
「どういう関係か存じ上げませんけど。平和でございましょう」
「…」
「私は武器も持てない侍女ですから。皆様が平穏でお過ごししている姿を見るとほっとします。」
「そういうことっすか!他にもあんっすか?」
「他にも?例えば治部様と刑部様が囲碁を指していたり、半兵衛様が転寝されたり。左近様と徳川様がうろうろしなくなったり」
「なんっすかそれ」
「ふふふ。静かになるでしょ?」
「あー…」
「本多様が飛ばないのも。」
「…」
「ふふふ。喋りすぎました。はい、あーん」
「…」






日常







ふと気がつくと遠くで喧騒が聞こえる。いつものかしらと呟くと困ったように頷く本多様がいて私も同じように微笑む。鶯は驚いて飛んで行ったみたいだ。少し残念でいるとますます困った顔をされるので私も恐縮してしまう




「相模!」
「ああ。治部様」
「何をしている」
「治部様がまた徳川様とお喧嘩遊ばすからですよ」
「?」
「鶯が」
「それが如何した!」
「好きなんですもの」
「っ?!」
「なんだ?相模殿は何が好きなんだ?」
「鶯ですよ。ふふふ」
「?」
「二人とも…ぼろ、ぼろになって」
「笑うな!」
「怪我の手当てをいたしましょう。ああ。丁度良かった。伊津。これを侍女頭様に。私はお二人の手当てをしておりますと」
「はい」
「いいんっすか?今まで待っていたのに」
「伊津には手に余りますもの」
「…」
「ああ、本多様。ありがとうございます。でもそのままにしておいてくださいませ。侍女の仕事でございますから」



そういうと近くで控えていた侍女が走ってくる。手当て一式を持ってきながら。貴方は徳川様をと言うと頷くので私は石田様の前に陣取る




「痛くありませんか?」
「ああ」
「あまり喧嘩はいけませんよ」
「…家康が悪い」
「儂がか?!」
「五月蝿い!相模との会話に入ってくるな!この禿狸」
「酷いぞ!三成」
「ふふふ。三成様」
「う…」
「沁みますわよ」
「…」
「私が侍る間は如何ぞ安らかにいらっしゃってくださいませ」
「?!」
「三成様?」
「相模様嫁がれるんっすか?」
「え?!」
「山野。手元」
「え?!あ!申し訳ありません!」
「いや、いいさ。儂も驚いたからな」
「…」
「はい終いですよ」
「相模」
「?」
「誰だ?」
「は?」
「貴様を…私、いや!この大阪から引き離そうとする輩だ!」
「まだ決まってはおりませんよ。でもそろそろ。以前刑部様と侍女頭様が縁組を組んでくださると仰せでしたから」
「!」
「やれ、おったか」
「刑部様」
「おお。相模。また世話をかけた」
「刑部!!!」
「はて、なぜそのような顔で我を見る?」
「相模の縁談だ!」
「ああ。もうちとまたしゃれ。」
「はい」
「主ではない。三成よ」
「…」
「?ああ。鶯」
「…」
「忠勝は本当に動物に好かれるな」
「ふふふ。」
「…」
「心根が美しいからでございましょう?本多様のそのようなところ私は好ましく思いますわ」
「?!」
「あちゃー…」
「ね、治部様」
「…」
「?」
「…き」
「あ!」
「何だ!」
「飛んで行ってしまいました。」
「う…」
「残念ですね」
「そ、そんな顔するな!おい!今から梅園に行くぞ!」
「あら、それはいいですね。山野。すぐ支度を」
「は?」
「さ、相模様?」
「?散歩のお誘いでございましょ?なればお菓子を持ってお茶会に致しましょう」
「私は!」
「皆様で行くなんて楽しそうですね!ね、治部様」
「…」
「?」
「行くぞ」
「はい」






「いつもああか?」
「相模様はこと恋愛にはうとうございますから」
「いつも我が大変よ」
「…」
「ははは。忠勝も気をつけろよ。儂と一緒に攻撃されるぞ」
「…」

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ゆらりゆらあり 5

「…」
「…」
「…」
「黙ってないでなんか言いなさいよ!」
「い、や。そのだ」
「?」
「起きていたんだな」
「言うに事欠いて!」
「…いや、あのだ」
「?」
「話をしたい」
「話すことなんてない」
「…」
「私のことなんて気にしないで比べた女のとこ行けばいい」
「馬鹿を言え」
「そこより近づかないでよ」
「無理だ」
「?!」
「泣いてるお前を放置できない」
「嘘つき」
「嘘はつかん」
「じゃあ」
「…」
「ほら!」
「笑わんか」
「知らないわよ!帰って」
「帰らん!」
「人を呼ぶわよ!」
「知らん!…私は!その、だ」
「?」
「お前が痛がったり苦しかったりしているのではないかと」
「…は?」
「それならば自重しなくてはと思っていた、だけだ!」
「他の」
「他の女は…そのだ。お前のところに夜這いたいと刑部に言ったときに気の迷いだとか女の抱き方も知らんでとか言われてだな。その、半兵衛様と二人で用意された女だから」
「…」
「恋しい交わりはお前だけだ」
「…」
「顔を上げてくれ…そんなに嫌だったか?私の顔は見たくもないのか?」
「馬鹿」
「?」
「他の女と比べるし、追いかけてもくれないし!…部屋も全部捨てたし」
「それは、謝る。お前が…男なんて買うというから」
「三成の馬鹿」
「う、な、泣くな」
「わーん」
「…触れるぞ」
「私は…」
「すまん」
「三成の馬鹿!」
「ん」
「…」
「何だ?」
「声、とか」
「?」
「その、顔とか」
「何の話だ?」
「変だもの」
「!」
「私、そんな女のように育ってないし…三成?」
「変ではない!」
「?」
「その、だ。美しいと、」
「は?」
「そう思う」







ゆらりゆらあり 5







「…ん」
「起きたか?」
「みつ、なり?」
「ん?」
「…」
「顔が赤い」
「だって!」
「愛らしい」
「!?」
「もっと近づけ」
「…」
「おい」
「そ、の。三成」
「?」
「ごめんなさい」
「私の方がだ」
「三成」
「泣くな」
「もう!好き!!」
「…」
「え?!あの…三成?」
「すまん」
「?」
「抱きしめて眠る」
「?!…ふふ」

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ゆらりゆらあり 4

「何の香り?」
「姫様?」
「おはよう」
「遅いくらいですよ」
「なんか、ね。懐かしい夢見た気がするの」
「?」
「今は昔ね…にしても何の香り?懐かしいけど思い出せない」
「ふふ」
「?」
「朝餉の支度をしてきます。ご用意くださいね」
「え?ああ。うん」




ぱたりと閉められたのちきょろきょろと周りを見渡す。ふと床の方を見てみると梅の花が生けられている。昨日なかったのにと思いながらはってそちらに行くと枝野一本に薄紫の紙が結ばれている。何が如何なっているのだろう。思考が停止してしまう。



「桐箱?もなかったよね」




小さな桐箱には髪紐が一つ。ゆっくりと触れて文をとる。






《波流奈例婆 宇倍母佐枳多流 烏梅能波奈 岐美乎於母布得 用伊母祢奈久尓》





「馬鹿みたい。名前書かないで」





自分の文字で書かないのは私が一度怒ったからだろう。仕事のようだと言ったっけ。にしても寝所に忍び込んであいつは何をしてるのか?お茶の趣味は知っていたけど花まで生けられるとは…。





「眠れないのは私のせいじゃないだろう」




筆をとる。本音を言えばいいのに。馬鹿みたい。




「誰か」
「はい…まだ召し替えていなかったのですか?」
「これを治部殿に」
「あら」
「…手引きをしたのはあなたか?」
「正確に言えば半兵衛様でございますよ」
「ん?」
「あと大谷様」
「そう」
「花も用意しておきますね」
「そのままでいいわ。」
「?」
「お願いね」









「文が帰ってきたというのは本当か?!」
「やれ、落ち着きゃれ」
「…」
「ほれ」
「ああ」
「結び文ではないのよな」
「そうだが…ん?」
「やれ、何か落ちた」
「…」
「これはヌシが渡した」
「っ」
「なんと?」



《萬世尓 得之波岐布得母 烏梅能波奈 多由流己等奈久 佐吉和多留倍子》




「?」
「如何いう意味だ?!どう取ればいい!」
「…この梅は秀吉のことかな?三成くんの寝られないのは秀吉のためだろうと言いたいみたいだね」
「半兵衛様!」
「あー…こうきたか」
「左様か。あれは頑固故」
「こうなる事をみこうして?君は反対していただろう?僕としてはいい縁組だと思うけど」
「というよりなぁ。我としては中途半端な感情なれば良かったのだが三成は本気故…色々面倒と」
「何が面倒だ!」
「そういうとこよ。ひひひ。主は昔からあれの前では及び腰よ」
「そう言えば」
「力づくでものにしりゃれ」
「無理を言うな!」
「無理か…」
「ふふふ。三成くんのベタ惚れだったものね」
「ひひひ」
「行って」
「「?」」
「拒否されたら」
「大丈夫だよ。怒らずゆっくり話してごらん」
「…はい」
「やれ賢人。」
「わかっているよ。今日は起きているだろうから。夜這っておいで」






ゆらりゆらあり 4








「見事なまでに惚れ気よな」
「本当にね。」
「…馬に蹴られるかなぁ」
「ふふふ。凄く蹴りにくそうだけどね」

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ゆらりゆらあり 3

「半兵衛様?!」
「良かった!短慮は…」
「も、申し訳ありません。直ぐに」
「泣いていたんだね」
「もう泣くことなんて無いと思っておりました」
「君は我慢強いから…ああ。そんなに擦ってはダメだよ」
「はい」
「…落ち着いて聞いてね」
「?」
「君を要らないなんて誰も言っていないよ」
「ですが」
「?」
「私の部屋は壊されて全ての荷物は捨てられたと」
「あー…」
「本当のことをおっしゃって下さい」
「あの、ね」
「私は…本当に、いらな、く」
「わー!違うから!落ち着いて」
「…」
「君はね。豊臣になくてはならない子だよ。僕の自慢の弟子の一人さ」
「半兵衛様」
「現に秀吉だって直ぐに様子を見てって。ほら、文も預かったよ」
「秀吉様」
「三成君が、ね。」
「?!」
「君が男を買うって笑えない冗談言っただろう?だからね…悋気で」
「…」
「そんな顔しないで」
「追い出したいたら口で言えばいいんです」
「え?」
「…」
「えー、と。あ!これ」
「?」
「三成君からの文…なんだけど」
「見たくありません」
「…少しでいいからさ」
「半兵衛様に頼むなんて?!卑怯です!!!」
「こうでもしないと見ないだろう?」
「…」

《見せばやな雄島のあまの袖だにも濡れにぞ濡れし色はかはらず》


「…」
「ほら、さ。すごく反省してるみたいだし!…何をしているんだい?」
「返事を」
「良いのかい!」
「…」
「よかった。ダメなら如何しようかと思案していたところだよ。…君も隠居なんて考えないで。部屋は直ぐに用意するから。ね」
「はい」









「半兵衛様!」
「返事もらえたよ。…君もやるね。和歌とは」
「…」
「やれ、返事はなんと書いてある?」
「ま、まて刑部!」

《月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ わが身ひとつは もとの身にして》

「…」
「…」
「…」
「さすが、と言えば良いのかな?」
「本にな」
「完全に拗れたね」
「?!」
「あいにいかしゃれ」
「だが」
「本にいろいろ面倒よ。主の真意を伝えしゃれ」
「…」
「真意?」
「そう。真意よ」
「如何いうことだい?」
「は」
「?」
「発言する許可を」
「(馬に蹴られろ系なんだろうな)いいよ。言ってみて」
「あれはその。」
「?」
「苦しそうなので」
「苦しそう?」
「私が至らないのではと…他の者の時はありませんでしたから」
「…」
「ひひひ」
「大谷君。面倒なんでしょ?」
「そうよなぁ。」
「血の涙流すほど恋しいのなら」
「…」
「会いに行ってきちんと話しておいで。侍女には話しつけておくから」
「は?」
「夜ばっておいで」





ゆらりゆらあり 3







「…」




寝ている。
夜這あてみたものの本人は気持ちよさそうに寝ているのでため息をつく。こいつの寝付きは物凄くいいいからな



「っん」
「?」
「や、だ」
「…」
「みつ、なり」
「?!」
「置いていかないで」
「…捨て置けるものか。」
「…」
「(いかん。時間が足りなくなる)」
「むにゃ」
「無防備に寝て」
「…みつなり」
「(くそっ!そば寝したいが…今は我慢だ)」

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