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変換なしの雑食夢

ran

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言えない三成

農民の私はいつか嫁いで、子を産んで家を守って死ぬと思っていた。今まで通りに田を耕して自然の中で生きる暮らし。そう思っていたのに兄は太閤などという恐ろしい身分になってしまい、はんべーと呼んで話を聞かせてくれた兄の友人は宰相として兄を補佐している。優しい二人は私の知らないうちに恐ろしい人になってしまった。よく笑う兄は笑わなくなり、優しかったはんべーは謀略家の顔になってしまっている。そして突然現れて唯一の血縁と言って私を大阪城のいう大層な城の一室に押し込めたのだ。
恐ろしい人たちに囲まれて私の人生は終わりを告げた。夢見た未来は来ないことを痛感していていたが、現実はもっと残酷で飼い殺しにあっている。兄と半兵衛様の言いつけけ通りに一角の姫君になって豊臣というのしとともに売られていくのだろう。それはそれは仰々しく、滑稽な張りぼてだろうに。




「…」
「失礼するよ」
「…」
「かわいくない顔をしない。君は」
「豊臣の姫君、なのでしょう?」
「そうだよ。まぁ昔から賢かったからそれなりになるのが早くて助かるよ。」
「そう」
「如何したの?」
「畑がしたい」
「畑?」
「村に帰りたい」
「それで、食べてなかったの?」
「わざとではないけど」
「知ってる。君が食べ物を粗末にするとは思えないからね。」
「体が重いの。」
「そうか…じゃあこうしよう」
「?」
「僕の講義に出る代わりに畑を耕していいよ。ただしここで」
「ここでぇ?!」
「ああ」
「こんなに土地が痩せてるのに…まぁいいわ。一人でさしてね。三棟以上よ!」
「はいはい。好きにすればいいよ」
「豆とー葉野菜とー。あと何かしら?ふふふ。」
「楽しそうだね」






そう楽しみだったのだ!ここに菜園を作っておいおい竃を作ろうと思ったのに。





「おい女!」
「また出た!」
「なんだと?!」
「あー!!!!そこ踏まないでください!生姜が!」
「は?す、すまん!」
「大谷さんに差し上げる約束をしているのです。ああ。良かった」
「…刑部にか?」
「生姜湯にしたら病にいいでしょ?石田様にもあげますね」
「…私にか?」
「手が冷たそうですもの。ま、出来るのは大分あとですけど」
「後か!」
「ええ。秋くらいかなぁ」
「…そうか」
「?」
「いや…気にするな!」
「はぁ…あ!」
「如何したの?」
「生姜嫌いでしたか?」
「いや、嫌いではない。」
「無理しないでくださいよ。…またここで何かされるんですか?」
「手紙をしたためる」
「へー」
「貴様はいつまでここに居るのだ?」
「連れてきた方に行ってください」
「…下手間が如何してこんな奥に」
「姫様のお慰みにですって!何度言えばいいのですか!」
「う…すまん」
「大体石田様なんて自室を賜って居られるのでしょう?そちらに行けば如何ですか?」
「ここが良い」
「我儘な…」
「我儘なのは姫様の方だ!散々駄々を捏ねてお前に畑まで作らせておきながら自分は何もせず…東の離れに移ってしまったではないか!」
「はぁ」
「はぁではない!少しは腹をたてろ!」
「本当に石田様は姫様嫌いですね」
「ああ。ああいう頭でっかちな女は気に食わん!」
「そうですか」
「学には秀でているのは流石と言いたいが戦場に出ない奴が覚えても仕方がない話だ。まして私はあんな女を恐れ多くも秀吉様唯一の血縁とは認めない!」
「へー」
「おい!聞いているのか?」
「あまり。あ、石田様」
「なんだ!」
「食べますか?」
「いただく」
「洗ってきますね」
「…ああ」





きっかけは忘れたもののなぜか石田様が入り浸りになってしまった。そして延々と姫としての私の愚痴と家康様の愚痴。兄がいかに素晴らしいかを説いていると言う訳のわからない状態になっている。時折大谷様もいらっしゃるが二人は完全に気がついていないらしい。化粧というのは偉大だ。






「美味しいですか?」
「ああ」
「石田様も酔狂ですねぇ」
「?」
「お忙しいのに」
「い、や。」
「?」
「お前は」
「はい」
「奉公は何時までだ?」
「あー。身内が縁談を決めるまでですかね」
「?!」
「年頃的にはいつあってもおかしくないですけど。石田様は?」
「わ、私は!」
「この間も縁談を断ったと大谷様が嘆いておいででしたよ。あまり無理をさせないでくださいね。」
「…」
「私のような婢女に構うより行くところあるでしょう?」
「わ、私は」
「?」
「その、」
「あー!そろそろ仕事に戻らないと!」
「な?!おい!」
「ではお怪我しませんように!」








言えない三成






「やれ」
「あ!大谷様」
「久しゅうなぁ。これは土産よ」
「?」
「饅頭よ」
「ありがとうございます。お茶淹れますね」
「すまぬなぁ。…時に主に尋ねたいことがある
「?」
「嫁がれるのか?」
「まだ予定はありませんよ」
「左様か」
「何嬉しそうな顔してるんですか?」
「いやなぁ」
「???」

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