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変換なしの雑食夢

ran

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24

薄墨色の上衣と袴に替えて仕事をしている様は昔と変わらないもののと柔和さがなくなったなぁ。と言われるので思いっきり筆を投げてやる。壁に刺さったらしい。が、知らぬ顔をして新しい筆を取る。
家康ははははと笑いながら縁側に座るものだからお茶を淹れてやる。


「おお、ありがとう」
「出涸らしだ」
「んー色薄いなぁ」
「ははは。文句があるのなら入れ直せ。」
「いやいいよ。」
「で、どうした」
「いやなぁ。半兵衛殿が困っていたよ。」
「思春期の娘を持つ父親と母親のようだな。」
「そりゃあなぁ。家畜でももっと穏やかだぞ」
「では私は家畜以下だな。種付けが決まらんでなぁ。昨日、お会いした時に何なら竹中殿でもいいと言っただけだ。」
「…そりゃあ。頭を抱えるなぁ。」
「何なら徳川殿が相手になるか?」
「ははは。わしにも妻がいるからな」
「そりゃ残念だ。」
「取り敢えず邪魔だな、徳川殿。部屋の入り口で立たないでくれ。」
「ん?」
「光が入らん。見にくい」
「お、おお。」
「仕事が溜まっててな。」
「2年だもんなぁ。」
「結構楽しかったがな。」
「そうか」
「小太郎にな、教えてもらった。自然は美しい。」
「風魔殿とは」
「時折な。北条の再建を手伝っているからな。あれはあれで優しい男だ」
「…」
「如何した?」
「いや、な」
「姫様…家康貴様何の用だ!!!」
「いやぁ。ははは」
「貴様ぁぁぁぁぁ!!!!!」
「煩い。何の用だ」
「いえ、あの」
「…」
「秀吉様から」
「ああ、また増えたな」
「御手伝い致します。」
「いい」
「しかしお顔が」
「もとより変わらん。石田殿こそ。ああ、徳川殿。貴公も邪魔だな。2人とも退出せよ」
「あ、ああ」
「…」
(明らさまにシュンとしてるなあ)
「何だ」
「変わったな思ってな」
「何時までも子供でいられん。女は女の道具は道具の誇りがあってな。」
「姫様」
「うるさい」
「ですが」
「これを父上に。これより先は侍童を使ってくれ。私もそうする。あとは人払いをする。急を要するもの以外この部屋に誰も近づくな」
「如何した急に?姫らしくない」
「仕事を終わらすためだ。」
「…」
「何だ」
「いえ、あの」
「貴公は其ればかりだな」
「は?」
「安心しろ。豊臣の御代の影にならぬ様に努力するといえば良いか?」
「貴方様がいらっしゃるのに影など」
「…」
「姫様」
「目障りだ。下がれ!」
「っ!?」
「お、おい」
「何だ?」
「いえ。失礼いたします」
「…」
「…」
「…」
「本当に変わったなぁ」
「何がだ。ほれ。」
「?」
「私からと言うな。あの馬鹿者。また食しておらんな」
「…さっき渡せば良いだろ?」
「愛憎の意味すら知らん男に恋慕して絶望するのはたくさんだ。」
「?」
「大嫌いと言えば言うだけ思いは深まるということだな」
「???」
「刑部曰く、拗らせた」
「ああ!そういう事か」
「ただ、あれはどこまでいっても父上のために生きるからな。私はおまけ…っ」
「如何した?」
「眠い。少しだけ休む。」
「ああ、ではわしも退室する。」
「なぁ徳川殿」
「ん?」
「なぜ私は普通の女子の様に生きられぬのだろうな」
「…」
「無理なのは私自身がわかっているがな。誰かの、」
「姫?」
「一番大切なものになってみたかったな」
「…」





からんころん






「姫様は?」
「お休みになっ…三成」
「あの方は存外寒がりだ。この様な季節の変わり目は気をつけておらねばならん」
「お前なぁ」
「何だ?」
「好きなら好きと言ったら如何だ」
「言った。が、姫様は私では気に入られないらしい」
「そんなことないだろう」
「五月蝿い」
「だがな」
「何だ」
「このままでは他の男のものになるぞ」
「…」
「寝所の前で不寝番をする気か?」
「っ」
「秀吉公よりも最愛であると言って差し上げないと」
「秀吉様は私の唯一無二だ」
「姫は?」
「その跡取り殿に忠誠を誓うのは当たり前の話だ」
「そうではない。一人の女性してだな慈しまねばあの方が壊れて…」
「その様な柔な方ではない。あの秀吉様のお認めになった」
「違う!三成!!!」
「もう良い」
「「?!」」
「徳川殿も傷口に塩を塗り込むな。善意は時に悪意にもなる。」
「だが」
「姫様?」
「何が懸想だ。一喜一憂している私を見て面白いか?」
「いいえ、そのような」
「お前の本心はわかった。」
「…」
「酷い男だ」

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