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変換なしの雑食夢

ran

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すれ違う三成 3

貴様が春の愛敵かと尋ねてきたこの人こそ春様のお相手である石田様なのだろう。成る程。私とは正反対の細くて神経質そうな御仁だ。ひしひし感じる命の危機と嫉妬の渦と…この御仁は聞いていた以上に分かりやすい。
春様が帰った晩。私はこの人の座敷に呼ばれて身受けの申し出と春様のお相手をして欲しいと言われた。横にいる方が願いでは無く決定事項である事を静かに告げる。成る程、年増の女郎を片付けられるのだから一石二鳥なのだろう。ほくほくとしたおとうさんの横面を叩きたくなった




「おい」
「春様は?」
「貴様が春の名を呼ぶな!!!」
「?!」
「三成!」
「はらわたが煮えくり返る!貴様を此処で葬りたい!!!」
「やれ、すまぬなぁ。これは春殿の事になると盲目でなぁ」
「っ」
「愛敵である主が憎いのよ」
「愛敵…」
「しかしふさぐと必ずぬしの元へ参りよる。今の春殿に主が必要よ」
「春様に何が?」
「知らなくて良い!そもそも貴様の力など」
「…石田様」
「!」
「春様はただただ優しい方です。」
「知っている!貴様に言われずとも!!!そんなこと、私が、一番!」
「私の元へ来られるようになったのは私の許嫁があの方の部隊にいて…討ち死にしたことを伝えに来てくださったためです」
「…」
「気落ちした私を元気付けてくださいました。彼の方は本当にお優しい」
「そうよの」
「ですが、彼の方は何もご自身のことを仰いません」
「?」
「悩みも苦しみも弱みも何もかも。…特にお城の方の前では」
「!」
「私はきっと始め知りえた城外の人間。言いやすかったのだと思います」
「…黙れ」
「彼の方が誰よりも女らしいことを存じておられますか?裁縫も食事も何もかも。いつもの様な男装では無く女の様な姿が本に好きであること。」
「黙れ!」
「女の様に誰かに嫁ぎ子を産み育て、愛したものの腕の中で寝ていたかったこと」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!」
「彼の方が私と同じ床に寝るのは貴方のせいで御座います!」
「黙れ!!!」
「三成!」












「八橋が死んだ?」
「…」
「如何してだ!先だってきた折はあんなに」
「…申し訳ありません」
「墓は?!八橋!!!」
「とのさま」
「禿の…如何致した?」
「これ、姐様から」
「?」
「姐様、殿様が大好きだって…笑って幸せになってって」
「いやだ、八橋!八橋…あぁああああぁぁぁ!」







すれ違う三成 3








「や、やれ。春殿」
「?」
「その姿は如何した」
「ふふふ。切りました。さっぱりしたわ」
「…」
「八橋が死んだの。…ご存知?」
「主の愛敵か?」
「知らないなら、いい」
「春殿」
「ん?」
「主は勘違いしておる」
「?」
「あれは」
「春!」
「噂をすれば」
「…」
「熱は?側に居たかったが…」
「…もう、大丈夫」
「そう、か」
「ねぇ、聞いていい?」
「なんだ?!」
「その刀で八橋を斬ったの?」
「?!」
「苦しまなかった?」
「春」
「なら、いいわ…では後でね。」
「ま、待て」
「離して、」
「話が」
「…石田殿」
「!」

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