忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

死屍累々3

「騒がしいわね」
「奥方様!」
「如何しましたか?」
「それが…」






大谷様が先だってより体調を崩していたのは知っていた。ただの風邪の看病なのに彼の方にある元の病があまり宜しくないものだったら、万が一にもうつってしまえばよろしくない。故に看病するものがいないという。





「失礼いたします。」
「奥!」
「やれ、何用よ?本なら」
「看病しに参ったのですよ」
「?!」
「奥、そういうものは」
「私の妹は長患いで私が看ておりましたから…看病に慣れているものがした方がよろしいでしょ?幸い、竃も風呂場もありますから。
「ひひひ。気を違えたか?」
「正気ですよ。旦那様、竹中様からの御許可は得ております。ですが、貴方様はご退室下さいませ」
「何を言っている!」
「そしてこれより先、医師が良しというまではあなた様が組み敷いた女子は一切近づけさせないでくださいませ。もし、懐妊しておりましたら一大事でございます!」
「っ」
「奥方」
「なんですか?」
「…」
「この離れの門より一歩たりとも入る事は許しません!さあ、手筈通りに!」



そう言うと何か言いたそうにしていた旦那様に大谷様が何か言う。流石、心得ておいでだ。納得はしていないものの部屋は出て行く。それを見届けながら流石ですことといえば、主が賢人につなぎをつけて動いたからよと笑いながら言われるものののいつもより覇気がない





「熱が高いですね」
「ひひひ」
「お疲れが出たのですよ。手拭いをかえます」
「冷や冷た」
「口を開けて下さい」
「飲みとうないな」
「熱が下がりませんよ」
「やれ、手厳しい」
「今から看病全部致しますから…早く良くなりませんと色々恥ずかしいかもしれませんよ」
「左様か」
「…口」
「ひひひ」
「匙はどこかしら」
「ちと聞きたい」
「はい?」
「主の妹は?病だったのか?」
「労咳です。彼方の方が良く感染るので、私にまで気を使って可哀想でした。もう少しで完治だったのすが」
「のうなったか?」
「いえ、見殺しになりました。」
「?」
「私が嫁ぐのか決まりまして行くことを禁じられましたから。結局誰も看病しませんでしたから。」
「左様か」
「女子でしたから特にですね。…貴方様は大丈夫ですよ。皆貴方のことを大切に思っておられますから。竹中様なんて説明する途中で許可しましたよ。」
「ひひひ」
「ですからよく食べてよく寝てとっとと治して下さいませ。風邪ですよ。はい、口」
「苦い」
「妙薬なのでしょう?」
「主は不幸よなぁ」
「?」
「普通ならこのようなこの下女がすることよ」
「下女はかなり適当ですよ。あなた様が苦しい時にうたた寝する程度に。喉が渇いても水もなかなか来ないことでしょう。それでよろしければ」
「…生々しい話よな」
「ご経験が?」
「あるので言い返せぬなぁ」
「左様でございますか。では私で良いのですか?」
「良くは、ないが」
「良いではありませんか。家中のこと。正室の務めですもの」
「話はそこではない。われは良いとして主はその正室よ。万が一にも」
「女子なんて生家でも駒ですよ。不具合があればお返しするのが習い。なによりどこにいっても殿方のお心一つで、生死が決まる。今日を惜しんで明日は刀の曇りになっていることもあるのですから」
「達観しておるな」
「なにより都合の良い話でございましょ?」
「ん?」
「旦那様の放蕩に怒れず、帰れずかといって悋気もせず。姑様と小姑様の看病ができる程度の嫁ですから」
「賢人もか?」
「今は小康状態です。」
「左様か」
「大谷様も竹中様も。生き急ぎなさるなと言いたいですね」
「われも賢人も本体が動きすぎるゆえもぎ落ちるよ」
「私と違って替が利かないのですから。」
「ひひひ」
「少しお休みください。枕の下と布団の下。袂のものはこの箱の中に。」
「…」
「2.3日すればまたいつもの大谷様ですよ。はい、封をします」
「眠い」
「寝てください。起きたら、粥を作りましょう」











死屍累々 3







「ん…」
「起きられましたか?」
「やれ、ぬしは寝て居らぬのか?」
「人の心配より己の心配を。果物を絞りましたから…口」
「甘い」
「あちらでは乱痴騒ぎのようですね」
「左様か」
「旦那様から大量のお見舞いの品です。あと手紙」
「あれは?」
「お会いしておりません」
「左様か」
「私に会いとうないでしょう。」
「そうか…いや待て。ぬしとて懐妊しておったら」
「それはないですよ」
「言い切れぬであろう」
「言い切れまする」
「?」
「初夜の日ですら私の侍女と寝たのですから。五島はその時から。よほど私が好みではないのでしょうね。まぁ顔立ちも普通でございますから」
「…左様か」
「左様でございますとも。」
「故の達観か?」
「これは性分です。ニコリとも笑わぬと妹に怒られておりましたから」
「…」
「さて、粥です。食べられますか?」
「いや、すまぬ」
「熱も少しマシになりましたな。食した後、包帯変えますからね」
「それは良い。ぬしとて女子」
「寝付いたら困りましょう?諦めなさい」
「…本に変わった女子よの」

拍手

PR