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変換なしの雑食夢

ran

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すれ違う三成 7

「ん…」
「春様〜」
「う、ん?」
「そろそろ起きないと。遅れちゃいますよ〜」
「ねーむーいー」
「だぁめ。早く起きて」
「…?!」





文字通り飛び起きる。
私は、この声の主を知っている






「八橋!」
「うふ。おはようございます」
「え?!なんで?」
「ふふふ。」
「生きて?!…八橋」
「はい」
「良かった」






ぎゅうぎゅう抱きしめるとふくふくしている八橋のままで。
私は思わず泣いてしまう。ほろほろと溢れた涙を八橋が拭ってふふふと柔らかく笑われた。




「生きてる」
「生きてますよ」
「何で?」
「春様が帰った後石田様が参られたの。」
「知ってるわ!あなたは死んだって」
「あいも変わらず趣味の悪いお父さんだ事!」
「嘘!だったの…?」
「ええ」
「八橋…」
「あらあらまあまあ。泣かない泣かない」
「石田様が、貴方を」
「ふふふ」
「?」
「石田様が土下座されたの」
「!」
「貴方の侍女というか…相談相手になって欲しいと言ってね」
「嘘…」
「じゃないとこんな年増の遊女どうやってお城にあがれるの?…石田様ね、春様が何が好きなのか。何を悩んでいるのか全然わからないし聞いた所で教えてくれない。それは凄く…」
「腹わたが煮え繰り返る?」
「うん、それ。まぁ有り体に言えば嫉妬してるけど自分では支えになれないから私にその支えになって欲しいって」
「…」
「その時は何がどうなってるのかわからなかったけどいい具合にすれ違って拗れたみたいでしょ?流石にまずそうだし。大谷様にお願いして出てきましなた」
「八橋」
「はいはい。もー!変なとこで頑固なんだから」
「だって!」
「まぁ九割九分九厘石田様がいけないけどね。まだ青痣残ってる」
「私」
「貴方を傷つけて拒絶されて…途方に暮れてるわ」
「…」
「春様も!本当に嫌いなら引導を渡しなさい」
「!」
「無理なら」
「無理なら」
「言いたい事全部いってきなさい」















「春…?」
「見つけた!」
「あれ?春様???え?!三成様!!?」
「っ!」
「まっ!」








「わー。三成様と春様どっちも早いっすね」
「はてさて、三成は本気ではなかろうに」
「若いっていいですわねぇ」
「ひひひ。八津殿」
「大丈夫でしょうか?」
「ああっ!春様転けたっすよ!」
「急いで帰りゃるなぁ」








「いた、い」
「大丈夫か!?」
「石田様」
「ぐ…い、医務室に運ぶ」
「痛い!」
「?!ま、待っていろ!直ぐに!!」
「違う!」
「?」
「心が痛い!」
「…私のせいだ」
「私は三成のものじゃない!」
「私の側から居なくなってしまう!」
「首輪をつけて飼うつもり?!」
「そんなつもりは」
「何で信じてくれないの?!話を聞いてくれないの?!」
「?!」
「私は家康じゃない!」
「当たり前だ」
「自分の意思で貴方のそばにいるのに!!!貴方は私が喋りもしない人形がいいの?」
「ちがっ」
「なら、話を聞いて!喧嘩してもいい!多少の事なら許せるけど話も聞かないで力で私を抑えるのやめて!」
「…春」
「…」
「私は」
「今まで私たちの関係を言葉にしなかったくせに!」
「それ、は」
「不安なのは私も同じよ!」
「春」
「とっとと好きって言って!!!責任とってよ!!!」
「!」
「三成の馬鹿!!!」








すれ違う三成 6







真っ赤になった三成が何も言えずいたので私が思いっきり殴ってもう知らないと逃げる。




「ま、待て!」
「うわっ!」
「危ない!!!」
「っ!」
「大丈夫か?」
「はな、れて」
「許可しない!」
「好きでもないんでしょ!」
「そんな生ぬるいものか!」
「?」
「…春」
「な、に?」
「私と、契って欲しい」
「…」
「来世まで、私の妻であって欲しい。もう二度と」
「三成?」
「お前を傷つけない。必ず守る。」
「…話聞いてくれる?」
「ああ」
「怒らない?」
「ああ」
「怒鳴らない?」
「善処する」
「乱暴に抱かない?」
「当たり前だ。」
「…この一月、」
「この身を引き裂かれるかと思うほど苦悶した」
「…」
「頼む。私の妻になってくれ」
「…青痣」
「っ」
「責任取って」
「?!」
「大事にしてね」
「あ、当たり前だ!!!」
「馬鹿三成」
「なんとでも言え」
「大好き」
「?!」
「…馬鹿」






「もうほって置いても大丈夫かな?」
「…」
「太閤、祝言はまだよ」
「しかし」
「まぁ。やや子が出来るのが先かしれんがなぁ」
「お二人のやや子なら可愛いでしょうねぇ」
「ひひひ。ほんになぁ」

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すれ違う三成 5

「何此れ?」
「石田様からの贈り物です」
「…返しておいて」
「え?!」
「何もいらないからって言っておいて。吉継あたりに言えば大丈夫だから」





「…何この手紙」
「石田様から」
「返しておいて」
「手紙ですよ。返すならお返事の方が…」
「やだ!」





「…」
「石田」
「言わなくてもいい!」
「床の間に飾りましょうか?」
「…」
「綺麗な冬桜ですね」
「桜…」
「春様?」
「ちょっと出かける」









この2日で贈り物攻めを食らっている。なんなのだ!いい加減にしろ!と言いたい。今の今まで贈り物なんてしてきたことなかったくせに!何より桜を贈ってきたり髪を切った私に簪を贈ってきたり!嫌がらせに近い。






「吉継!」
「やれ、騒がしい。如何した?」
「此れ!」
「ああ。三成からよ」
「知ってる!もういらないって言って!!!」
「自分でいわしゃれ。」
「やだ!」
「聞き分けのない」
「大体!」
「ん?」
「散る桜送ってきたり!髪を切った私に簪送ってきたり!何?!嫌がらせ!!?」
「…ずれておるのう」
「もう嫌!」
「吉継君…おや。春。如何したんだい?」
「ひひひ。贈り物攻めよ」
「ああ。彼のことだからずれてそうだよね」
「半兵衛様が言って!!!もう要らないって!」
「いやだよ」
「…半兵衛様!意地悪!」
「これ、春殿」
「半兵衛様何て!三成の方が好きなんだ!」
「また、童のように」
「春」
「…何?」
「僕はね。春のことすごく可愛がっていたつもりだよ。三成君が君の処に夜這ったときも。みんなはただ喜んでいただけだけど僕は呼び出していろいろ難癖つけたもん」
「?!」
「そうよなぁ。まさに父親の如きよ。生半可な気持ちでないのか。子供が出来たら如何する気やら。」
「結婚してからでいけないのかとか言ったよね。今でもそう思うよ。」
「ひひひ。三成も必死に説得しておったなぁ。」
「実はね。今度、秀吉に願い出る予定だったんだよ」
「何をです」
「君との結婚の許し。…家康君の一件が片付いたしね。」
「…」
「乱世が終わって落ち着けると思ったのだろう?ふふふ。であの騒ぎだ」
「錯乱してしまったようよ。いなくなってしまうとな。主が一晩三成に何も言わずいなくなることはなかったからなぁ。」
「都合のいい話ですね」
「そう言われてしまっては元も子もないけどね。ふふふ。」
「会いとうないと言われて頭を抱えてなぁ。相談したら主の好みをよう知っておる女子がいてなぁ。」
「…」
「ひひひ。気に入らぬか?」
「…入りません」
「強情」
「煩いです」
「君はね、その強情で意地っ張りなところが可愛いけどひねくれるのは可愛くないよ。何が嫌なのかはっきり言わないと三成君はわからないし。引導を渡さないと其れこそ諦めがつかないだろう」
「…」
「やれまたしゃれ」
「吉継君?」
「あれのやったことは人でなしよ。主とて女子。あれが本気を出せば力比べでは負けてしまう。怖かっただろうに」
「よし、つぐ」
「ひひひ。一発殴ってやろうなぁ。それで許せとは言わぬが…横たわる主を看護した我とて腹立たしかった。…我とて主が可愛い可愛い。」
「吉継〜!」
「あらら。泣き虫に戻ってる」
「そうよな。もともと泣き虫よ。いつの間に泣かなくなったのは主が辛抱していたからよの」
「うう。」
「手のかかる三成ばかりに気をかけすぎたわ。此れからは何でも言いりゃれ。」
「吉継大好き!」
「ひひひ。」
「えー僕は」
「…」
「二人きり怖いんでしょ?」
「…うん」
「君に嫌がることしたことないよ」
「…嘘つき」
「それは無理があろう」
「う…」
「…」
「な、何もしないよ!ね!信じて」
「…」
「春」
「うん」
「少し寝りゃれ。顔色がようない」
「…うん」
「寝られなかったんだね。可哀想に」
「…」
「ふふふ。昔は良くこうして寝ていたね」
「我の膝か賢人の膝か。太閤が羨ましがっていたなぁ」
「本当に大きくなって」
「ひひひ。ゆるりと寝りゃれ。」














すれ違う三成 5






「?!」
「静かにしりゃれ」
「刑部!貴様…!!」
「悋気しても致し方あるまい。自業自得よ」
「春は私のだ!」
「やれ三成。何度も言うが春殿はものではない」
「解っている!」
「ぬしは本に分かりにくい。その言い方もよろしくない。春殿が泣くのも致し方あるまい」
「ぐ…」
「ようよう辛抱しておったのになぁ」
「解っている!」
「解っておらぬよ。故に間の抜けた贈り物ばかりよの」
「…」
「髪のない女に簪を贈ったらただの嫌がらせよ。」
「…」
「それに何故これの嫌う花を贈る…」
「…」
「好かぬなら」
「そんなわけないだろう!」
「なれば少し考えしゃれ」

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すれ違う三成 4

「春」
「?」
「このあと時間はあるか?」
「内容は?」
「その、だ!色々ある」
「色々?個人的な話?」
「ああ」
「そう…」
「…」
「…ごめんなさい。忙しくて」
「?!」
「家としてなら副官をと思ったけど…個人的なら無理ね。」
「少しでいい」
「石田様」
「!」
「また後日」
「待て!!!」
「っ!?」
「す、すまない。その、だ」
「何?」
「夜、なら。如何だろうか?」
「夜は…無理ね」
「な?!」
「ごめんなさい」
「…春」
「…」
「何故私の顔を見ない?何故私と話さない?何故、私の名を呼ばない?!」
「石田様」
「裏切るのか?!お前も!私を捨てて!!!」
「っ?!」
「私を、置いて…春?」
「や…だ。はなし、て」
「す、すまない!」
「っ」
「泣くな。頼む。春」
「…行くわ」
「!」
「春!」
「何?」
「私はお前を失いたくはない!」
「…嘘つき」
「嘘など言わん!」
「…」
「ま、待て!」










書付をしているとかたりという音がする。不意に顔を上げると困った様な顔をした半兵衛様がいて私は笑い返す。こういう顔をしてくる時は決まって個人的な時だ。




「春君」
「何ですか?」
「…」
「三成との事ですね」
「座っても?」
「もう座っていらっしゃるわ」
「そうだね」
「半兵衛様」
「何かな?」
「私は、要らなくなりましたか?」
「…は?!」
「三成と話聞いていらっしゃるのでしょ?…彼方は左腕。私はしがない一兵。どちらを取るだなんて明らかですわ」
「ま、待って!そういう話ではなくてだね」
「?」
「君は僕の妹分だよ?可愛い春を要らないというと思う?」
「はい」
「?!」
「貴方様の全ては秀吉様だもの。」
「其れは…否定しないよ」
「邪魔になれば要らないわ」
「如何したんだい?いつもの君らしくない」
「…」
「三成君と君のとこの部下の話は君の勘違いだよ」
「…ええ」
「知ってたの?!」
「すぐに部下が…」
「なら、如何して」
「…」
「春?」





彼は怒りですものと言えば理解不能と言わんばかりに顔を顰められる。
仕方がない。此ればかりは賢人でもわかりはしないだろう





「説明してくれる?」
「言葉のままですよ」
「理解できないよ」
「あの晩、八橋のところで寝ていたら副官が来ました。そして手紙でですが事の次第を聞きました。ただ感情は簡単に治らないので私はそのまま寝て帰ったら三成から話を聞こうと思っていたのです。…それが」
「うん…話には聞いているよ」
「身体中の青痣も?」
「暴力を?!」
「違いますけど…力加減が出来なかったみたいです。抵抗しても無駄でした。」
「でもそれは」
「…頭ではわかっているのですが…私は三成が恐ろしい」
「…」
「こういうことに男も女もないでしょうけど…今でも男と二人きりは恐ろしいのですよ」
「僕もかい?」
「ほんの少しだけ。…半兵衛様」
「ん?」
「此の儘では本当に足手纏いになってしまいます。ですから」
「…駄目だよ」
「…」
「君はいてくれるだけでいいんだ。僕だけではない秀吉もそう思っているよ。」
「っ」
「泣かないで。」
「ふふふ」
「春?」
「大丈夫ですよ。」
「…」
「なら、もう少しだけ頑張ってみます」








すれ違う三成 4








「春!」
「っ」
「待ってくれ!話を」
「今、急いでいるの」
「待てっ!」
「っ」
「頼むから」
「あ…」





『お前は私のものだ!』





「や、やだ!」
「震えて…」
「…」
「すまない。お前に危害を加えるつもりはない」
「…触らないでください」
「春!どこへ行く?!春!!!」

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すれ違う三成 3

貴様が春の愛敵かと尋ねてきたこの人こそ春様のお相手である石田様なのだろう。成る程。私とは正反対の細くて神経質そうな御仁だ。ひしひし感じる命の危機と嫉妬の渦と…この御仁は聞いていた以上に分かりやすい。
春様が帰った晩。私はこの人の座敷に呼ばれて身受けの申し出と春様のお相手をして欲しいと言われた。横にいる方が願いでは無く決定事項である事を静かに告げる。成る程、年増の女郎を片付けられるのだから一石二鳥なのだろう。ほくほくとしたおとうさんの横面を叩きたくなった




「おい」
「春様は?」
「貴様が春の名を呼ぶな!!!」
「?!」
「三成!」
「はらわたが煮えくり返る!貴様を此処で葬りたい!!!」
「やれ、すまぬなぁ。これは春殿の事になると盲目でなぁ」
「っ」
「愛敵である主が憎いのよ」
「愛敵…」
「しかしふさぐと必ずぬしの元へ参りよる。今の春殿に主が必要よ」
「春様に何が?」
「知らなくて良い!そもそも貴様の力など」
「…石田様」
「!」
「春様はただただ優しい方です。」
「知っている!貴様に言われずとも!!!そんなこと、私が、一番!」
「私の元へ来られるようになったのは私の許嫁があの方の部隊にいて…討ち死にしたことを伝えに来てくださったためです」
「…」
「気落ちした私を元気付けてくださいました。彼の方は本当にお優しい」
「そうよの」
「ですが、彼の方は何もご自身のことを仰いません」
「?」
「悩みも苦しみも弱みも何もかも。…特にお城の方の前では」
「!」
「私はきっと始め知りえた城外の人間。言いやすかったのだと思います」
「…黙れ」
「彼の方が誰よりも女らしいことを存じておられますか?裁縫も食事も何もかも。いつもの様な男装では無く女の様な姿が本に好きであること。」
「黙れ!」
「女の様に誰かに嫁ぎ子を産み育て、愛したものの腕の中で寝ていたかったこと」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!」
「彼の方が私と同じ床に寝るのは貴方のせいで御座います!」
「黙れ!!!」
「三成!」












「八橋が死んだ?」
「…」
「如何してだ!先だってきた折はあんなに」
「…申し訳ありません」
「墓は?!八橋!!!」
「とのさま」
「禿の…如何致した?」
「これ、姐様から」
「?」
「姐様、殿様が大好きだって…笑って幸せになってって」
「いやだ、八橋!八橋…あぁああああぁぁぁ!」







すれ違う三成 3








「や、やれ。春殿」
「?」
「その姿は如何した」
「ふふふ。切りました。さっぱりしたわ」
「…」
「八橋が死んだの。…ご存知?」
「主の愛敵か?」
「知らないなら、いい」
「春殿」
「ん?」
「主は勘違いしておる」
「?」
「あれは」
「春!」
「噂をすれば」
「…」
「熱は?側に居たかったが…」
「…もう、大丈夫」
「そう、か」
「ねぇ、聞いていい?」
「なんだ?!」
「その刀で八橋を斬ったの?」
「?!」
「苦しまなかった?」
「春」
「なら、いいわ…では後でね。」
「ま、待て」
「離して、」
「話が」
「…石田殿」
「!」

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