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変換なしの雑食夢

ran

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紫根色

「姫様」
「あ、石田様。お帰りなさいませ」
「女学校の帰りですか?」
「いえ…その」
「?」
「孤児院の訪問帰りです」
「は?」
「そちらの関係は私がしておりますので…少し問題があって。今日は女学校も早く終わりましたから。学校の近くでもありますし」
「そうなのですか」
「石田様が孤児院とか反対されているのは知っておりますので…」
「はい」
「…申し訳ありません支離滅裂な説明で」
「いえ。ですが」
「はい」
「ある程度なれば兵学校に入れてしまった方が効率的です」
「は?」
「何か?」
「効率性で考えてはならないところです。えっと、ああ!例えば科学に進めば偉大な発明を」
「確率的に致命的に低いことを申し上げているのです。この数百年のうちその様な人物はいませんでした」
「…では言い方を変えます」
「?」
「以前の孤児院では多くが男は兵役に女は売春になります。兵役も鉄砲玉の様な扱いで」
「戦では必要な時がありますので」
「…石田様はやはり軍人なのですね」
「はい。」
「わかりました。」
「姫様?」
「少し寄るところを思い出しました。」
「では一緒に」
「いいえ。私と松で十分でございます。失礼いたします」
「…ですが」
「今から売春宿へ訪問します」
「松?!」
「なっ!その様なところへ?!危のうございます」
「…いいえ。危なくはありません。」
「姫様」
「赤子にミルクを渡しに行くだけです」
「…もう!松」
「いいでしょう別に。男と女では見方が違うでしょうし事情も違います。兵士に暴漢がいるのもまたこの方には理解の範疇を超えていますので」
「どこの部隊ですか?」
「それは内々に。我等が動いております」
「左様か。なれば」
「石田様?」
「やはりお送りいたします」
「助かります。さぁこれを」
「ま、松?!石田様に何を!」
「荷物を持って頂くのです」
「時々貴方がわからなくなります」
「いいんですよ。そう言うものですから」





帝都より少し行ったところの売春宿は捕虜や敵兵の妻。遺児や寡婦の行く末であり一般的な女は近づかぬ場所なのに。姫様がお越し参られると歓声とともに向かい入れられる。何故?と思えば此処の主の嫁御を助けられたからだと松は言う。半兵衛様も知っているどころか巻き込まれたということ。成る程 。刑部の言っていた通り、昔の姫とは違う。あの方は城から出ることはなかった





「あー姫さん!また来たの?」
「佐助様。」
「粉ミルクです。あと医療品と日用品なども」
「悪いね。武田だけでまかなうの大変なんだよ。で」
「?」
「なんで石田の旦那連れてきちゃったの?!!!」
「あら、いけませんでしたか?」
「松!お前わかってやってんだろ!」
「猿飛!説明しろ!!!」
「石田様!赤子がいますから声をあげませぬ様」
「ぐ…」
「あらら。流石姫さん。此処は武田と真田忍び隊が維持してんの。元々ね。まぁひどい有様だったし。たまたまうちの嫁さんと松が知り合いで。その関係で姫さんがこう言うとこの状況知って組織だたせてくれたってわけ。かすがを助けてもらったから命の恩人だし。なにより、さ。お館様も気に入っちゃって。」
「…」
「歯軋りを止めなされ。姫様がご覧遊ばしたら驚き怖がります」
「いやー!もううちの子の所行っちゃった?よかったね」
「弱腰で行けず仕舞いなら他の殿方が掻っ攫っていきますよ。」
「え?何々?!もういいんだったらうちの旦那に!」
「貴様…頭を」
「石田様。松。帰り…何事ですか?」
「ひ、姫様?!」
「虫です。今日の所は帰りましょう。また日を改めて」
「ええ。あ、真田様に宜しくお伝えくださいませ」
「はいはいっと!」
「姫様」
「あと子供達にお勉強頑張る様にと。また参りますね。石田様」
「参りましょう」
「じゃあね。」




そう言って車に乗り込むとバックミラー越しにむすっとした石田様のお顔が見えて驚いてしまう。御不快でしたかと言えば違うらしい。困った。何故怒ってらっしゃるのかわからない



「…真田とは」
「真田様?」
「仲がよろしいのですか?」
「何度かお会いいたしましたが、その」
「何かされたのですか?!」
「いいえ。流石名門甲斐武田を担う方。そのような事はないのですか。伝言のようで話が難しくて」
「…ああ」
「やはり有名なのですね」
「はい。姫様は」
「?」
「あの様な男が好きですか?」
「?!」
「くくく」
「ま、松!笑わないで。石田様も」
「いえ。何かありましたら半兵衛様に御報告せねば」
「竹中様は知っておいでです」
「…松。もう石田様も御揶揄い遊ばさないで」
「…」
「私は兄様と半兵衛に選ばれた方と結婚するはずですから。兄様も半兵衛も未婚を通すみたいですので。私がこうと決めた方などではいけないでしょう」
「そうなのですか?」
「ええ。ですが。せっかく家族になるのでしたら仲睦まじく暮らしたいものです」
「…」
「石田様も!私のよりご自身のことを」
「そう、ですね」






紫根色






「ヘタレ」
「ぐ…」
「どうしたの松君」
「どちらか決めなされ!ふらふらと。」
「…ああ。姫の事かな」
「申し訳ありません」
「良いよ。きっと君も贖えないだろうから」
「っ!」

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