忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

螢火 雑渡

きっと私は長くないから、と言ったのが仇だったのかもしれない。無理に無理を重ねたこの体はとっくに限界を超えていて、傷は治るどころか腐っていってしまうのだから頂けない。
高熱、激痛。痩せる腕。嘔気、水すら飲めなくなってしまった。

父上は馬鹿者と言ったきりいらっしゃらない。
私の体を気味悪がって侍女も寄り付かない。


一人で死ぬかと思いながら雑渡さんを思い出す。今頃忍術学園で遊んでいるのだろうな。学園祭と言っただろうか?思考も曖昧になってきた。うふふと笑う。
死ぬ時は一人がいい。じゃないと未練が残る。


「童戯に付き合ってくれてありがとう。」


そう言えば凄い音ともに障子が開いて、雑渡さんが現れる。と思ったら父上だった。


「水も飲まんか?」
「ええ」
「ひどい声だ」
「腐った体も嫌な臭いです」
「そうか」
「もう、お会いにならないと思っておりましたのに」
「父親だ。最後に言い残すことくらい聞く」
「では死んだらすぐに焼いてください」
「焼くのか?」
「ええ。で、捨ててくださいね」
「あれに合わさんつもりか」
「ええ。それと我が儘に付き合ってくれてありがとうと」
「わかった」
「あー…眠たいです」
「寝るな」
「今度は楽に生きたいなぁ」



螢火




「組頭は?」
「鬼気迫る感じたが…」
「山本さん」
「如何にもならんよ」
「…まさか姫が」
「塵一つ残さんとは、あの方らしい」
「ですが」
「言うな。影に戻るだけだ。」
「はい」

拍手

PR