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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝

「マインシャッツ」
「はい、ナイトハルトさん」
「加減は如何だい?」
「貴方がいてくれるから大丈夫よ」


そういって微笑むとナイトハルトさんが頬にキスをくれる。
めっきりと体が弱ってきたのはこの秋だったか。頭の隅でそう思うと自分に残された時間が思いの外短いことに気がつく。孫も見れた。ヘンリエッタの婚約も済んだ。ドミニクのお嫁さんはしっかり者だから安心しているものの独身のクリストフルが心配だわ。ただ2人とも立派な軍人だもの。大丈夫よね。と自問しているとナイトハルトさんに名前を呼ばれる。


「?」
「何を考えているの?」
「未来」
「そう」
「ナイトハルトさん」
「ん?」
「ありがとう」
「…」
「貴方が私を慈しんでくれたから、幸せだったわ」
「過去形?」
「進行形」
「ずっと続くよ。」
「そうね。」
「珍しく弱気だ。」
「ええ」
「君は僕が退役したら一緒に旅に出るのだろ?」
「ええ。でも」
「ん?」



大切なことを言えずにいるのはこれ以上にない不幸よといえば難しい顔をされる。私以上にこの人ほうが分かっているのだろう。共に居られる時間の短さに。



「大体、終身でしょ?」
「そうだね。」
「ずっと待っててあげたかったけど」
「待っててくれ無いの?」
「待ってるから。ゆっくり、ひ孫まで見てきてね」
「酷い人だ」
「本当に。でも、悔いはないわ。私」
「うん」
「貴方と共に生きてこれたもの。憂いもなく、貴方は私を幸せにしてくれた。本当にありがとうございます」
「君も」
「?」
「私を幸せにしてくれた。この世で一番幸せな男だよ。何もかも君のお陰だ」
「本当に?」
「ああ」
「ナイトハルトさん」
「何?」
「ナイトハルトさん」
「マインシャッツ」
「愛しているわ」
「うん」
「子供達んお願い」
「うん」
「貴方もいい人がいたら私に気兼ねなく再婚してね」
「君以上にいい女なんてい無いよ。」
「ふふ。」
「だから」
「ごめんね」
「っ」
「ああ、後悔はないけど。貴方と離れるのは辛いわ」
「私もだ」
「ナイトハルトさん」
「如何したの?」
「手を」
「ああ」
「繋いでもいい?」
「勿論だよ」




別れの日





「あら」
「如何した?」
「パウラさん」
「?」
「迎えに来てくれたの?」
「…迷いそうだったからな」
「ええ、でももう大丈夫よ」
「そうか」
「今からどこへ行くの?」
「ヴァルハラとやらだ。」
「みんないる?」
「ああ」
「ナイトハルトさん来るまで私を独り占めね。」
「静かな日々が終わるな。」
「結構好きでしょ?」
「…」
「さぁいきましょ。体も軽いし。御誂え向きに若返ったし!」
「はぁ」






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