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変換なしの雑食夢

ran

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空色

ふと周りを見ると、真っ白な花が咲いていて目をみはる。見たこともない美しい花。踏み潰してしまったと急いで手を退けてみたものの不思議と花は倒れていない。水の音がどこからか聞こえる。不意に顔を上げると女の人が立っていた。美しくて儚げな微笑みは私に似た容姿を別のものに変える。私であり、私でない人。これが昔の石田様が好きだったもう一人の私なのだろう。不思議と恐ろしくない。寝転がっている私の横に彼女が座る。




「あなたは」
「遠い昔に生きた女の戯言を聞いてくださいますか」
「私も聞きたいことがあります」
「?」
「でも先にあなたがいって」
「私は自死しておりません。周りも記録もそうありますが私は…悪戯に命を絶とうなどしておりません」
「え?」
「あの時、尼になろうと思っていたのです。先祖の菩提と殿の安全祈願をして余生を過ごそうと…」
「そうなのですか」
「驚きませんね」
「自殺する方が驚いています。」
「…そう?でもその通りかも知れない。私は死んだのだから。私は私。貴方は貴方。一緒のようで別なのです。だから皆のように昔の記憶を貴方に上げることはできないのです。」
「石田様が…酷い殿方だったのでしょ?だから…」
「いいえ。殿は愛しい方です。きっと殿に殺されたとしても私は許してしまう。あの人の涙にはそれだけの価値があるのです…だから。あの美しい思い出は私だけのものです」
「…」
「如何致しましたか?」
「聞きたいことは石田様の事でした。御好きかと…でも今のが答えですね」
「ええ。貴方と同じ唯一で初恋なのですから。少し出会いが違いますが」
「ふふふ」
「このままでてくるつもりはありませんでしたが…気をつけて。」
「?」
「私が死んだ理由が側にいます。もう」
「まって!」
「あの人にあんな顔をさせてはなりません」
「それは!」
「では、さよなら」
「まっ」
「幸せになってくださいね」









ぱちりと目を覚ますと見慣れない天井でここが内府である事を思い出す。

銀色の髪が目の前に広がる。昨日、ベッドで寝る寝ないで少し言い争ったのち結局一緒に寝たらしい。石田様は香水とかの匂いのない人だと思ったけれどもいい匂いがする。回された腕に力がこもる。





「姫様?」
「ごめんなさい」
「いえ…」
「もう少し寝てください」
「夢を見ました」
「夢?」
「貴方の過去が別れを告げて」
「私にも」
「姫様?」
「私は今も昔も違うのに。貴方を愛していたのです」
「何故、泣いていらっしゃるのですか」
「殺されたと」
「…」
「私は誰かに恨まれていたのですか?」
「落ち着いて。夢ですよ」
「…はい」
「貴方こそもう少し寝てください」
「石田様」
「?」
「好きです。ずっと…」
「…」
「私もあの人も。貴方ともう一人の貴方も」
「姫様」
「だから…」
「寝てしまわれたか…だが」










空色







「…やれ三成」
「何だ?」
「朝食が出来ているが如何する?」
「姫様のお召し物は?」
「まだよの」
「ならば、此処で」
「あいわかった。…何も」
「姫様は自殺されていない」
「…は?」
「殺されたそうだ」
「ひひひ。そう言ったか?」
「ああ。」
「心当たりは?」
「ある」
「左様か」
「文を半兵衛様に。これは刑部。貴様にだ」
「あいわかった。姫は?」
「まだお休み中だ」
「朝食はまたにしよう。主ももう少し休め。今より、我らが受け持つ」
「ああ」

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近況

お久しぶりです。ufuです。
以下箇所書きおしらせ

1 pcが使えなくなりました。買い替えるまで此方メインです。(今まで通りですね)
2 1に関連して拍手機能の確認ができません。何かありましたらコメントにてお願いします
3 うちの三成はbsrです。ただ、幸せにし隊なので似非化が酷い



取り急ぎお伝えすることは以上です。


あ!あと名前。変換機能が使えないのでどうしようかと…姫予備は簡単なんだけどなぁ。現代は…デフォのサクラさんにしていいですかね?いけることまでは使いませんがもしかしたら…

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群青色

「申し訳ありませんでした!」
「石田様。もう良いでから」
「いえ!家康のせいとはいえ…あなた様に水頭からかけてしまうとは!」
「今松が急いで服を取りに行ってくれていますから」
「私の予備のシャツにお着替えください。風邪を召してしまっては大変ですから」
「ありがとうございます」




今日、姫様が内府に来られたのだ。半兵衛様に用があったそうなのだが、私の執務室においでくださったのだ。至上の喜びなことなのに家康の所為で姫様に水をかけてしまったのだ。瓶一本分。頭から。
血の気が引く我々とご立腹な半兵衛様をよそに姫様は私が先に入ってよかったですね。半兵衛なら何しでかすかわかりませんよとにこりと微笑まれた。悲鳴とともに家康は連れて行かれ。半ば放心状態の私はくしゅんと姫様のくしゃみで我に帰る。抱きかかえて執務室横の仮眠室にお連れする。とりあえず予備シーツで髪を拭こうとしたものの髪飾りのせいでどすれば良いのか思案する。とまたくすくすと御笑わいになられ冒頭へ至る。




「水ですから」
「ですが」
「石田様が濡れてしまわれる」
「私は良いのです」
「…髪飾り!」
「え?」
「石田様に頂いた」
「あれは漆塗りですから。ほら、」
「良かった。」
「髪をふいてください」
「ええ」
「シャツと上着です」
「すいません」
「火鉢を持ってきます。」
「はい」


ぱたりと閉めて左近に誰も近づけるなと釘指す。すると俺が火鉢持ってきますよと言ってとっとと走って行ってしまった。





「姫様」
「はい」
「温かい飲み物を淹れます」
「大丈夫ですよ」
「わざわざ御いでくださったのに…」
「半兵衛に呼び出されて貴方様に用がありましたから」
「私に?」
「はい。」
「?」
「石田様にもお聞きしたかったのですが」
「なんですか?」
「新居は本当に離れでよろしいのですか?」
「そのつもりでしたが…」
「無理なさっていませんか?」
「いえ」
「結婚式ももう少しですが…本当によろしいのですか」
「…くくくくく」
「笑っておられませんか?」
「いえ、随分と不安げですから」
「石田様は兄様の命に反することはしないからと」
「貴方がいるのならば。どこでも至極なのですよ」
「っ」
「姫様」
「あ、あの!」
「ああ。少し待ってください。左近!なんだ?」
「火鉢です。あと残念な話、今雪のせいで交通が麻痺してまして…松さんが帰れなかったそうです」
「は?」
「それどころか今日はここに泊まりです。」
「では姫様は秀吉様の元へ」
「いえ…婚約しているのだから問題ないと。逆に兄妹で寝具一つの方が外聞が悪いから三成様のところへ泊まるようにと」
「は?」
「俺、半兵衛様の命令で色々行かないといけないっす。姫様の事。お願いします。秀吉様が側にいるようにと!」






なんだ今日は!厄日なのか?!







群青色







「ひ、めさま」
「きこえ、ました。あの」
「まず、火鉢を」
「はい」
「入ります」


扉の向こうには着物でも洋装でもない姫様がいて思わず火鉢を落としそうになる。随分と大きかったのだろう。肩が落ちてしまっている。



「ズボンをお渡しします!」
「え?!いえ…合わないかと」
「ならシーツで…ああ。予備を使ってしまった!」
「石田様?」
「あ、しが」
「っ!」
「いえ!そういう意味ではなく!!!」
「…」
「あ、の。」
「すいません。色気がないので…御見苦しい限りでしょうが」
「とても!美しいです!!!」
「!」
「ですか…いえ?!あの。そういうつもりではなく!」
「私」
「…姫様?」
「心配だったんです。石田様のお好みがわかりませんし。こんな貧相な体と思われて嫌われたらと」
「っ」
「石田様?」
「今、理性と本能との葛藤が…」
「っ」
「何もしてはならないのは当たり前ですが…秀吉様と半兵衛様に命じられておりますので私も別室というわけにはいきませんし。ここにいる愚者に何かされでもしたら…それこそ。御側にいてお守りしたいという気持ちと私のものにしてしまいたいという気持ちが…何を言っているんだ?!私は!こんな邪な」
「邪なのですか?」
「い、え!ですが!」
「私は石田様が好きですから。」
「姫様」
「難しく考えすぎですよ。私は嫌われてないとわかっただけで嬉しいのにそんなに求めていただいて」
「煽らないでください」
「さすがに私も此処では…いえ!場所ではなく。周りが…」
「当たり前です!」

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七色

「姫様!」



と叫ばれるので目をまん丸にして声の主を見る。銀色の髪が少し揺れていた。いや、それ以上に良く此処が解ったなぁとぼんやり見ていると汗を拭いながら此方にやって来るので私はそっぽを向く。此処は兄様も半兵衛も知ら無い場所のはず。そう思っていたら以前に聞きましたからと言って横に座られる。



「言いましたか?」
「療養していた折に」
「そんな昔の話を憶えていらっしゃったの?」
「ええ。波頭と此処とあとは小等学校の兎小屋の後ろ。流石に兎小屋は無いと思っておりましたから…」
「そうですか」
「姫様」
「頰っぺた」
「は?」
「ごめんなさい」
「いえっ!そんな。私の方が…姫様に謝らなければ」
「!」
「…忘れて御いでだったのですね」
「単純に見つかるとは思わなくて。あの、ですね。忘れたわけでは」
「くくく」
「わ、笑いましたね!」
「いえ。すいません」
「ゆ、許しませんから」
「…くくく」
「まだ笑う!」
「本当に」
「…なんですか」
「昔から貴方は」
「どうせ」
「私にとって女神の様な方だ」
「…昔の私がですよね。」
「覚えていないのですね」
「生まれた時の記憶もありません」
「其れはそうですね」
「石田様は?」
「初陣を飾って。当主になった日の晩に。夢に立たれて知りました」
「そうですか」
「記憶が視覚と感情で流れてくるのです。いかに貴方を愛し、嫌われている苦悩と讒言を恥じていたかを」
「…昔の私はどの様な性格でしたか?」
「…昔の姫様は物静かで。若幸舞の名手でした。博学で、美しく。儚い方の様に見えました。」
「何だか凄い人だったのですね」
「あまり自分の事を言う方でもなくて。慈愛に満ちた…あの方が死ぬその瞬間でも怒りの言葉や罵り、悪言などと言ったものを私は聞いたことが有りませんでした。今の私には最後までご心中がわからない方。いや、昔の私ですらわからなかったのでしょう。気付かぬうちに私を立て尽くしてくださいましたから」
「…殿方はそういう方が良いのですね」
「いいえ」
「ですが…私に」
「私はこういう性格なのでものをはっきり言う方が…昔の私とは趣味は違います。良く、こう言う人を愛したものだと。今の私はそうおもいますが…何分感情が押し流されてくるので真実私の感情が否かの境界が…」
「…じゃあ」
「顔や雰囲気がそっくりなんです。まるで、貴方がいる様で…またああ泣かせたく無いとか。傷つけたく無いと。」
「石田様」
「亡くなる時昔の私の腕の中でお亡くなり遊ばれて…あれは悪夢以外の何物でもない。貴方にそっくりな分生きた心地がしない」
「…」
「私は貴方の言葉に救われる。私は私だ。あの様な方を愛するのは昔の私であって今の私ではない。今の私は間違いなく貴方を選ぶ」
「っ」
「此方を向いてください」
「嫌です」
「姫様」
「許しません」
「…泣かしてしまいました」
「…泣いてません」
「意外と強情ですね」
「五月蝿いです」
「やはり可愛い」
「う…」
「姫様。どうぞ私の妻になって下さい」
「浮気したら」
「しません」
「もししたら泣いて逃げてやる」
「逃がしません」
「無理に捕まえたら話しません」
「では捕まえません」
「…捕まえて欲しいかもしれません」
「では…抱きしめます」
「!」
「…」
「それは…」
「姫様?」
「良い案ですね」
「っ」
「わっ?!苦しっ」
「絶対浮気などいたしません。貴方を守ります」
「言いたいことがあったら私も言いますから。あなたも言って下さい」
「はい!」







虹色







「好きだ」
「は?」
「言いたいことです」
「…もっともっと言ってください」
「好きです。大好きです」
「ふふふ」

拍手

透明

「ご婚約おめでとうございます」
「おめでとう。」
「ありがとう!鶴ちゃんにさやかちゃん」
「ようやくお前も人妻か」
「ふふふ。本当に」
「相手は?!石田少将と聞きましたよ!」
「ええ。」
「大丈夫か?」
「?」
「とぉーても怖い人なのですよ」
「そう、なの?」
「残虐無慈悲だからな。ただ、烏等曰くお前以外は例外らしいな。」
「んー…」
「如何したんです?!やっぱり」
「え?!違う違う。すごく優しい方だよ。なんて言うのだろう…凄くまっすぐな人で。真っ直ぐすぎて大変なのだと思うの。ただ、ね。」
「ん?」
「時々私に投影して誰かを見てる気がする。本当にふとした瞬間なんだけど」
「なんですか其れ?!浮気!!?」
「では無いんだけどね。浮気したらわかる気がするけど」
「まぁあいつだからな。ただ、」
「如何したのさやかちゃん」
「また抜け出してきただろう」
「え?」
「許嫁が登場だ」
「あら」







振り返るといつもと違って恐ろしい石田様と草臥れている刑部様がいる。私はひらひらと手を振ると呑気だなと言われるので如何いうことかしらとさやかちゃんを見る。何故か鶴ちゃんとは舌戦を繰り広げているし。刑部様曰く犬猿の仲だという事。この浮気者とかDV男とか…鶴ちゃん。少し違う。黙れ小娘とか姫様を誑かしよってとか…石田様。落ち着いてとオロオロしているとやれ姫が困っているぞと合いの手が入る。ただ、凄く怖いけど




「姫様!誰にも告げず外出は控えて下さい!」
「一応半兵衛には言っていたのですが」
「…供をつけて下さい!」
「学友と会うだけですし」
「この!小娘が」
「煩いですよ!」
「鶴ちゃんも落ち着いて」
「結婚前から束縛する男なんて嫌われます!」
「心配して何が悪い!」
「姫ちゃんが困ってます!」
「貴様がギャンギャン吠えるからだろう!私の姫様を煩わせるな!」
「何が私の姫様ですか!」
「つ、鶴ちゃん!」
「姫ちゃんに誰かの影見ているくせに!!!」
「っ?!」
「やれ、小娘。言葉が過ぎる」
「石田。気にしないでくれ。鶴も言い過ぎだ」
「…石田様」
「っ?!」
「きゃ」
「ひ、姫ちゃん?!何をするんですか!」
「も、申し訳ありません。姫様、お怪我は」
「無い、ですが。」
「っ」
「姫、泣くな」
「ごめんなさい。気にしないで」
「ごごめんなさい!姫ちゃん」
「鶴ちゃんのせいじゃ無いよ」
「私は」
「良いんですよ。名家の殿方に愛妾がいるのなんて」
「居ません!」
「隠さなくても…」
「私は」
「やれ、三成!」
「私は貴方の影にもう一人の貴方を見てしまうのです」
「…は?」
「三成、止めしゃれ」
「いや、言う。愛妾などは居ない。ずっと私の心には貴方だけだ。ただ、私の中には貴方が二人いるのです。眼前にある貴方と、」
「…」
「私のせいで自害された昔の貴方が」
「昔の、私?」
「お忘れですか?」
「…」
「ですので」
「貴方が」
「姫様?」
「貴方が優しいのも、私を貰いたいと急に仰ったのも。何もかも過去の懺悔ですか?」
「ひ、め?」



乾いた音がする。手が痛い。人をたたいた事など無いからこんなに痛いものだとは知らなかったけれども今は掌以上に心が痛い。




この人が私を好きだというのも何もかも偽りに見えてしまったのだから






「酷い男」
「っ」
「懺悔で今生の愛を御説きになったの?」
「違い」
「見縊らないで」
「…」
「昔の私が居たのであれば其れは昔の話よ。私では無い。いくら姿形が似ていたとしても私はわたししかいないのですから」
「あ…」
「婚約は破棄しましょう。」
「姫様!」
「舞い上がっていた私が馬鹿みたい!」
「…お待ちください」
「石田様の…馬鹿」







そう言って私は走り出す。行く当ても無いのに。ただがむしゃらに。








透明






「やれ、行ってしもうた。」
「放心していたが早かったな。鶴」
「ごめんなさい」
「ほんに。ぬしの占いとかいう言には乗ったがこれで良かったのか」
「姫と石田の行く末はな。にしても」
「ん?」
「嫌いと言えない姫が可愛いな」
「…馬鹿正直が二人よ。」

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