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変換なしの雑食夢

ran

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すれ違う三成 5

「何此れ?」
「石田様からの贈り物です」
「…返しておいて」
「え?!」
「何もいらないからって言っておいて。吉継あたりに言えば大丈夫だから」





「…何この手紙」
「石田様から」
「返しておいて」
「手紙ですよ。返すならお返事の方が…」
「やだ!」





「…」
「石田」
「言わなくてもいい!」
「床の間に飾りましょうか?」
「…」
「綺麗な冬桜ですね」
「桜…」
「春様?」
「ちょっと出かける」









この2日で贈り物攻めを食らっている。なんなのだ!いい加減にしろ!と言いたい。今の今まで贈り物なんてしてきたことなかったくせに!何より桜を贈ってきたり髪を切った私に簪を贈ってきたり!嫌がらせに近い。






「吉継!」
「やれ、騒がしい。如何した?」
「此れ!」
「ああ。三成からよ」
「知ってる!もういらないって言って!!!」
「自分でいわしゃれ。」
「やだ!」
「聞き分けのない」
「大体!」
「ん?」
「散る桜送ってきたり!髪を切った私に簪送ってきたり!何?!嫌がらせ!!?」
「…ずれておるのう」
「もう嫌!」
「吉継君…おや。春。如何したんだい?」
「ひひひ。贈り物攻めよ」
「ああ。彼のことだからずれてそうだよね」
「半兵衛様が言って!!!もう要らないって!」
「いやだよ」
「…半兵衛様!意地悪!」
「これ、春殿」
「半兵衛様何て!三成の方が好きなんだ!」
「また、童のように」
「春」
「…何?」
「僕はね。春のことすごく可愛がっていたつもりだよ。三成君が君の処に夜這ったときも。みんなはただ喜んでいただけだけど僕は呼び出していろいろ難癖つけたもん」
「?!」
「そうよなぁ。まさに父親の如きよ。生半可な気持ちでないのか。子供が出来たら如何する気やら。」
「結婚してからでいけないのかとか言ったよね。今でもそう思うよ。」
「ひひひ。三成も必死に説得しておったなぁ。」
「実はね。今度、秀吉に願い出る予定だったんだよ」
「何をです」
「君との結婚の許し。…家康君の一件が片付いたしね。」
「…」
「乱世が終わって落ち着けると思ったのだろう?ふふふ。であの騒ぎだ」
「錯乱してしまったようよ。いなくなってしまうとな。主が一晩三成に何も言わずいなくなることはなかったからなぁ。」
「都合のいい話ですね」
「そう言われてしまっては元も子もないけどね。ふふふ。」
「会いとうないと言われて頭を抱えてなぁ。相談したら主の好みをよう知っておる女子がいてなぁ。」
「…」
「ひひひ。気に入らぬか?」
「…入りません」
「強情」
「煩いです」
「君はね、その強情で意地っ張りなところが可愛いけどひねくれるのは可愛くないよ。何が嫌なのかはっきり言わないと三成君はわからないし。引導を渡さないと其れこそ諦めがつかないだろう」
「…」
「やれまたしゃれ」
「吉継君?」
「あれのやったことは人でなしよ。主とて女子。あれが本気を出せば力比べでは負けてしまう。怖かっただろうに」
「よし、つぐ」
「ひひひ。一発殴ってやろうなぁ。それで許せとは言わぬが…横たわる主を看護した我とて腹立たしかった。…我とて主が可愛い可愛い。」
「吉継〜!」
「あらら。泣き虫に戻ってる」
「そうよな。もともと泣き虫よ。いつの間に泣かなくなったのは主が辛抱していたからよの」
「うう。」
「手のかかる三成ばかりに気をかけすぎたわ。此れからは何でも言いりゃれ。」
「吉継大好き!」
「ひひひ。」
「えー僕は」
「…」
「二人きり怖いんでしょ?」
「…うん」
「君に嫌がることしたことないよ」
「…嘘つき」
「それは無理があろう」
「う…」
「…」
「な、何もしないよ!ね!信じて」
「…」
「春」
「うん」
「少し寝りゃれ。顔色がようない」
「…うん」
「寝られなかったんだね。可哀想に」
「…」
「ふふふ。昔は良くこうして寝ていたね」
「我の膝か賢人の膝か。太閤が羨ましがっていたなぁ」
「本当に大きくなって」
「ひひひ。ゆるりと寝りゃれ。」














すれ違う三成 5






「?!」
「静かにしりゃれ」
「刑部!貴様…!!」
「悋気しても致し方あるまい。自業自得よ」
「春は私のだ!」
「やれ三成。何度も言うが春殿はものではない」
「解っている!」
「ぬしは本に分かりにくい。その言い方もよろしくない。春殿が泣くのも致し方あるまい」
「ぐ…」
「ようよう辛抱しておったのになぁ」
「解っている!」
「解っておらぬよ。故に間の抜けた贈り物ばかりよの」
「…」
「髪のない女に簪を贈ったらただの嫌がらせよ。」
「…」
「それに何故これの嫌う花を贈る…」
「…」
「好かぬなら」
「そんなわけないだろう!」
「なれば少し考えしゃれ」

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