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変換なしの雑食夢

ran

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落乱 雑渡

「おーい。」
「父上様」
「まだ帰って来る気はないのか?」
「…」
「次の縁談は如何する気だ?」
「お断りいたします。」
「と言ってもだな。」
「私は強い男の子供を産む気はありましても妻に収まる気はありません。大体、下手に外戚を作るくらいなら」
「姫。」
「?」
「戦場に行く気になったかな?」
「はい」
「そうか」
「ですから」
「交換条件は種だけ貰うだったかな。」
「強い男。そして父上様安泰の内に事を運ぶ予定です」
「白無垢着れないなぁ」
「何を黄昏甚兵衛ともあろう方が。大体、適当に見合せたとしても子供など授かれませんよ。」
「…」
「それを誰よりも父上が知っているはずです。」
「それ言われちゃうとね。」
「ふふふ」
「立派に腹黒く育って」
「父上のお陰ですわ」





螢火




ぐだぁと雑渡さんの横で寝そべる。行儀悪いねと言わないあたり、父上様との対談を知っているのだろう。誰だろう?高坂さんあたりかなと思っていたらご苦労様と頭を撫でてくれる。まだ動かしきれないから、頭には届かない。ので私が身を寄せる。自然顔が近くなってくる。恥ずかしいなんて微塵も感じないで安心感が勝るからすごい話だなと。ヘラリと笑って雑渡さんと呼べばなぁにといつもの調子で返された。


「お疲れ様」
「んー。」
「でも本気?」
「本気」
「結婚しないの?」
「あ、そっち?」
「白無垢」
「じゃあ、雑渡さんが着せて」
「えー」
「嫌なの?」
「やっぱり着るの?」
「雑渡さんの横でね。」
「ああ、そっち?」
「うん、そっち」
「ならいいよ。」
「早く治してね」
「うん」


そういうとへらりとわらって意外に私の事好きだよねーと言われるので当たり前でしょ?と返しておく。好きじゃなかったら戦場に行く気になんてならないよ。と言うと顔色が変わる。あれ、知らなかったのといえば初耳だそう。ごめん、高坂さん。あとでネチネチ怒られるが良い。


「嘘、だよね。」
「本当」
「…」
「交換条件がそれなの。」
「いつ?」
「2.3年後。」
「そう。」
「怒ってる?」
「かなり。」
「じゃないと婿取らされるらしいもん」
「…」
「それは嫌だわ。」
「姫」
「初夜の警備したい?天井であなたがいて、他の男に蹂躙されてるのなんて見られたくないわ。見たい?」
「やだ」
「でしょ?」
「はぁ」
「父上様の一番の敗因は血縁者が私以外いないって事ね。同族皆殺しにする悪い人だもの。跡取りができないのも因果な話よね。そして唯一の跡取りである私を普通に娶せるられなくしたのも父上様だもの。自業自得」
「…まだ酷いの?」
「雑渡さんの怪我程度には」
「…」
「こんな感じだけど、貰ってくれる?」
「うん」
「なら誰よりも強くなってね。」
「うん」
「大好きよ、雑渡さん」



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