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変換なしの雑食夢

ran

片思い男とクラッシャー女 4

『なぁ、千鶴』
『なぁに?』
『最近、要の奴如何したんだよ?』
『えー…ああ。あれね』
『昨日は香水買ってたわよ。その前はお菓子だったわね』
『女かよ!』
『私の知ってる中で一番良い女よ』
『写真ある?』
『幾つの時の?』
『『…』』
『これ、3歳の時の。ほんと超ー可愛くてさぁ。優しいのよ!料理も上手くてさぁ。私が男だったら即結婚してるのに!』
『何、そっちの趣味?』
『魂の双子と言って!』





帰ってきたら家の電気がついていて思わず警察を呼ぼうかと思った。そう言うと仙石さんはムスッートした顔をしておかえりとだけ言ってくれる。それはこちらのセリフだと言いたい




「おかえりなさい」
「ん」
「イタリアとフランスでしたっけ?」
「ああ」
「(眠たそう)仙石君?」
「土産」
「わ。可愛い」
「こっちは早く食えよ」
「お菓子!」
「色気より食い気」
「煩いですって。夕ご飯は?」
「今日は良い」
「?」
「顔見に寄っただけだ。生きててよかったぜ」
「え?!あの」
「戸締りちゃんとしろよ」
「え?!まっ」



「葵ちゃん」




「?!」
「あ、悠くん。いらっしゃい」
「反物。持ってきたよ…って。誰?」
「お付き合いしてるの。仙石君。」
「何だよ?」
「…」
「?」
「無理、しないでね」
「ああ」
「…」
「葵ちゃん」
「待ってるぞ」
「ん。」
「また連絡するわ」
「!」
「葵?」
「うん」





ため息ともつかない息を吐いて頭を乱暴に撫でれる。半年ぶりかな?と思っていたら悠くんに背中を突かれてはたとする。何すんの?と尋ねた時には目の前から仙石君は消えていなくなっていた。





「ごめんねぇ。久々の逢瀬に」
「忙しい人だもの。元々寄るだけのつもりみたいだし」
「ふーん。」
「悠くん?」
「寂しくない?」
「よく分かんないけど無事ならいいよ」
「そーなの?」
「うん」
「僕が慰めてあげようか?」
「既婚者の愛妻家が何言ってんの?」
「あはー。良い生地手に入ったから許して」
「本当に…晶子さんに知らせたい」
「マジばあちゃんには勘弁…で、これ」
「?」
「みっちゃんから。最近忙しそうにしてて顔色悪いからって。大丈夫?ずっと寝てるでしょ?…真逆?!」
「下世話なこと考えたら針山にするよ。夏バテよ。夏バテ」
「彼氏君に言わなくていいの?」
「?」
「本当に致命的に甘え下手だよね」
「まぁ。言ったところで来られても困るし」
「まぁね」
「其れに着道楽の杉さんからお仕立ての依頼が…」
「ああ。うち経由のでしょ?…増えたの?」
「晶子さん喜んでたでしょ?頑張らないと」
「無理しないようにね。あ、先代にお線香あげてもいい?」
「ありがとう」






片思い男とクラッシャー女







「悠?ああ。呉服屋の若旦那よ」
「呉服屋?」
「ああ見えて愛妻家だから大丈夫よ。」
「そうか」
「ふふふ」
「何だよ」
「要ちゃん、焼きもち?」
「っせぇ」
「まぁ身持ちの固い良い女だから大丈夫よ。」

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