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変換なしの雑食夢

ran

片思い男とクラッシャー女 2

「葵」
「うわっ!…仙石君?如何したの?」
「近く通ったからな。…荷物貸せ」
「ありがとう」
「乗るか?」
「知らない人と仙石君にはついて行っちゃダメって千鶴から言われてるもの」
「何だそりゃ」
「そのまんまでしょ?夕食は?」
「何でも良い」
「うちで食べるの好きだよね」
「作るの面倒だからな」
「仙石君らしい。今日は千鶴来ないよ?」
「知ってる」
「ふーん」
「何だよ」
「千鶴、彼氏できたのかなぁ」
「は?」
「…」
「女性雑誌の取材だよ」
「本当?」
「下らない嘘つくかよ」
「酷い!」
「酷くねぇって」
「そう言えば」
「?」
「試合優勝?おめでとうございます」
「疑問文かよ」
「当たってるよね」
「言われるほどじゃねぇけどな」
「ふふふ」
「?」
「今日何食べたい?」
「和食」
「お魚屋さんに寄るわ」
「おう」
「仙石君?」
「なんだよ」
「千鶴宜しくね」
「じゃじゃ馬だからな」








そう言うとよっこらせと私を抱きかかえてサイドカーに乗せる。ヘルメットないよといえば、エンジンはかけないから良いとのこと。少しほっとしていたら脚を指差された。




「痛いのかよ」
「歩きすぎだと思う」
「早く言え」
「えー」
「引きずってたぞ」
「あらま」
「あらまじゃねぇ。」
「ありがとう」
「あ?」
「心配してくれて」
「ふん」
「でもよく押せるね。重くない?」
「重い」
「やっぱり下りようか?」
「歩けなくなるぞ」
「それは困るけど」
「怪我するかよ」
「心配するよ。プロなんだから、無理しないでね」
「おう」





そう言うとニヤリと笑うものだから私もついつい笑ってしまう。仙石君は良い人なんだけど、環ちゃんにも千鶴にも気をつけるように言われているので致し方ない。なにより、好みではないのだ。私は少し枯れかけたくらいか好きであって生きの良さそうな人は好みではないと二人に言ったら何故か仙石君が拗ねたのだ。…そう言えばピンサロ事件はそのあとすぐだった気が…まぁ良いや。にしても





「静かだね」
「そうか?」
「仙石君が」
「あ?!」
「スタジオとかでは賑やかなのに」
「…」
「あ、着いた。」
「じっとしてろよ」
「降りにくい!」
「降ろしてやる」
「わっ!」
「葵ちゃん。今日は要君と一緒かい?」
「そう。ありがとう。」
「どーいたしまして」
「おばちゃん。何が美味しい?」
「カツオだろ?」
「鰹?!あーでも生ダメ!」
「あん?」
「なら鯵はどうだい」
「それで」
「鰹くわねぇの?」
「試合近いのに食べられないでしょ?」
「食えるだろ?」
「いや。だめ!」
「けち」
「けちでもだめ。おばさんありがとう」
「要君もあきらめな。葵ちゃんがこう言い始めたら誰も止められないよ。」
「へいへい。行くぞ」
「わっ!」
「気をつけてね」





「お、あの二人くっついたのか?」
「ん?ああ。見てわからないかい?」
「…」
「…」
「無理だな」
「生殺し以外の何物でもないね」













片思い男とクラッシャー女









「御馳走さん」
「お粗末様でした。スイカ食べる?」
「食べる」
「冷やしておくわ」
「親父さんとお袋さんのところか?」
「初物だったからね。おっと」
「台所か?」
「ありがとう。…本当にこれで風俗狂いがなければねぇ」
「あ?お前の好みかよ?」
「私は少し枯れてるくらいが好きよ」
「…けっ!」
「仙石君?」
「なんだよ」
「な、んで私壁際に?」
「葵」
「?」
「お前が好きだ」
「は?」
「少し考えておいてくれ」
「え?っは?!」
「葵」
「す、いかは?」
「食べる」
「急いで切るわ」
「おう。1/4な」

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