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変換なしの雑食夢

ran

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ゆらりゆらあり 4

「何の香り?」
「姫様?」
「おはよう」
「遅いくらいですよ」
「なんか、ね。懐かしい夢見た気がするの」
「?」
「今は昔ね…にしても何の香り?懐かしいけど思い出せない」
「ふふ」
「?」
「朝餉の支度をしてきます。ご用意くださいね」
「え?ああ。うん」




ぱたりと閉められたのちきょろきょろと周りを見渡す。ふと床の方を見てみると梅の花が生けられている。昨日なかったのにと思いながらはってそちらに行くと枝野一本に薄紫の紙が結ばれている。何が如何なっているのだろう。思考が停止してしまう。



「桐箱?もなかったよね」




小さな桐箱には髪紐が一つ。ゆっくりと触れて文をとる。






《波流奈例婆 宇倍母佐枳多流 烏梅能波奈 岐美乎於母布得 用伊母祢奈久尓》





「馬鹿みたい。名前書かないで」





自分の文字で書かないのは私が一度怒ったからだろう。仕事のようだと言ったっけ。にしても寝所に忍び込んであいつは何をしてるのか?お茶の趣味は知っていたけど花まで生けられるとは…。





「眠れないのは私のせいじゃないだろう」




筆をとる。本音を言えばいいのに。馬鹿みたい。




「誰か」
「はい…まだ召し替えていなかったのですか?」
「これを治部殿に」
「あら」
「…手引きをしたのはあなたか?」
「正確に言えば半兵衛様でございますよ」
「ん?」
「あと大谷様」
「そう」
「花も用意しておきますね」
「そのままでいいわ。」
「?」
「お願いね」









「文が帰ってきたというのは本当か?!」
「やれ、落ち着きゃれ」
「…」
「ほれ」
「ああ」
「結び文ではないのよな」
「そうだが…ん?」
「やれ、何か落ちた」
「…」
「これはヌシが渡した」
「っ」
「なんと?」



《萬世尓 得之波岐布得母 烏梅能波奈 多由流己等奈久 佐吉和多留倍子》




「?」
「如何いう意味だ?!どう取ればいい!」
「…この梅は秀吉のことかな?三成くんの寝られないのは秀吉のためだろうと言いたいみたいだね」
「半兵衛様!」
「あー…こうきたか」
「左様か。あれは頑固故」
「こうなる事をみこうして?君は反対していただろう?僕としてはいい縁組だと思うけど」
「というよりなぁ。我としては中途半端な感情なれば良かったのだが三成は本気故…色々面倒と」
「何が面倒だ!」
「そういうとこよ。ひひひ。主は昔からあれの前では及び腰よ」
「そう言えば」
「力づくでものにしりゃれ」
「無理を言うな!」
「無理か…」
「ふふふ。三成くんのベタ惚れだったものね」
「ひひひ」
「行って」
「「?」」
「拒否されたら」
「大丈夫だよ。怒らずゆっくり話してごらん」
「…はい」
「やれ賢人。」
「わかっているよ。今日は起きているだろうから。夜這っておいで」






ゆらりゆらあり 4








「見事なまでに惚れ気よな」
「本当にね。」
「…馬に蹴られるかなぁ」
「ふふふ。凄く蹴りにくそうだけどね」

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