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変換なしの雑食夢

ran

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螢火 雑渡

「父上っ!!!」

火薬の匂いと爆ぜる音。左腕をやられたかと思いながら父上様を机の下に潜らせる。流石雑渡さん。分厚い鉄板。こりゃ抜けないなとにやりと笑って父上様の顔を見ると至極怒った表情だ。


「姫」
「はい」
「誰のせいにするか?」
「今忍びが連れて参るでしょう。まぁ、敵対勢力は色々ありますが。陣中ですしね。んー?」
「相手の城か?」
「彼方は、八名木家が守っておりましたな。確かこの戦いで、佐武を引き込むのに失敗しております。」
「そうか。」
「あそこの娘は美しいと評判でしたし。どうです、側女に」
「ん。」
「飽きたら売りますから。何より、あそこの米は美味し。」
「恐ろしい、女子じゃ」
「父上様の娘です。」
「ふふふ」
「尊!居るか?」



はと言って降りてくる黒に私は笑う。拷問を加えて痛めつけよ。なに、殺さずともよい。これは組頭に任す。あと、八名木の娘を側女にしたいと言えば凄く引き攣った顔をされる。
悪趣味と言われても仕方がないかと思いつつ、私は消えた影をみつめて、父を見る。痛くはないかと言われて肩をすくめると激痛が走った。




螢火



「家禄は召し上げ。家臣以下は殿に恭順。一族は男子は悉く。女子は女郎に。噂な姫は側女になりました。」
「はーい了解」
「でも、事が早く済んで殿自身も呆気にとられてます。」
「そりゃそうでしょ?」
「?」
「あの戦揃え見た?一族のだけ異常に豪華なの。他は皺寄せ。家臣でそうなのだから民なんて悲惨なものよ。」
「そう、なんですか?」
「以前行った時にね。尊ちゃんもお付できたじゃん。」
「気がつきませんでした」
「あーいうの本能的に嫌いだから。粗探しちゃうのよきっと。で、」
「?」
「みんなは?無事???」
「はい。」
「雑渡さんのお陰で早々に決着ついたものね。無理させてごめん。みんなを労わってあげて。」
「いや、でも。こんなには…」
「食べ物あげても酒を渡しても困るでしょ?だから。分けると少なくなっちゃうけど、許してね。」
「でも…」


そう言って一礼すると天井から音がする。雑渡さん?と尋ねると珍しく息切れした雑渡さんが現れて二人でびっくりする。
曰く、狙撃手と雇い主の拷問をしていたら遅くなってしまったらしい。尊ちゃんドン引き。組頭自ら何やってんですかと言われると無言で私の左肩を指差してくれる。あとから現れた陣内さん曰く、久し振りに本気の組頭を見たそうだし、陣左さん曰く鬼にしか見えなかったらしい。



「だだだだ」
「雑渡さん」
「な、何?!」
「怪我してない?」
「っ!!!!!」
「皆んなも」
「皆無事です」
「なら良かった」
「良くない!!!」
「…雑渡さん?」
「俺の姫に…」
「組頭、何方に?」
「もう少し痛めつけてくる」
「は?」
「あれ以上したら死んでしまいます!!!」
「姫を傷つけるものは万死に値する」
「ひ、姫様止めてください!」


えー言いながら右手で忍び装束を摘む。ぐるりっとこちらを見る雑渡さんの目は据わっているものの、若干の心配を孕んでいるうちは大丈夫なはずだ。



「何?」
「置いていくの?」
「だって」
「寂しいよ」
「う…」
「雑渡さん、側にいてくれるんでしょ?いないと寂しくて泣いちゃう」
「な、泣かないで!」
「なら側にいて。」
「…陣内」
「は」
「続きは明日」
「…わかりました」


手を離さないでねと差し出した手を握り出しながらの指図を聞くのだから、相当だったんだろうなと思いながら、私は瞳を閉じるのだった。

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