忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

菖蒲

「ちい?何処だ」
「三成様?お茶ですか???」
「いや、その。で休まないのか?」
「?」
「その、だ。菓子を貰ったのでな。如何かと」
「まぁ。では大谷様もお呼びいたしましょう」
「ああ。声を掛けておく。」
「まぁ。可愛い」
「…」



そう言って嬉しそうに笑う顔には硬さがなくなっせいる。大政所様と共にいる時までとは言わぬもののそこに近しい表情になるので思わず顔が綻ぶ。



「では」
「三成ーーーー!」
「?!」
「家康か?こんなところまで何用だ!」
「今度の出兵について兵の…ん?」
「?!」
「お前の後ろに誰かいるのか?」
「見るな穢れる!」
「酷いなぁ…おっ。」
「三成様…」
「奥へ行っていろ。すぐに戻る。おい家康!ちいをその様に不躾に見るな!怯えるだろう!この筋肉達磨。」
「ちい殿か。儂は徳川家康。三成に虐められてないか?」
「貴様…」
「…はじめまして。こちらの屋敷付きの下女でついと申します。」
「つい?」
「はい。其れと三成様は良くしてくださります。」
「は?」
「では、失礼します」
「…」
「三成様。お茶をお持ちいたします」
「これな奴に茶などいらん」
「ですが」
「つい殿」
「…はい」
「良い女だ。」
「…は?」
「どうだ儂付きの侍女に。」
「っ!」
「ああ。三成の背に逃げてしまった。…三成?」
「退け、去れ、去れ、退れ、散れ、消えろ!」
「わっ!抜刀するなよ。」
「こうべを垂れるか?此処ではてれば良いがちいの眼前に貴様の首など粗忽なものを晒すのは目障りだ。さぁ選べ」
「いや、ははは。」
「家康ぅぅぅぅぅぅ!!!!」
「…やれ騒がし…ちい殿危ない。こちへきりゃれ」
「わっ。大谷様」
「刑部!助けてくれ」
「何。馬に踏まれていなくならしゃれ」
「わわわっ!忠勝!」






茶櫃をもって縁先に行くと項垂れる三成様としゃくしゃくと笑う大谷様がいて苦笑する。なるほど短気とご自身で言うだけはある。そう思いながらお茶の準備をしていくと淡々としておるなぁと言われるので再び苦笑する。聞いておりましたからと言えばと静かに確実に項垂れるのでどうしたものかと思案する



「やれ落ち込むな。」
「然し」
「ちい殿は歯牙にもかけぬよ。なぁ」
「はい。驚きましたが、仲のよろしいことと」
「ひひっ」
「あれとは!仲など良くないのです」
「三成様」
「いや、その、だ。…やはり短気短慮だ」
「主らしく一番いかぬとこよな。」
「お茶を飲んで落ち着いてくださいませ。逆に言えば」
「ん?」
「私はあの様な殿方が苦手ですので助かりました」
「は?」
「苦手とな」
「はい。…可笑しいでしょうか?」
「いや、なぁ。ちい殿はどの様なとこ方が好きか?」
「え?」
「刑部!」
「なに髪上げも済んだ故いつ嫁がれても不思議はなかろ?」
「考えたこと、ありませんでした。」
「左様か」
「そう、ですね。夜の様な静かで御優しい方が良いです。」
「夜、なぁ」
「ええ。あまり騒がしいのは苦手です。ので…あ」
「如何した?」
「先程のお菓子」
「あ、ああ」
「すぐに持ってまいります。お待ちくださいませ」






「夜、なぁ」
「何だ」
「優しい」
「…」
「まぁがんばりゃれ。」
「なにを?!いや。貴様に隠しても仕方がない。が、…そうか。」
「ん?」
「家康は好かんか」
「いやも嫌よもとあるのでな」
「?!」
(本に揶揄い甲斐がある)
「三成様、大谷様?」
「?!」
「やれ美味そうな菓子よな」
「はい。…三成様?」
「いや、何でもない」






菖蒲





「やれ、ちい殿」
「はい」
「何故徳川にはついとおっしゃった?」
「願掛けです」
「?」
「もう会いませぬ様にと」
「ああ。終いか」
「はい」
「何故嫌う?あったばかりよな」
「実は一度」
「?」
「文を届けてくださったのですがついといなくなってしまって本田様は覚えておいでだったみたいですけど。…如何してもああよく言って大らかな方は」
「ひひひ。人気があるのでな」
「そうなのですか?…そうかもしれませんが私はその枠ではないだけでしょうね。…でも如何して?」
「…こちらの屋敷に越してくる」
「のでしたら私は帰ります」
「冗談よ。然し」
「?」
「三成には懐くのになぁ」
「三成様は御優しいです。今日も厭う私をお護りくださいました。」
「…ぬしと三成の相性は良いと見えるなぁ」
「いいえ、恐れ多い。近習の筆頭と下女。武家のあの方と駆け落ち紛いで農家に嫁いだ娘の子である私では身分も立場も違います。」
「いちいち気にするとは思えんが」
「だから大谷様がいらっしゃるのでしょう。」
「ぬ…」
「私は大それた事など思いも願いもしておりません。ただ、少なからず良き縁で出会えた三成様と貴方様には御健常であって欲しいのです」う「?!」
「?」
「我もか」
「はい。」
「ぬしは我を厭わぬか」
「?はい。私、三成様と貴方様が共にあるのが好きです。」
「ではなく」
「?」
「我の病よ」
「病…と言われましても。特には気になりませんが。強いて言うならば包帯の変えや洗濯をお手伝い出来ればと」
「…本に変わっておる」
「そうでしょうか?」

拍手

PR