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変換なしの雑食夢

ran

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言えない三成 8

あれからどれくらいの日にちが経っただろう。とんでもなく恐れ多い告白を聞いて答える間もなく出陣した。勝ち戦といえこんなにも大阪に帰りにくい日は今までなかった。いつもなら嬉々として帰るのにと思えば顔に出ていたらしく、刑部に苦笑されてしまう。


あれが姫様だった。



そう言われれば声がそっくりなのだ。刑部も何故気がつかなかったのだろうかと頭を抱えるほど私達は気がつかなかったのだ。そう。それならいい。それだけなら。


私は、あれに姫様が如何に嫌いかを言っていた。自他共に認める程度に私は姫様が嫌っていた。知識だけで力はなくある日突然姫様となった無力な女。それが私が姫様を嫌う最大の要因だった。



のに、






『私にとって石田様は…何ていうんだろう?怖いとか恐ろしいとかでは無くて日々の何気ない優しさであったり穏やかさであったり。心地よさ!そう、心地良いんですよ』




そう笑うあれを私は想っている。
よく笑い、よく働き、私を支えてくれる彼女を私は今でも妻にしたいと思っているのだ。




「やれ、三成」
「刑部か?何だ」
「ちと食すなり休むなりいたせ」
「今はいい」
「はてさて困った困った。我ではいかぬようよの」
「何の話だ」
「彼女の話よ。倒れたと聞いて急いで帰ってきたのに良いのか?」
「…知らん」
「最奥に閉じ込めてしもうては容体も聞き出せぬなぁ。賢人も苦戦しておるようよ」
「そうか」
「そわそわするで無いわ。ぬしもとっとと嘆願致せ」
「しか、し。そのだ。私は」
「ぬしが姫を如何に嫌うておったのか皆知っている事よ。」
「ぐ…」
「包み隠さず言っておるのだ。逆に出世欲の無いものとして好まれておるやもしれんぞ」
「知らぬとはいえ悪言を言ったのだ。嫌われている。」
「ぬ…」
「私が蒔いた種だ。仕方が…ん?」
「…誰か来たか?」
「そこにいろ、刑部。」
「あいわかった」




ザサリという音がする。刀を持って立ち上がり外を伺うと、彼女の作った畑に誰かがいる。此処は秀吉様の私室の一つだ。軽々しく入れる場所では無い。のに。剰え彼女の畑に何かをしようとしている輩は残滅するしか無い。






「誰だ!」







戸を開けて叫ぶとぼうっと白い着物が浮かぶ。







「あ…」








少し痩せていて、頬を染めている。
それでいて顔色の悪い、彼女がそこに立っていた。







言えない三成 8








「やれ三成。もう済んだ…?!」
「刑部!布団をひく!!!ずれろ」
「あ、あいわかったが…何故此処に?」
「畑を見に来ていた。おい!少しおろすぞ!」
「石田様ぁ〜」
「素足で歩いてくるやつがあるか!!!まずは水!」
「待て三成。湯を張ってきた。」
「すまん…足を拭うぞ」
「ん…」
「熱いか?!」
「うんん。気持ちいい…」
「ひひひ。人の気も知らぬで呑気なものよ。我は太閤と賢人に言ってくる。それまで手出しはしまいよ」
「するか!おい…布団だ」
「…うう」
「水は飲めるか?」
「石田、様」
「どうした?!苦しいか???」
「ごめんなさい…」
「は?」
「嘘、ついて」
「私が勝手に勘違いしただけだ!謝るな。…私こそ、すまない」
「?」
「姫のお前のことを」
「あれ、私嫌い」
「は?」
「此処にいたときの私、の方が。好き」
「…」
「また、来ていい?」
「…勿論だ」
「ふふふ」
「おい」
「?」
「やっぱりお前が良い」
「???」
「私の妻になってくれ」

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