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変換なしの雑食夢

ran

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死屍累々

「惚れた腫れたの関係ではありませんし、旦那様何をしようと誰と飲み、だれを愛でようとも。基本私には関係ございません。」
「まぁ、なあ。」
「ですが…あれはないと思います」
「我とて、あれはないと思う。」
「真逆私の侍女を私の部屋で組み引くとは…別段侍女を組み引くのはいいのです」
「良いのか?」
「こんな事もあろうかと身元のしっかりした子達を選んでますから。ですが、私の部屋はない。それは頂けません」
「そうよなぁ。普通別室よの」
「そうでございましょ?!もう里に帰ってしまおうかと思いましたよ。」
「帰る寸前よな。荷解きもせぬゆえ」
「旦那様が、従者にきつく言っておるようです。正室の私があの方の好みでない事は嫁いだその時より知っております」
「はじめの言葉は、貧相であったか?ひひひ。主の無表情を昨日のことのように覚えておるわ」
「あの方に何を言っても仕方がない事は分かっています。結局今回もここで私が折れなくてはならないのでしょうね」
「そうよなぁ」
「そのための貴方様ですもの」
「…」
「帰りましょうか。顔色を伺う従者に侍女に。バカバカしい限りだわ」
「致し方あるまいが…」
「よう言い聞かせてくださいませ」
「あいわかった」






そう言うので私は何度かうなづいて席を立つ。あからさまにホッとした大谷様はじめの侍女従者。致し方ない。大谷様を除いて、他の者たちは私のわがままに付き合った代償は大きいかもしれない。旦那様の気分如何で生死の境を越えなくてはならないのだから。




「…」
「帰ったか」
「…」
「早々に荷を解け」
「…」
「貴様は私の正室だ。この程度でいちいち動くな」
「…」
「聞いておるのか?!」
「…はい」
「っ!本当に可愛げのない!!!」
「…」





私は大した家の出ではない。中の中。平々凡々な家柄だし私自身、そうなのだ。いくら気に食わなくとも私から里に帰ること、ましてや離縁など言えるはずもない。逆ならば、とこうなる度に思う。可愛げのないなら捨てればいいのに。





「誰か」
「はい」
「荷解きが済んだことを確認しろ」
「はっ!」
「貴様の父親には言ってある。たとえ貴様が里に帰っても私の許可がない限り、即刻送り返せと。拒否は許さない」
「…」
「何か言え!」
「あいわかりました」
「…」
「…」
「興が逸れた。五島。来い」
「はい」
「借りる」
「差し上げまする。」
「…」
「…」
「行くぞ」







死屍累々 1








「焚き火っすか?」
「奥方の部屋の者よの」
「否ぬものでも捨てているのだろう」
「…布団みたいっすよ」
「布団?」
「主が他の女を組み引いた」
「ああ。だがその程度でか?」
「あんたって人は!」
「はてさて…どこで教育を間違えたか」
「???」

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