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変換なしの雑食夢

ran

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螢火 雑渡

「痛い」
「可愛く言ってもダメです」
「雑渡さんの時で知ってるもの。でも痛い」
「…尊」
「組頭がいくら言ってもダメですよ。でないと傷が治りませんから。でご自身でされますか?」
「無理。姫が痛いっていうと止めちゃうもん。」
「なら黙っててください」
「あいたたたた」
「?!?!??!」
「顔がバグってますよ。」
「ひ、姫?」
「大丈夫だよ。」
「尊」
「もう終わりますから」
「ありがとう。」
「いえ、少し休まれては?」
「ん?」
「熱が出てきてますよ。何より治りが遅い。薬を飲んで寝てください。組頭」
「あれ?」
「…きっと殿に言いに行きましたね。」
「えー?」
「撃たれて3日。いくら陣中だからと言って先陣切ったのがまずかったらしいですね。丸薬です。はい。」
「うー」
「組頭に口移しで飲ませてもらいますよ。」
「だめ!」
「…ググッといきなさい」



はーいと言って飲んだ瞬間、眩暈がする。
尊ちゃん、盛ったなと思いながらこうでもしないと寝ないのをこの人は良く知ってる。後で揖斐ってやろうと思いながら意識を手放すのだった




螢火




「あら、寝たの?」
「寝かせました。今日は起きません。」
「そう」
「影武者を立てますね。」
「お願い」
「組頭?」
「かっわいいなぁ」
「はいはい」
「尊、内々にこの手紙を佐武村に届けて。」
「?」
「事がなったからね。」
「わかりました。」

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螢火 雑渡

「父上っ!!!」

火薬の匂いと爆ぜる音。左腕をやられたかと思いながら父上様を机の下に潜らせる。流石雑渡さん。分厚い鉄板。こりゃ抜けないなとにやりと笑って父上様の顔を見ると至極怒った表情だ。


「姫」
「はい」
「誰のせいにするか?」
「今忍びが連れて参るでしょう。まぁ、敵対勢力は色々ありますが。陣中ですしね。んー?」
「相手の城か?」
「彼方は、八名木家が守っておりましたな。確かこの戦いで、佐武を引き込むのに失敗しております。」
「そうか。」
「あそこの娘は美しいと評判でしたし。どうです、側女に」
「ん。」
「飽きたら売りますから。何より、あそこの米は美味し。」
「恐ろしい、女子じゃ」
「父上様の娘です。」
「ふふふ」
「尊!居るか?」



はと言って降りてくる黒に私は笑う。拷問を加えて痛めつけよ。なに、殺さずともよい。これは組頭に任す。あと、八名木の娘を側女にしたいと言えば凄く引き攣った顔をされる。
悪趣味と言われても仕方がないかと思いつつ、私は消えた影をみつめて、父を見る。痛くはないかと言われて肩をすくめると激痛が走った。




螢火



「家禄は召し上げ。家臣以下は殿に恭順。一族は男子は悉く。女子は女郎に。噂な姫は側女になりました。」
「はーい了解」
「でも、事が早く済んで殿自身も呆気にとられてます。」
「そりゃそうでしょ?」
「?」
「あの戦揃え見た?一族のだけ異常に豪華なの。他は皺寄せ。家臣でそうなのだから民なんて悲惨なものよ。」
「そう、なんですか?」
「以前行った時にね。尊ちゃんもお付できたじゃん。」
「気がつきませんでした」
「あーいうの本能的に嫌いだから。粗探しちゃうのよきっと。で、」
「?」
「みんなは?無事???」
「はい。」
「雑渡さんのお陰で早々に決着ついたものね。無理させてごめん。みんなを労わってあげて。」
「いや、でも。こんなには…」
「食べ物あげても酒を渡しても困るでしょ?だから。分けると少なくなっちゃうけど、許してね。」
「でも…」


そう言って一礼すると天井から音がする。雑渡さん?と尋ねると珍しく息切れした雑渡さんが現れて二人でびっくりする。
曰く、狙撃手と雇い主の拷問をしていたら遅くなってしまったらしい。尊ちゃんドン引き。組頭自ら何やってんですかと言われると無言で私の左肩を指差してくれる。あとから現れた陣内さん曰く、久し振りに本気の組頭を見たそうだし、陣左さん曰く鬼にしか見えなかったらしい。



「だだだだ」
「雑渡さん」
「な、何?!」
「怪我してない?」
「っ!!!!!」
「皆んなも」
「皆無事です」
「なら良かった」
「良くない!!!」
「…雑渡さん?」
「俺の姫に…」
「組頭、何方に?」
「もう少し痛めつけてくる」
「は?」
「あれ以上したら死んでしまいます!!!」
「姫を傷つけるものは万死に値する」
「ひ、姫様止めてください!」


えー言いながら右手で忍び装束を摘む。ぐるりっとこちらを見る雑渡さんの目は据わっているものの、若干の心配を孕んでいるうちは大丈夫なはずだ。



「何?」
「置いていくの?」
「だって」
「寂しいよ」
「う…」
「雑渡さん、側にいてくれるんでしょ?いないと寂しくて泣いちゃう」
「な、泣かないで!」
「なら側にいて。」
「…陣内」
「は」
「続きは明日」
「…わかりました」


手を離さないでねと差し出した手を握り出しながらの指図を聞くのだから、相当だったんだろうなと思いながら、私は瞳を閉じるのだった。

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落乱 雑渡さん

あの時の護衛の忍びは寿命が縮んだそうです。声も気配も感じないほどの距離で且つ敵の侵入を阻止しなければならない。何より、伝令なんてあったものなら消されるというスリルとサスペンス。

そんな事も知らずに私はスヤスヤと寝ているのだった。雑渡さんに抱きついて。


「姫」
「んー…雑渡しゃん大好き。まだ離れるのやだ。
「何この子可愛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ(服着て。じゃないと部下が困っちゃう)」
「雑渡しゃんだぁ」
「その寝ぼけた声腰にくるわぁ」
「んー?」
「…駄目だ。ツッコミ不在でやりにくい」
「?」



体どうと言われてにこりと笑う。痛い。歩ける気がしない。そう言えば、そりゃあね、苦笑されてしまう。破瓜の痛みも酷いものながらおぼこ娘を抱くには聊かしつこく、粘着的だった。


「座れる?」
「んーん」
「そんなに?」
「うん」
「ごめんね」
「長かったもんね。」
「…怒ってる?」
「え?怒るとこなの?」
「どうだろ?」
「私は嬉しかったよ。」
「そうなの?」
「雑渡さんにそんなに求められているのも、セクシーな声と表情見るのも。全部嬉しかった」
「本当にもう。」
「雑渡さんて淡白って聞いてたのにね」
「ん?」
「すごく情熱的だった」
「…姫?」
「其れって私だけ?」
「うん、そうだよ」
「なら凄く幸せ。」
「かっわいいなぁ。いや、其れより。」
「ん?」
「何さっきの?」
「え?幸せ駄目?」
「ちがう」
「私だけじゃないの!?」
「な、泣かないで!姫だけに決まってるでしょ!じゃなくて淡白って」
「ああ、高坂さん」
「陣左?」
「抱いてるの見たことあるもん」
「………え?」
「5.6歳の頃かな?御稚児の頃だと思う。」
「まじで?覚えて、いうか知ってたの?」
「うん。淑女の嗜み。」
「…」
「雑渡さん?」
「ああうん。本当にどうしたもんだろうね」
「?」


そう言って畳にのの字を書き始めるから苦笑する。生まれた時から今の今まで。俗世の欲を全部排除してきた人だからな。だから知らなかったと思ったのだろうと笑うとすごくショックだからわ 笑わないでといわれる。苦笑。
雑渡さんと名前を呼べばこちらを向いてくれる。布団の横をぽんぽんとすれば目に欲が孕んでくる。この目が好きだ。男として、私を女と見てくれるこの目が好き


「姫?」
「寂しい」
「…誘ってる?」
「うん」
「体」
「平気」
「でもさ」
「私を色付けたのは雑渡さんだよ。責任とって」
「色、に溺れそう」
「駄目なの?」
「うん」
「なら私のせいにしていいよ」
「?」
「忍びとしてで良いから。横にッン?!」
「んっ。はぁ、っちゅ」
「んっふぅ。れろ。あん」
「ん。姫」
「ん?」
「可愛い」
「雑渡さん?」
「仕事で抱けると思う?こんなに可愛いのに」
「可愛い?」
「当たり前でしょ?」
「…うん」
「そんなに私が欲しい?」
「雑渡さんだけしか欲しくない」
「素直」
「あ…」
「2.3日立てないの覚悟してね。」



螢火



「雑渡さん」
「ごめん。やり過ぎた」
「ふふふ」
「…どうしたの?」
「ぎゅーして」
「はいはい」
「だい、すき」
「本当無理。何この可愛い生き物は」

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落乱 雑渡

「鬼若姫、ねぇ」
「どうしたんですか?」
「姫様、そう言われてるんだって。なんでも曲者を一刀両断したとか。まぁ戦場でも騎馬武者として並々ならぬ功績がお有りだから。」
「流石殿の。初めはどうなる事と思っていたが凄まじいな。」
「影武者の噂を流していた男の話など聞いていて鳥肌がたったわ」
「ああ、あれか。儂など目の前で見たわ。流石にその日は何も食えなんだ」





という噂が流れていましたよと尊ちゃんが言うものだから私は笑ってしまう。あながち間違えでは無いもののいくら私でも一刀両断は不可能かな?と微笑めば胡散臭い顔をされた。こんにゃろう。でも尊ちゃんだから許す。


「頑張りましたものね」
「えーえー。頑張ったよね、私。」
「あと組頭はまだ帰ってきて無いですよ」
「そっかー…」
「姫様」
「ん?」
「本当に組頭の事好きですね。」
「うん!」



あれから3年。宣言通り私は後継者になったし、雑渡さんも異例のことで組頭となった。長かったような否ような。お互い忙しくてなかなか会え無いのが寂しいものの仕方が無いと思う今日この頃。だから時々尊ちゃんとこう話してお茶を飲むのが楽しみなのだ。陣内さんと陣左さんは話すというかなんというかだからやっぱり尊ちゃんが一番好き。


「あー、やっぱり尊ちゃんが好きだわ」
「は?」
「あ、此れ美味しい。もう一個」
「いや、え?は???」
「んー。やっぱり美味しい。」
「姫様」
「んー?」
「今なんと?」
「美味しい?」
「その前」
「もう一個?」
「いやその前」
「あー。尊ちゃんが好きだわ?」
「ひぃぃぃぃぃ!!!」
「なんで叫ぶのよ。」
「そんな恐ろしいこと言わないでください!」
「なんで?」
「組頭に消される!!!」
「尊ちゃん消したら私怒るよ。本気で!!!」
「…」
「大体雑渡さん」
「?」
「避けてるもの。私の事」
「…あー…」
「ね!避けてるでしょ?完全に!!!寂しいのに!!!何これ、忍術?」
「そ、そう言うのもあるけど」
「あるのね!」
「いや、これは違うというか」
「あるのね、やっぱり。そうか。あるのか…」
「姫様?」
「尊ちゃん…」
(泣いてる?!!!死亡フラグ!!!!!!)
「どうせいいんだもん。綺麗でピチピチのお姉ちゃんの方がいいもんね。私なんてオムツの時期から知ってるし。柵多いし」
「お、落ち着いて」


そう言うと尊ちゃんはそう言うのじゃないですから!と叫ばれる。本当?と尋ねるとすごいスピードで首を縦に振ってくれる。いや、尊ちゃんが首もげそう。



「ありがとう」
「だから安心して」
「うん」
「よかった…」
「尊ちゃん大好き」
「へぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
「ひっ!!!」
「大好き、ねぇ」
「あ、雑渡さん。お久しぶりです」
「只今。それより、尊奈門。私言ったよね。」
「ちちちちちちちちちちちち!」
「私の居ないうちに約束破ると消すって」
「無実です!!!!!!!!」
「雑渡さん」
「何、一寸待ってよ」
「尊ちゃん消したら私起こります。何より」
「姫様!!!」
「そんな事する雑渡さんなんて大嫌い!」
「…」
「じゃあ私行くね。何かあったら言ってよ。半刻後何もない証拠に私の執務室に来てね。」
「…尊奈門」
(俺の人生終わった…)




螢火




「あれ、尊ちゃんは?」
「…」
「無事そう。…何もしてないですよね」
「してないよ」
「しちゃダメだよ」
「わかってるって。尊奈門」
「はいっ」




尊ちゃんが何処かに行って雑渡さんもどこかに行くと思ったら何故か其の儘居座っていたので眉をひそめる。父上様の所に行った帰りらしい。又、戦をするのかしら。暇な人だ


「ねぇ」
「はい」
「尊奈門から聞いた」
「ふーん」
「綺麗なお姉ちゃんなんて居ないからね。」
「どうだか」
「疑ってる?」
「避けられてたから。」
「うん。避けてた」
「寂しいのに。だから雑渡さんなんて嫌い」
「苦しいなぁ」
「綺麗なお姉ちゃんに慰めて貰えばいいじゃない」
「で姫は尊奈門に慰めてもらうの?」
「愚痴を聞いてもらうの」
「其れだけ?」
「それだけ。」



少しの沈黙の後、13年という。それだけ離れているおじさんを好きなの?と言われたのでぽろぽろと涙が出る。狼狽える雑渡さん。狼狽えるがいい!



「いや、え?!」
「わぁぁぁん!」
「な、泣かないで!」
「13年も下の餓鬼なんて眼中にないならあのとき言ってよ!」
「違うから!そうじゃなくて!!!」
「すっごく好きなの!諦められる位ならこんな苦労しない!!!」
「…」
「雑渡さんの馬鹿!」
「うん。ごめん」
「もう良いよ。私の我儘に付き合ってくれてありがとう」
「ちょ、待ちなさい!勝手に完結しない!」
「どうせいいんだもん!」
「姫が!すっごく綺麗になっていくから!!!」
「は?」
「本当に私で良いのかと悩んでたの!」
「嘘だぁ」
「本当」
「綺麗なお姉ちゃん」
「いない。」
「我儘に付き合ってくれてただけでしょ」
「其れはこっちのセリフ」
「なんで避けてたの?」
「言うの?」
「言って!」
「綺麗になり過ぎてて、抑えられる気がしなかったから。」
「…馬鹿」
「そう思う」
「大嫌いって言ってごめんなさい」
「私も避けてごめん」
「雑渡さん」
「ん?」
「大好き」
「…あのさ。」
「ん?」
「今結構。」
「?」
「任務の後に気が立ってた上に尊奈門とのやりとり見て。その後に大嫌い言われて」
「何が言いたいの?」
「自制心がない状態で試練を与えないでくれる?」
「…」
「姫?」
「愛してる」
「…わかってやってる?」
「ぞろそろ欲しいもの」
「ん?」
「雑渡さんとの赤ちゃん」
「…」
「ねぇ、私に頂戴?」
「ごめん、もう無理だわ」
「初めてだから優しくしてね」
「善処します」

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落乱 雑渡

「おーい。」
「父上様」
「まだ帰って来る気はないのか?」
「…」
「次の縁談は如何する気だ?」
「お断りいたします。」
「と言ってもだな。」
「私は強い男の子供を産む気はありましても妻に収まる気はありません。大体、下手に外戚を作るくらいなら」
「姫。」
「?」
「戦場に行く気になったかな?」
「はい」
「そうか」
「ですから」
「交換条件は種だけ貰うだったかな。」
「強い男。そして父上様安泰の内に事を運ぶ予定です」
「白無垢着れないなぁ」
「何を黄昏甚兵衛ともあろう方が。大体、適当に見合せたとしても子供など授かれませんよ。」
「…」
「それを誰よりも父上が知っているはずです。」
「それ言われちゃうとね。」
「ふふふ」
「立派に腹黒く育って」
「父上のお陰ですわ」





螢火




ぐだぁと雑渡さんの横で寝そべる。行儀悪いねと言わないあたり、父上様との対談を知っているのだろう。誰だろう?高坂さんあたりかなと思っていたらご苦労様と頭を撫でてくれる。まだ動かしきれないから、頭には届かない。ので私が身を寄せる。自然顔が近くなってくる。恥ずかしいなんて微塵も感じないで安心感が勝るからすごい話だなと。ヘラリと笑って雑渡さんと呼べばなぁにといつもの調子で返された。


「お疲れ様」
「んー。」
「でも本気?」
「本気」
「結婚しないの?」
「あ、そっち?」
「白無垢」
「じゃあ、雑渡さんが着せて」
「えー」
「嫌なの?」
「やっぱり着るの?」
「雑渡さんの横でね。」
「ああ、そっち?」
「うん、そっち」
「ならいいよ。」
「早く治してね」
「うん」


そういうとへらりとわらって意外に私の事好きだよねーと言われるので当たり前でしょ?と返しておく。好きじゃなかったら戦場に行く気になんてならないよ。と言うと顔色が変わる。あれ、知らなかったのといえば初耳だそう。ごめん、高坂さん。あとでネチネチ怒られるが良い。


「嘘、だよね。」
「本当」
「…」
「交換条件がそれなの。」
「いつ?」
「2.3年後。」
「そう。」
「怒ってる?」
「かなり。」
「じゃないと婿取らされるらしいもん」
「…」
「それは嫌だわ。」
「姫」
「初夜の警備したい?天井であなたがいて、他の男に蹂躙されてるのなんて見られたくないわ。見たい?」
「やだ」
「でしょ?」
「はぁ」
「父上様の一番の敗因は血縁者が私以外いないって事ね。同族皆殺しにする悪い人だもの。跡取りができないのも因果な話よね。そして唯一の跡取りである私を普通に娶せるられなくしたのも父上様だもの。自業自得」
「…まだ酷いの?」
「雑渡さんの怪我程度には」
「…」
「こんな感じだけど、貰ってくれる?」
「うん」
「なら誰よりも強くなってね。」
「うん」
「大好きよ、雑渡さん」



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