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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝

「美しいご婦人だ」
「そうですか」
「だがいいのか?向こうで絡まれているぞ」
「大丈夫でしょう。あれをどうこうしようと思う輩はそうはいませんでしょうから」
「もし其の輩なら」
「叫ぶなりなんなりしましょう」
「可哀想に相手を見誤ったな」




そんな会話があったなんて私は知らなかった。気が付けば夜中も夜中。血の気が引く音を初めて聞いた。そしてベットの横で寝ている男を見て絶叫しそうになる。しなかったのはオーベルシュタインというのがいつもは気難しく恐ろしい程に冷静な男が気持ちよさげに寝ているのだから。仕方がないと思いながら思案する。きっと起き上がったら起きてしまうだろう。それはなんだか可哀想だ。だからと言って起きないでいる義理もない。但しここはこの人の家でこのベッドはこの人のものだ。…仕方がない諦めようと思考を停止して不意にオーベルシュタインさんを見る。いつもは軍服だったからシャツというのは目新しい。肩口まで布団を引き上げるとゆっくりとした動作で瞳が開く


「ん…」
「…」
「寝ていたか」
「…」
「今何時だ?」
「まだ明けてませんよ」
「そうか」



そう言って目を押さえる。調子が悪いのかなぁと頭を撫でると何も言わないあたりしても構わないのだろう。よしよしと撫で続けるともう良いと返される。もう良いあたりがこの人らしい。


「なんかもう、怒るタイミングを見失ったわ」
「そうか」
「もう少し寝てはいかが?」
「其のつもりだ、が」
「…?」
「不気味ではないか?」
「何が」
「この目が」
「いえ、別に」
「…」
「気を使って言う必要ないでしょう?大体妙齢の女性のベッドに潜りこんできて其の顔はないと思いますが?」
「…」
「貴方は思った以上に表情豊かよね。」
「初めて言われたな」
「冷凍人間って言われれたし」
「否定しない」
「貴方が今まで話していた貴族の娘様はどう考えていらっしゃるか知りませんが。貴方を不気味とか冷凍人間とは思えないわ。実際」
「…」
「で、何が言いたいのかよくわからないのですが」
「私もお前のそういう所が理解に苦しむ」
「なら、ベッドに潜りこむのも、無用な贈り物もしないでください。今日だってガタイの良い男に取り囲まれたのよ。ああ!思い出しても腹がたつわ!」
「あれは花形だ」
「あーいうの嫌いなのよ。人を値踏みして。」
「そうか」
「オーベルシュタインさん?」
「どうした?」


なんで抱きしめていらっしゃるのかなぁといえば寒いとだけ帰ってくる。何なのだ。この人は。


「恋人は?」
「いるように見えますか?」
「いや」
「即答も辛いわ」
「婚約しないか」
「…」
「お前もそういう顔ができるのだな」
「いや、寝ぼけてます?」
「寝ぼけていない。」
「私、庶民ですよ」
「だからどうした」
「…」
「今日からこの部屋で暮らせば良い。」



そう言って再び瞳を閉じる。何なだろうこの人は!と憤慨しつつも冷凍人間の暖かさでついつい微睡んでしまう自分が一番愚か者かもしれない



闇夜の会話

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