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変換なしの雑食夢

ran

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13

「小太郎!!!」
「?」
「わ、私はな。高いところが苦手だ!」
「…」
「絶対離さないでおくれ」
(姫さん)
「…」
(だめだ。目を閉じてる。姫さん)
「つ、突くな。…小太郎」
「?」
「星が美しい」
「…」
「砂子のようだ。」
(気に入った?)
「小太郎」
「?」
「ありがとう」
(どういたしまして)
「月も綺麗だ。」
(今日は中秋の名月だから)
「そうか。もうそんな時期になっていたんだな」
(珍しく興奮してる?)
「…済まない。重くないか…小太郎!!!態々片腕にしないで!!!」
(絶対落とさないから)
「そういう問題じゃない。済まないがしがみつかせてもらうぞ」
(どうぞ)
「にしても小太郎は凄いな。こんな高いところまで登れるのだから」
(そう?)
「ああ。風も空も太陽も月も。其方が見せてくれるものは全部美しい」
(元気出た?)
「ああ。小太郎の薬のおかげだな。分かっていたが私は豊臣に要らない人間らしいな」
(そうかな?)
「幼い時からあの場所を与えられていたしだな、当たり前だったが。父上の名前は私には大きすぎた」
(そう)
「私は父上や竹中殿の様にはなれない。皆に好かれたいから頑張っていたがな」
(姫?)
「やっぱり私は期待はずれのはぐれ者だな」
「…」
「本当にありがとう。死ぬ間際までこんなに良くしてくれて」
「!」
「これでいつでも心おきなく死ねる」




そう言うと小太郎がぎゅっと抱きしめてくるので驚く。どうしたと聞いても何も言わないので私は困って背中を撫でてやる。と顔を上げてニヤリと笑われるので首をかしげる。


「意味、解ってる?」
「小太郎?声が」
「俺の声を知ってるのは生きているのは姫さんくらいだな」
「もう一度」
「姫さん?」
「いい声だ」
「…そう言うところが危なっかしい」
「そうか?」
「…少し太った?」
「ああ。まだまだだがな。皆にお礼を。影にいるのかな?」
「居ないよ。俺の部下はそこまで命知らずじゃない」
「?」
「男の中に生きてきた分変に知識がないんだな」
「な、んの話だ?」



好きだと言われて一層抱きしめられる。
敵国の女を好きになるとは思わなかったと一言つけて。






からんころん






「やれ、三成」
「止めるな、刑部」
「相手はあの、松永と伝説の忍びぞ」
「私はどうなってでもいい。唯姫様にもしものことがあれば」
「…三成君いる、案の定か」
「半兵衛様!!私に出撃の許可を!」
「駄目だよ。相手が相手だし。彼女自体が出てくる気がないからね。」
「しか、し」
「あと、秀吉からの命令だよ。君、結婚しなさい」
「は?」
「やれ、軍師殿。其れはあまりにも」
「姫が出てこない以上、嫡子を考え直さなければいけない。秀吉の姉君の4の姫。彼女の妹で吉継君の御細君の妹でもある。」
「私、は」
「いいね」
「お許しください。私は」
「…なら、部屋に詰めていなさい。」
「は?」
「やれ、竹中殿」
「言うことを聞けない罰だ。良いね」
「っ」
「三成君」
「は」

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12

「救うに能わず。戦支度は無用に候」
「…」
「間違いなく、彼女の字だね」
「はぁ。馬鹿だバカだと知っておったがここまで酷いとは」
「君には別口で妹を頼む候故に我私物を売りて、その値妹に譲りたく。その手配一々面倒なれどご容赦の段平にお願い申す、とあるね。」
「こちらの気も知らん馬鹿が」
「…書かされたのだろう。」
「三成君?」
「場所は松永とわかったのでございます。早くお助けせねば」
「ん。」
「半兵衛様?」
「この花押ね。草とあるだろ?」
「?何の不思議が?」
「自分の意思。なら草。否なら、草木。そういう約束なのだけどね。…帰って来たくないのかな?」
「そんな!」
「僕は彼女に色々と押し付けていただけなのかもしれないね。はんべーと可愛く笑っていた彼女がいつの間にか薄くしか笑わなくなったのに気付けて居なかった辺り否定できないね。」
「ですが」
「最悪、遺体となっても戻らぬ覚悟を決めてかないとね。本気で逃げられたらなかなか持って手強い」
「ほんに。見つけるのはいつもの姫であらしゃれた。」
「彼女を探す術は持っていないからね。」
「例え」
「ん?」
「例え冥府に参りましょうともこの三成。必ず姫様を見つけいたします。」







からんころん







「小太郎や」
「?」
「唇は動かせれるか?」
「???」
「昔な義弟に読唇術を教えてもらったのを思い出した。是非だけでは会話しにくかろうと思ってな」
「…」
「…すまない。迷惑だったか?」
(姫さん?)
「小太郎?」
(早くはない?)
「ああ。」
(じっとこちらを見るんだな)
「ふふふ。でないとわからないだろ?」
(ん?)
「ありがとう。」
(何が?)
「忙しいだろう?其れなのに私の世話まで。呼ぶ前から助けてくれるから驚いてはいるのだけれどもな」
(仕事だから)
「ああ。監視対象だものな。…?小太郎。あまり頭を横に降ると首が取れてしまうよ」
(影に印をつけてるのが仕事。嫌ならそれ以上しない)
「?」
(あんたが心配。)
「…ふふふ」
(?!どうして泣く???)
「嬉しいな。ありがとう」
(意味わかるように言ってくれ)
「秘密だ」
(…まぁいいけど。それより薬の時間だ)
「…結構だ」
(ダメ)
「しかしだな。あの、松永の」
(?違う。これは俺の。忍びの薬だ。よく効く)
「小太郎の?なら、と言いたいが味が凄く苦い」
(毒薬は無味無臭にする。妙薬口に苦しだな。…唯)
「ん?」
(医師は何を飲ませていた?滋養系の薬ならこの手の味になるはずだ。)
「あまり苦くは…」
(姫)
「考えたくないな。小太郎?」
(文を書いてくれ。確かめてくる)
「…いいさ。別に」
(?)
「もし逃げられたとしても私は豊臣に変えるつもりはないからな」

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11

「いやはや、美しい卿が手に入るとはね」
「はははははは」
「冰対の刀をといったのだが。これは上々。」
「ふふふふふふ」
「まぁゆるりとされよ。」
「どこを如何したらゆるりとできる。」
「ん?」
「真逆、松永殿の家中とは」
「…」
「小太郎の事かな?」
「ああ」
「あれは風魔。元は北条に雇われていたがね。卿を暗殺し損ねて滅びてしまった」
「そうか」
「概観が深いかな?」



そういうので小太郎と呼ばれたものを見れば微動だにせず立っているので流石だなと笑う。風魔殿と呼べば、頭を横に振られる。小太郎殿といえば同じで苦笑すると松永殿に呼び捨てたまえと言われて私がこまる。
良いのか?と言えば頷かれる






「小太郎」
「…」
「流石だな。見えなかった」
「…」
「其れより、喉だ」
「?」
「先の折に痛めたか?すまぬな。私がしっかりせぬから」
「!」
「もう声は出ぬのか?松永殿」
「何だね」
「治癒せぬのか?」
「ははは。あの豊臣軍にあって仁徳の者と言われるだけある。風魔の其れは生まれつきのようなものだ」
「!」
「くくく」
「其れは大変な事だっただろう。ああ、嘘などつかなくて良い。小太郎」
「っ」
「無理はすまいよ。草の者といっても人は人。」
「…」
「愉快愉快。あの伝説がたじろいでいるわ。」
「?」









からんころん






「…」
「すまぬ、な。少し無理が過ぎた。…松永殿の書状?」
「…」
「なるほどな。人質というより宴のえ、さ…っ」
「!」
「ああ、大事ないといいたいがな。やはり少し草臥れた。ああ。小太郎のせいではないよ。」
「…っ」
「ほら、笑わぬか。ああ。表情も作れぬのであったな。すまん」
「…」
「小太郎」
「?」
「寝付くまでで良い。側にいてくれないか?」
「…」
「ありがとう。優しいなぁ」
「?!」
「驚くな。手を繋いだくらいで」
「?!!?!」
「ふふふ。其方の手も傷だらけだな。」
「?」
「努力の手だな。私はそういう手が好きだ」
「…」

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10

私は治部が好きだ。幼い時より、治部が好きだった。
好きなどというとは弱い証拠だったと笑ってしまうのだが。確かに好きだった。
ただ、治部は私が好きな訳ではなく、父上に似た私が好ましかっただけ。それも一番ではなくずっと下なのだ。この間竹中殿を見ていた顔でよくわかった。回復するかもしれない一抹の希望は父と竹中殿。義理の弟になった刑部にある。私の為ではないのだ。少しだけ彼の言葉に自惚れてしまっていたな。とんだ笑ものだ。
この体になって思い知らされる。私は私自身愛されてはいない。


「あの子は昔から頑固で」
「半兵衛」
「でも、人との和を取り持つのがピカイチだった。新しい、豊臣を背負うのに今だってなんの不服もない。三成君、吉継君、家康君が脇を確り固めてくれるし。」
「落ち着け」
「なのに」
「三成は?」
「暇があれば、取り次いでもらっているみたいだね。」
「吉継に」
「妹君と面会を望んだけど無理だった。家康も…」
「では、我が行く。」
「秀吉」





魘されて、目を開けると赤い髪の男が立っていた。
驚いたものの男の方は全く変わらないので逆に笑ってしまう。



「貴方は北条の?」
「…」
「貴方の主人にはすまなかった。この通り、私は動けぬ。さ、」
「…」
「この首をとっておくれ」
「…」
「?」
「…」
「なぜ剣をしまう?待て、抱きかかえるな。…っ」
「…」
「いた、い」
「…」
「?」
「…」
「そなた声が」




そう言った瞬間、ガラリと扉が開くと同時に伯父上が入ってこられる。助けてともなんとも言えぬ間に私は闇に沈んでしまったのだ。







からんころん





「姫、様が?」
「すまない」
「い、え」
「あれは風魔のものだね。吉継君」
「あいわかった」
「半兵衛様!私には何を?」
「三成君は城で待機。」
「ですが」
「やれ、三成。間者ごとは其方に不向きよ。暫し待たしゃれ。」
「だが、刑部」
「暴れてもらう時には先陣を切ってもらうから」
「は、い」

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09

「やぁ、元気かな」
「竹中殿?」
「半兵衛様!!!」
「ふふふ。真逆ゴリラの君が寝込んでしまうなんてね。」
「私は人だったという事でしょう」
「上手い事をいうね」
「まぁ何はともあれ、念願叶われましたな」
「ん?」




私の廃嫡ですといえば少しだけ驚いて苦笑する。
寝たままでもいけないなと思いつつ起き上がると侍女が体を支えてくれる。何時もは飛んでくる治部を見るとなんとまぁキラキラした顔で竹中殿をみるのか。はっとこちらを見て駆け寄ろうとしたものの手で制す。



「ふふふ。三成君も元気そうだね。顔色がいい」
「まぁ。よく食べさせ寝させておりますので」
「姫様、お許しを。すぐに」
「いい。まぁ美人だからな仕方がない」
「何を言っているんだい?君も十分」
「ゴリラと言った口で何をおっしゃる」
「それは…君以外と粘着質だよね」
「あら、女というのはそういうものらしいですよ」
「ゴリラは女ではない…いや違うな」
「いいえ、結構ですよ。」
「反抗期?」
「デリカシーの欠片もない方に反抗して如何するのですが?」
「昔ははんべーって可愛かったのに」
「ははは。赤子の頃お襁褓を替えてたよと言うくらいの戯言ですな」
「はぁ誰に似たのか」
「さよも貴方も。私の教育係は皆毒舌家でしたからね」
「ふふふ。なら仕方ないかな」



そう言って笑う男を尻目に私は頭を抑える。大丈夫と言われるので廃嫡後の事は頼みましたよと言って白湯を飲む。血縁は伯父上と同じにする為良いとして侍女たちには危害を加えないでほしいといえば笑われる。




「君を廃嫡する気はないよ」
「…」
「信じられない?」
「昔、あなたが仰った」
「?」
「弱い者はいらないと」
「言ったね」
「医師にも聞いたのでしょう?」
「ああ」
「姫様?半兵衛様?」
「治部にも言ったな。もう私は廃嫡されると」
「はい」
「君、そんな戯言三成君にも言ったのかい?」
「戯言ではない事をあなたが一番知っておいででしょうに」
「っ」
「半兵衛様?」
「治部や」
「は、い」
「その刀で首を落としてくれ」
「は?」
「命令だ」
「何を…おっしゃって」
「私の命は長くない」
「は?」
「何を言っているんだい。養生すればいいと言っていただろ?」
「ここに入って女の私は死んだのです。強ければ生き、弱ければ死ぬ。豊臣の教えで私は生きてきた。」
「君ね」
「1年2年と鍛錬もせず、強い己で居れますか?武将としての死は近い。のなら、治部」
「は、い」
「お前の刀で散らせてほしい」
「ひ、め。」
「君ね!何を考えているんだい?命があるのなら元気になってまた鍛錬をつんだらいいだろ?!」
「一兵卒なら。」
「え?」
「ですが私は父上の後継でございます」
「…」
「治部」
「お許しください…其れだけは」
「大丈夫だ。大丈夫だよ、治部。」
「は?」
「お前ももう解放されなさい」
「姫様?」
「父上も竹中殿もいる。刑部も家康もいる。お前の大切な者はちゃんとあるよ。」
「姫様がおられませぬ!」
「世には順位がある。治部や。一番大切な者が残っているだろ?」
「いいえ、姫様」
「竹中殿も、治部は馴染みゆえ。その縁が仇になりませぬ様。平にお願いいたします」
「…勝手に決めないでほしいね。」
「…」
「廃嫡の予定はない。わかったね」
「…ほんに」
「ん?」
「女子には生きにくい場所よ」
「え?」
「ちと寝る、竹中殿も治部も下がってくれ」
「…変なこと考えてないよね。」
「どんなことだ。ああ、そうだ。治部をお返しいたす。約日より早いがもう良いだろう。」
「姫様?!」
「きちんと食べて寝ておくれ。」
「いいえ、私は約日まで!」
「人払いをする。当分来るな」
「私をお見捨てにならないでください!」
「石田三成殿」
「っ」
「竹中半兵衛殿」
「…」
「長きに渡ってお礼申す。ありがとう」
「姫様!」








からんころん









「姫」
「誰にも会わんよ。さよ。お前も来週には親元へ帰りなさい」
「皆帰ってしまったのですよ。誰があなたのことをするのですか?」
「なんとかなるさ」
「起き上がれない方が何を言うのです」
「なあ、さよ」
「はい?」
「楽しかったなぁ」
「…」
「其方がいてくれたから私はここでやっていけたな」
「いいえ、姫様」
「泣いたことの多い人生だったが、不思議だ。楽しかったことしか思い出せん。」
「もし」
「ん?」
「貴方が廃嫡されてここから放り出されたら。」
「ああ」
「城下で団子屋を致しましょう」
「さよ」
「わたしはそこで待っておりますから」
「街で一番の団子屋を探すよ」
「ええ」
「きっと楽しいだろうなぁ」
「ええ」

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