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変換なしの雑食夢

ran

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09

「やぁ、元気かな」
「竹中殿?」
「半兵衛様!!!」
「ふふふ。真逆ゴリラの君が寝込んでしまうなんてね。」
「私は人だったという事でしょう」
「上手い事をいうね」
「まぁ何はともあれ、念願叶われましたな」
「ん?」




私の廃嫡ですといえば少しだけ驚いて苦笑する。
寝たままでもいけないなと思いつつ起き上がると侍女が体を支えてくれる。何時もは飛んでくる治部を見るとなんとまぁキラキラした顔で竹中殿をみるのか。はっとこちらを見て駆け寄ろうとしたものの手で制す。



「ふふふ。三成君も元気そうだね。顔色がいい」
「まぁ。よく食べさせ寝させておりますので」
「姫様、お許しを。すぐに」
「いい。まぁ美人だからな仕方がない」
「何を言っているんだい?君も十分」
「ゴリラと言った口で何をおっしゃる」
「それは…君以外と粘着質だよね」
「あら、女というのはそういうものらしいですよ」
「ゴリラは女ではない…いや違うな」
「いいえ、結構ですよ。」
「反抗期?」
「デリカシーの欠片もない方に反抗して如何するのですが?」
「昔ははんべーって可愛かったのに」
「ははは。赤子の頃お襁褓を替えてたよと言うくらいの戯言ですな」
「はぁ誰に似たのか」
「さよも貴方も。私の教育係は皆毒舌家でしたからね」
「ふふふ。なら仕方ないかな」



そう言って笑う男を尻目に私は頭を抑える。大丈夫と言われるので廃嫡後の事は頼みましたよと言って白湯を飲む。血縁は伯父上と同じにする為良いとして侍女たちには危害を加えないでほしいといえば笑われる。




「君を廃嫡する気はないよ」
「…」
「信じられない?」
「昔、あなたが仰った」
「?」
「弱い者はいらないと」
「言ったね」
「医師にも聞いたのでしょう?」
「ああ」
「姫様?半兵衛様?」
「治部にも言ったな。もう私は廃嫡されると」
「はい」
「君、そんな戯言三成君にも言ったのかい?」
「戯言ではない事をあなたが一番知っておいででしょうに」
「っ」
「半兵衛様?」
「治部や」
「は、い」
「その刀で首を落としてくれ」
「は?」
「命令だ」
「何を…おっしゃって」
「私の命は長くない」
「は?」
「何を言っているんだい。養生すればいいと言っていただろ?」
「ここに入って女の私は死んだのです。強ければ生き、弱ければ死ぬ。豊臣の教えで私は生きてきた。」
「君ね」
「1年2年と鍛錬もせず、強い己で居れますか?武将としての死は近い。のなら、治部」
「は、い」
「お前の刀で散らせてほしい」
「ひ、め。」
「君ね!何を考えているんだい?命があるのなら元気になってまた鍛錬をつんだらいいだろ?!」
「一兵卒なら。」
「え?」
「ですが私は父上の後継でございます」
「…」
「治部」
「お許しください…其れだけは」
「大丈夫だ。大丈夫だよ、治部。」
「は?」
「お前ももう解放されなさい」
「姫様?」
「父上も竹中殿もいる。刑部も家康もいる。お前の大切な者はちゃんとあるよ。」
「姫様がおられませぬ!」
「世には順位がある。治部や。一番大切な者が残っているだろ?」
「いいえ、姫様」
「竹中殿も、治部は馴染みゆえ。その縁が仇になりませぬ様。平にお願いいたします」
「…勝手に決めないでほしいね。」
「…」
「廃嫡の予定はない。わかったね」
「…ほんに」
「ん?」
「女子には生きにくい場所よ」
「え?」
「ちと寝る、竹中殿も治部も下がってくれ」
「…変なこと考えてないよね。」
「どんなことだ。ああ、そうだ。治部をお返しいたす。約日より早いがもう良いだろう。」
「姫様?!」
「きちんと食べて寝ておくれ。」
「いいえ、私は約日まで!」
「人払いをする。当分来るな」
「私をお見捨てにならないでください!」
「石田三成殿」
「っ」
「竹中半兵衛殿」
「…」
「長きに渡ってお礼申す。ありがとう」
「姫様!」








からんころん









「姫」
「誰にも会わんよ。さよ。お前も来週には親元へ帰りなさい」
「皆帰ってしまったのですよ。誰があなたのことをするのですか?」
「なんとかなるさ」
「起き上がれない方が何を言うのです」
「なあ、さよ」
「はい?」
「楽しかったなぁ」
「…」
「其方がいてくれたから私はここでやっていけたな」
「いいえ、姫様」
「泣いたことの多い人生だったが、不思議だ。楽しかったことしか思い出せん。」
「もし」
「ん?」
「貴方が廃嫡されてここから放り出されたら。」
「ああ」
「城下で団子屋を致しましょう」
「さよ」
「わたしはそこで待っておりますから」
「街で一番の団子屋を探すよ」
「ええ」
「きっと楽しいだろうなぁ」
「ええ」

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