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変換なしの雑食夢

ran

片思い男とクラッシャー女 5

「わっ!誰ですか?」
「ちーちゃん。これ千鶴さんがジュニアだった時の試合のビデオ。片付けしてたら出てきたの」
「うわー!見ても良い?」
「いいよ。藤田くん?」
「この相手の子」
「13歳の時の千鶴さんかっこいい!」
「ちーちゃん」
「この相手の子」
「知ってるの?」
「知ってるも何も!千鶴さんの一番長く組んでたパートナーだよ!すっっっごく上手くて。よく覚えてる」
「ふふふ」
「この人今もダンスしてるのかな?」
「してないよ」
「えー!!勿体無い!」
「パートナーが見つからなかったの?」
「うんん。怪我。千鶴さんとセパレートした後の話だからちょっと違うけど」
「あ!」
「藤田くん知ってるんでしょ?」
「えー!!!葵さんが?」
「そう。葵さん。ある意味千鶴さんより引く手数多だったのにね」
「?」
「当時、最強のフォロー力って言われてたの」
「そうなんだ。」
「何が?」
「「「?!??!?!?!」」」
「なっつかしー!葵と私の最後の試合じゃん!何処にあったの?」
「片付けしてたら出てきたの。仙石さんは?」
「私たちは2こ1じゃないの。」
「ふーん」
「もう少しで葵連れてくると思うよ」
「来るんじゃ無い」
「そう言われるのが嫌なだけ…ふふふ」
「「?」」
「葵超可愛い」






デレデレとビデオを見ている千鶴がいて声がかけにくい。其れが増して昔の映像なら尚のことだ。入り辛いと思っていたらなぜか後ろにいた要くんまで停止している。そう言えば。ジュニアで出ていたこと言ってなかった気がする。




「葵!」
「わっ!千鶴」
「美人になって!」
「其れはこちらの台詞です。はい」
「出来た?」
「一度着てみて。きついとこあれば直すから」
「葵」
「?」
「足の調子どう?」
「別にいつも通りよ」
「一曲踊ろう」
「むむむむむ無理!」
「えー!時々踊ってたじゃ無い」
「プロアマのトップクラスの人の前で何言ってるの。じゃれてるいつものとは違うのよ」
「踊ろうよぅ」
「無理」
「要ちゃんも見たいよね」
「要くん…あー!!!消して消して!!!私の暗黒史!!!」
「幾つの時だよ」
「え?」
「13。可愛いでしょ」
「千鶴の服貸してやれ」
「?!」
「葵こっち!」
「まっ?!雫ちゃん助けて」
「ごめん。無理」
「多々良くんも!ウキウキしないで」
「靴は?ヒール低めにしておくね!」
「ちょ!」
「諦めろ」
「要くん!」
「男とするのは初めてだろ?」
「私、千鶴以外と踊りたくないもの」
「じゃあ、俺が最初だな」
「?!」
「葵さん着がえよ」
「えっまっ!」




「先俺が踊るからな」
「えー!私が先よ!」
「ぬかせ。黙ってやがったくせに!」
「だってここ2.3年だもの。膝の調子がいいときほんの少しだけだし」
「…」
「ごめんって」
「事故する前か?」
「そ」
「惜しいな」
「私が男なら結婚したくらい出来のいいパートナーだったわよ」
「…お前と大違いだな」
「お互い様よ…」
「何だよ」
「大切にしなさいよ!」
「っるせー」









片思い男とクラッシャー女






「わっ」
「立ち姿キレー」
「テーピングさえなければ昔の葵さんですね」
「あればっかりは仕方ないよ。昔はそれこそ立てないくらいだったんだもの。」
「そんなにひどかったんですか?」
「そ。今も脱臼癖がついてるから日頃は負担かけないように杖使ってるの。脱臼したら入れてあげるから安心して」
「今、大丈夫なんですか?」
「大丈夫じゃないからやめていい?!!」
「「駄目」」
「身長差どれくらいあると思ってんのよぅ」
「葵」
「要くん」
「諦めろ」
「酷い!もう忘れてるって。足踏むよ」
「千鶴に踏まれても平気だからな。象が踏んでも大丈夫だよ」
「うー…」
「?」
「千鶴は象じゃないもん」
「じゃあ何だよ」
「私の王子様」
「葵大好き!」
「私も大好き」
「雫!曲」
「はいはい」
「要くん…」
「ほら、行くぞ」









「わ。」
「着物の葵さんしか見てなかったから新鮮ですね」
「流石。見事なフォロー力」
「…」
「あ!ストップ!!!」
「あん?」
「膝!外れそう?」
「ああ?!まじかよ!」
「うー…痛い」
「葵さん?!」
「ちーちゃん!環さんに救急箱もらってきて!」
「わかった」
「ああ!大丈夫!いつものことだから」
「すまん。」
「ごめん!無理させすぎた」
「本当に」
「葵?」
「ごめん…少し病院寄って帰るから。以上今度でいい?」
「送っていく」
「いいよ。タクシーで行けるから」
「でも。」
「この後リハーサルって言ってたでしょ?頑張ってね。また、連絡するわ」
「葵」
「心配しないで。時々あるから、ね?」
「多々良、タクシーよべ」
「はい」
「着物に着替えるわ。本当にごめんね?えー、と」
「多々良のパートナーの緋山千夏です」
「あ、ちーちゃんだ。千鶴と一緒ね」
「!」
「また今度踊っているところ見せてくださいね」
「はい」
「葵」
「あ、着替えないと」
「手伝おうか?」
「大丈夫よ」





「ねぇ多々良」
「何?」
「あんなに上手な人が踊れなくなったらあんなに綺麗に笑えるのかな?」
「…僕にはわからないよ」

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