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変換なしの雑食夢

ran

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34

「姫様」
「徳川殿。久しいな。どうだった?東国は」
「真田幸村に聞いて伊達政宗殿にあったよ。いい奴だったが、あなたが合うと三成の血管が裂けるな」
「そうか。嗚呼、そなたに会いに長曾我部殿が来ていた。この方もいい御仁だ。治部も珍しく気を許していた。魚の土産は済まない。食べさせていただいたよ」
「構わないよ。にしても」
「ん?」
「三成は?」
「さてな。」
「喧嘩か?」
「飯を食べる約束をだな破りおった。」
「ははは。」
「刑部なら嘯くだろうし其方なら笑って誤魔化せるが」
「三成には無理だな」
「ああ。」
「仲が良い様だ」
「ふふふ」
「やわらかく笑う様になった」
「あまり変わらぬがな。お互い忙しい身だ。特にあれは」
「くくくっ」
「そうさな。徳川殿。これを治部に」
「書類?」
「侍女も侍童も恐ろしがってな」
「帰って早々?!」
「…では共にいくか?」
「?」
「面白いものが見れ様」





にこりと笑って立ち上がる。後ろからついてくる家康にとっては何の話かわからんだろう。如何して刑部の部屋に行くのだといわれてくくくと笑ったあたり気がついたのだろう。




「早く召しあがりください。私は姉上の様に気が長くないのです。殿と共に静かに食したいのです」
「食べている」
「そう大層な口を叩くのならとっとと空になさってください。いつまで見つめ合うつもりですか!!!ああ。面倒くさい」
「ぬぅ」
「大体姉上が食べろと申したのは常人の半分以下。何ですか、殿方が!とっとと食べてしまいなさい!」
「これ、三成を虐めるでないわ」
「ですが殿。米を一粒一粒。ちびちびちびちびと!ああ、不甲斐ない!姉上もこの様な殿方、どこが良かったのでしょう」
「ぐ…」
「主は姫によく似ておるからの。流石の三成も言い返せぬわ。」
「刑部!貴様の細君だろう!どうにかしろ」
「無理よムリ。主も無理よの」
「ぐぐぐぐぐ」
「ははは。流石の三成も妹姫様には言い勝てんな。」
「家康!!!」
「やはりまだ終わらぬか」
「膳とにらめっこよ」
「やれ、ちと手加減してやってくれ。ほんに愛らしい顔をして其方は私より雄々しいな。治部がたじろぐのは其方くらいだ」
「姫様?!」
「姉上!」
「やれ、姫。終わったのか?」
「ん。大概はな。草臥れた」
「嗚呼、着流しで物憂げな姉上はなんて素敵なのでしょう。」
「ふふふ。其方ははんなりとして麗しいのになぁ。治部には手厳しい」
「当たり前です!姉上を煩わせるものは例え石田様でも許しませぬ。大体、姉上は私の姉上でございます。この様な女々しい男には勿体無いくらいの御仁ですもの!」
「貴様っ!」
「治部。」
「う、」
「其方が悪い。久し振りの愛妻家の朝食に邪魔をして。」
「し、しかし」
「しかしも何もない。口を開けよ」
「は」
「ほら。」
「んっぐ」
「ふふふ。たんと噛まれよ」
「姫様わっんぐ」
「ふふふ」
「ひひひ。はじめからそうすれば良いものを」
「致し方ないだろ?小太郎に文を送らないと。」
「なっ!?ぐう」
「飲み込むな。ほら、口の端が」
「尻にひかれてるな。三成。ワシも早く帰りたくなったな」
「父上に許可を得て。ご苦労でありましたな、徳川殿。話は明後日に」
「ああ」
「治部や治部。」
「は」
「食べたか」
「…」
「なら退散しようぞ。これ以上妹夫婦の邪魔は出来ん。」
「姉様」
「刑部、頼みましたよ」
「あいわかった。これは我の細君よ。愛なければのう。」
「殿…」



膳を持って立ち上がると治部が持ってくれる。ありがとうと言えば少しはにかむ様に笑う。


「ちゃんと食べてくれ。」
「…」
「心配だ」
「ですが」
「ん?」
「ご心配には及びません。私は秀吉様半兵衛様貴方様の為に命を捧げる所存でございます」
「心配してはならないか?」
「いえ、その様な」
「其方は清廉で実直だ。だから私の意見など聞き入れぬであろう。」
「その様な」
「だから、心配位しか出来ん。」
「…」
「健やかで。其れが私の望みだ」



そういって膳を受けて歩き始める。顔赤いっすねという声ののち悲鳴が上がっていたが、取り敢えず。無視しておこう。




からんころん




「愛されているのだろうか?」
「そりゃあな。姫がお前の口に飯を入れる様なんて昔の可愛い姫みたいだっ…待て三成。そういう意味ではない」
「…もし姫に何やら不純なことを考えると」
「俺も妻帯者だっ!」
「…はぁ」
「贈り物でしたらどうだ?」
「昔したがいらぬと言われた」
「いっ今なら違うだろう?」
「そうか?」
「ああ」
「刑部に聞く」
「ああ。って待て!今は!!!三成ぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

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