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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝

「マインシャッツ」
「ナイトハルトさん」
「ん?」
「それ、かなり恥ずかしいわ」
「そうですか?」

ええと言って私はうなづく。言うに事欠いてマインシャッツはあり得ない。いや、子どもやペットにすら言う台詞だからいいのかもしれないけど。私の人生史上初めての事だから恥ずかしくていけない。
顔を両手で隠してうーうー言っていたらくつくつと笑われた。


「マインシャッツ」
「ひっ!」
「そんなにびくつかないでください。」
「遊ばないで!」
「だって面白いんですもん。」
「もんって」
「耳まで真っ赤だ」
「ひっ」
「くくくっ」
「ナイトハルトさん!」
「やっぱりマインシャッツだな」


そう言って抱きしめてくる。
愛しい人と囁きながら。


あの日以来この手のスキンシップが凄く増えた。寝る時は別だけれど、帰ってきてからそれまでの短い時間。ずっと一緒にいてくれる。抱きしめたり囁かれたり。精一杯甘やかしてくれるので私もお返しと言って頭を撫でたりしている。それが嬉しいらしく、にっこりと笑うものだからついつい私も絆されてしまうのだ。


「そう言えば」
「?」
「そろそろ家に帰らないと」
「え?!」
「え?」
「かえるのですか?」
「え、ええ」
「そうですか」
「ナ、ナイトハルトさん?」
「いえ…そうですよね」


そう言いながら抱きしめる腕の力を強めてくる。いや、それ。ちょと待って

「息息!!!苦しい」
「あ、え?!すいません」



苦しかったと言って解放されるのを待つが解放する気はないらしい。じっと顔を見てみると珍しくむすっとしているから面白い。ぷにぷにと頬を突くと帰るのですかと再び言われる。至極恨めしそうに。やっぱりこの人は可愛らしい。


「一度帰らないと」
「帰ってきたらあなたがいるから帰って来ていたのに。」
「そうおっしゃても」
「ですが」
「…」
「そんな。恨めしそうに見ないで」
「恨めしいですよ。」
「う…」


いじけた子ども。それがぴったりだ。くすくすと笑っていると不服そうに髪をすかれる。梳かれてキスを落とされる。


「マインシャッツ」
「だからそれは恥ずかしい」
「愛しています。」
「…聞いてます?」



絶対聞いてない。ぐりぐりと頭を撫でて差し上げると漸く落ち着いたのだろう。顔を見てくれる。


「結婚するとなると用意があるもの」
「!」
「家のこともオーベルジュさんたちに相談したいわ」
「そのままにしておくのでしょ?」
「ええ。かと言ってほっとくわけにも行かないわ」
「それはそうですね。」
「何より」
「?」
「あの人のところへ行きたいの」
「!!?!」
「ああ、違うわ。落ち着いて。お墓参り」
「…」
「報告しないと」
「私も」
「?」
「彼の方に許して欲しくて。毎日参らせていただきました」
「…」
「どうしました?」
「時々あなたがよく分からなくなるわ」


それ程あなたを想っているのですよと言って額にキスをくれる。よく聞くと毎朝の日課らしい。私がここに来てからの。脱帽する。あの人がナイトハルトさんを頼れといった意味が少しわかった。


「ありがとう。」
「許していただけたでしょうか?」
「あの人の苦笑とため息が聞こえそうだわ」
「そうですね。」


きっと卿も物好きだと言っているのかしら?と言いながら私は笑う。帰るのはあなたの居ない時にするわと言えば少し納得してくれたようだ。


「マインシャッツ」


慣れないこの言葉が慣れる日が来るのだろうかと苦笑しながらどうか老えるまで共にいたいなぁと願うのだった




最愛の人

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