10 basara 三成 からんころん終 2015年09月27日 私は治部が好きだ。幼い時より、治部が好きだった。好きなどというとは弱い証拠だったと笑ってしまうのだが。確かに好きだった。ただ、治部は私が好きな訳ではなく、父上に似た私が好ましかっただけ。それも一番ではなくずっと下なのだ。この間竹中殿を見ていた顔でよくわかった。回復するかもしれない一抹の希望は父と竹中殿。義理の弟になった刑部にある。私の為ではないのだ。少しだけ彼の言葉に自惚れてしまっていたな。とんだ笑ものだ。この体になって思い知らされる。私は私自身愛されてはいない。「あの子は昔から頑固で」「半兵衛」「でも、人との和を取り持つのがピカイチだった。新しい、豊臣を背負うのに今だってなんの不服もない。三成君、吉継君、家康君が脇を確り固めてくれるし。」「落ち着け」「なのに」「三成は?」「暇があれば、取り次いでもらっているみたいだね。」「吉継に」「妹君と面会を望んだけど無理だった。家康も…」「では、我が行く。」「秀吉」魘されて、目を開けると赤い髪の男が立っていた。驚いたものの男の方は全く変わらないので逆に笑ってしまう。「貴方は北条の?」「…」「貴方の主人にはすまなかった。この通り、私は動けぬ。さ、」「…」「この首をとっておくれ」「…」「?」「…」「なぜ剣をしまう?待て、抱きかかえるな。…っ」「…」「いた、い」「…」「?」「…」「そなた声が」そう言った瞬間、ガラリと扉が開くと同時に伯父上が入ってこられる。助けてともなんとも言えぬ間に私は闇に沈んでしまったのだ。からんころん「姫、様が?」「すまない」「い、え」「あれは風魔のものだね。吉継君」「あいわかった」「半兵衛様!私には何を?」「三成君は城で待機。」「ですが」「やれ、三成。間者ごとは其方に不向きよ。暫し待たしゃれ。」「だが、刑部」「暴れてもらう時には先陣を切ってもらうから」「は、い」 PR