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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝

我が娘、ユリアパウラ・ミュラーが生まれて、7日。王宮で産気づいたものだから未だ王宮に留まっているものの早く家に帰りたいと思う。ナイトハルトさんの部下からパウルさんの元部下たちが四六時中やって来るのだから面倒臭い。フェルナーさん曰く仕方がないという事。どこのどの辺りが仕方がないのだと思いつつもやって来る憲兵の人たちを見ていたら言う気が失せた。良く夫と共にいた人ばかりだ。本当に将校には嫌われた人だったけど部下にはそれなりに好かれた人だった。あの、憲兵が花やケーキや産後に良いとされる食べ物を手に入れては日参し遠巻きに見るのだから面白いものだ。ケーキを食べてそう言うと、毒が入っているなんてこれっぽっちも頭に過ぎらない奥様だから未だに皆、慕っているのですよと言われ、納得する。成る程考えつかなかった!


「昔から閣下が心配されたままの貴方で感無量です」
「だって」
「…」
「今も皆さんが見張っていてくれているでしょ?夫がいない時とか。特に食事なんか」
「気づいていたのですか?」
「まぁ、それなりに」
「…だから未だに差し入れに来るのですね。」
「死んでもなお、守られているわね、私」


ええと言ったあとフェルナーさんがユリアパウラを見る。砂色の髪と黒い瞳。ニコリとこの人でも笑えるものかと思いながら、それを指摘すると昔からよく笑ってましたよと言い返される。そう言えばそうだった。

「奥様」
「ん?」
「愛らしい」
「うん」
「よく、ユリアパウラとつけましたね。」
「夫が」
「提督がですか?」
「物凄く強運で守られそうだからと。」
「あー」
「多分この子にロクでもない事をしたらミュラー提督に殺されて、あちらでオーベンシュタインに殺されるわね。」
「…」
「考えただけで恐ろしいわ。」
「ええ」


すやすやと眠るこの子は知らない事ですけどと言えば頷かれる。


「私は」
「?」
「閣下と奥様を見るのが好きでした」
「初耳ね。」
「あの閣下が優しくなられる瞬間は貴方の前だけだからです。」
「そう?」
「ええ」
「誇らしい事だわ」
「実は」
「?」
「閣下が生きていらっしゃた間から今まで貴方をお守りするのは閣下の命ではないのですよ」
「やっぱり」
「え?」
「あの人が私心で護衛をつけるとは思わなかったから。…何かあったのかしら?」
「いえ」
「?」
「我々の自主的な護衛なのです」
「…は?」
「休日返上ですから」
「待って!休み返上なの?休めてる???」
「ええ。大丈夫ですよ。」
「でも、如何して?」
「憲兵の女神ですから」
「…」


すごい顔だと言って笑われる。プクーと頬を膨らますとケラケラ笑って、一息ついて膝をおられる。


「忠信を」
「フェルナーさん?」
「貴方と、愛らしいユリアパウラ様に」
「待って」
「良いですね」
「良くないわ!」
「護衛しますから」
「貴方は…昔から!いいわ。但し!」
「?」
「大切な友人としてよ。」
「…」
「何?」
「貴方らしい」
「なんとでも言って」
「では奥様」
「ん?」
「憲兵の騎士としての忠信と友情を捧げます」



ありがとうと言うと締まらないなぁとぼやかれた。



忠信と友情

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