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変換なしの雑食夢

ran

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蛍火

「…」
「あ、陣内」
「何をしているのか聞いたほうがいいですか?」
「嬢の気持ちをね」
「もういいです。」
「え?ここからだよね。」
「聞くなら普通に聞いてください。若干引きますよ、その格好」




珍しく高坂さんを加えてお昼ご飯を食べる。雑渡さんはお父さんの所で食べたらしい。高坂さんの分は?と尋ねると偉い人の会議だったそうで出なかったそうだ。尊君ならぶつぶつ言う所なのに。高坂さんは大人だなぁ



「で、鰻ですか?」
「尊!その先ず文句言うのを止めろ!」
「真っ当な食事してなさそうだし。最近顔色悪かったから…あっ。胃腸崩していることは無いよね?」
「はい。」
「仕事のし過ぎです」
「尊…」
「まぁ無理せずにこの後休んで下さい。今日はこれであがりですよ。」
「え?」
「山本さんには話つけてますから。でないと連休入れるそうです」
「…わかりました」
「嬢」
「ん?」
「この鰻、マジ美味い」
「あは。でしょ?」
「…」
「大盛りにしてもらって正解でした。」



すごい勢いでなくなるそれを見ながら私もお茶を啜る。にしても綺麗に食べるよなぁ。雑渡さん以外。山本さんの教育が行き届いているお陰だなぁ。と思ってふと手を止める。


「高坂さん」
「あ、はい。」
「高坂さんは如何して雑渡さんなんですか?」
「尊敬しているからです」
「はぁ」
「?」
「いや、尊君はおじ様の命の恩人だし私は私自身の恩人だから」
「?」
「高坂さんは知らないと思いますよ」
「あ?!」
(なぜ威嚇?!)
「尊君のお父さん助ける話は?」
「知ってます」


有名ですものねと言って尊君に鰻をあげる。食べて午後から頑張れという頃には元私の鰻は齧られていた。遠慮しろと椅子を蹴っている高坂さんの器の中にも入れる。無理しなくてもいいけどと付け加えるとまだいけるということ。これが無理ゲーでもなければ罰ゲームにならないのが若さなのだろうとしみじみしながら骨煎餅を食べる。私はこれで十分だ。



「雑渡さん私のボディガードだったの。今は違うけど。」
「聞き及んでいます」
「幾つだろ?雑渡さんが20歳の時に大間時の若いのが私を誘拐しようとした事があって。あの人今でこそなっかなか動かないけど元々武道派で相手薙ぎ倒してたのは良いんだけど、私は運動音痴の弱虫で。逃げればよかったんだけど怖くて動けなかったの。あ、これは秘密ね。」
「はい」
「火炎瓶投げつけられそうになったのに逃げれなくて。その時、雑渡さんが庇ってくれてないと今頃どうなってたか…その時の傷で顔と左目を火傷したの。」
「どこのどいつですか?」
「あは。本当に好きだね。」
「大丈夫ですよ。雑渡さんが撃ち殺しましたから。」
「は?」
「顔半分焼けてたのにね。今思えば暴発してもおかしく無いのに。」
「…」
(感動して震えてる?!)
「馬鹿みたいに泣いて大丈夫?って叫んでたら怪我ないですかって。今では想像できないほどカッコよくて」



好きになったんだけどと言ってお茶を取ると今は違うのですかと言われ苦笑する。



「男惚れね」
「はい」
「良いな〜純度が高い感じ。私はやっぱり相手の気持ちも欲しいな」
「それはそうでしょ」
「?」
「ほら、リア充の高坂さんはわかってないよ。絶対そのうち刺されるわ」
「???」
「まぁ雑渡さんもいいかげんな気持ちで嬢の相手してるとは思えませんよ。」
「この方しか見えてないって言え。後は案山子のようだと」
「ふふふ。ありがとう」
「でも嬢は如何したいんですか?」
「…考えた事なかったわ。」
「恋人になりたいとか結婚したいとか」
「…端的に言って私の結婚相手次の親玉でしょ?年齢的に見ても雑渡さんか吉井さんくらいかなぁ。まぁ吉井さんは婚約者いるから」
「嬢がずっと雑渡さん以外結婚しないって言ってたから」
「にしたってあの人が…」
「だいたい考えてみてくださいよ。洗脳調教が得意なあの人が嫌なら口八丁で如何にかしますよ。地位のためとかで結婚するのも。この人みてくださいよ。良い例です。20年以上あったら間違いなく完了してます。」
「てめぇ。その指へし折るぞ。…嬢何納得されているんですか」
「いや、今までのどのセリフより説得力が」
「でしょ?あの人はそういう人です。昔からあなたの前だけ普通の人になるんですから。」
「うん」
「好きなら好きって言ったほうが良いです。あれでももてますから」
「てめぇ」
「俺は、生まれた時から嬢の幼馴染なんです!だからこの人のうじうじしたところを知ってるんです。」
「がつんて言ってくれるの尊君位だもん」
「うな重代くらいは働きます」
「おまえ!」


なら、1人1万ねと言うと違う意味でドン引きした2人の顔を見て笑うのだった




蛍火




「き、聞いた?」
「はい」
「かっこいいって」
「昔はですよ」
「好きって!!!」
「よかったですね。」
「お前、言いたい事あるの?」
「足を揃えて伺わないでください。あと仕事してください」

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