日常 6 日常 2017年02月11日 「…」「申し訳ありません」「い、や」「お風呂を、いただいてまして」「あ、ああ」「髪を」「すまん」「…いえ。こちらでよろしいですか?」「…」「治部様…?」「っ?!」「?」「本当に夜半にすまなかった。休んでくれ」「はい、治部様も」「う…」「お早くお休みなさいませ」「ああ…」「やれ、三成」「な?!何だ…」「顔が酷い」「…」「先程から紙の束を握りしめて…酷い事になっているが?」「は…ああ!奉書紙が」「ひひひ。此れは此れは」「刑部」「えらく、弱っておるなぁ。本に如何した?」「四半時前に相模に紙をもらいにいった」「ああ。主はあれの紙が好き故」「と言うより預かってもらっている。あれはそれ用の部屋を下賜されているから…。紙がないのに気がついて部屋に行った」「まぁ、いつもの光景よな」「濡れ髪を、おろしていた」「…」「わかっている!元服前の餓鬼でもあるまいに…こんな妄執に取り憑かれるなど秀吉様の一兵卒として情けない」「左様か」「大体、あれは私をそういう目では見ておらん!」「それは皆よの。やれ困った困った」「まぁ、妄執と言うより恋心よ」「?!」「惚れた張ったは主の分野外故致し方あるまい。相模とて同じよ。」「…」「日常。一つ一つを大切にしりゃれ。主が娶らぬと一緒であれは何処にも嫁さぬよ。それは安心しりゃれ」「…」「信用ならんか?」「いや、信用している…ん?」「誰か?」「俺っす!」「左近。何用だ」「相模様が」「!?」「いや、何もないッンスよ!と言うかこの時間にお目通りをと」「なっ?!」「良いっすか?」「刑部」「やれさて。あれの事よ。余り期待する内容ではないだろうが」「う…ああ。そうだな。通せ」「はい」「我は退室する」「な?!刑部!!??」「失礼いたします」「う…」「?」「いや…夜半過ぎに何の用だ?」「いえ…その」「?」「先ほど部屋にいらした折からすごく気になっていて」「???」「袖」「袖が如何した?」「血糊が」「…」「よもや怪我などしておりませぬか?」「ああ…していたな」「?!」「昼間家康を斬滅しようとした時のだろう。書き物をしていたから此処に広がっただけだ。血は止まっている」「すぐに手当をいたします」「構わん。」「もし傷が膿んでしまったら…用意しておりますから」「いら…ん」「…」「…ぐ」「お願い致します」「その、だ。左近に頼む」「服もお持ちいたしましたから。左近様!…あら?外でお待ちになるって言っていたのに。申し訳ございません。探して」「おい」「はい?」「髪」「え?!あ!…本当に申し訳ありません」「?」「その、気になって。流石に一人では髪も結い上げれませんでしたから。纏めた様になって…お恥ずかしい限りです」「相模」「はい?」「…その様な姿で出歩くな」「!」「勘違いをしてお前に邪な感情を抱く愚か者が出てくるかもしれん。私がいれば良いがいない時なら助けてやれん」「え?」「?」「ふふふ」「???」「治部様はお優しい」「…初めていわれる。」「そうですか?」「存外悪くない」「ふふふ」「…」「左近様を探しに行かなくてはならないのに」「構わん」「なら私が」「…」「包帯位巻けますわ」「ちがっ!…では頼む」「はい」日常 6「はい出来ました」「仰々しい」「こんなにも血が出て手当しないのですから…治部様はは我慢強いですね。」「しらん」「ふふふ。にしても徳川様もほどほどにして頂かないと」「?」「こんなに怪我を」「相模」「?」「お前は家康が嫌いか?」「…内緒で御座いますよ」「何故?」「?」「あれは侍女に人気があると聞いている」「ええ。確かに」「お前もそうと思っていた」「私の直属の部下に手を出して。側室にもせずに家臣に預けたのです」「?」「私と同じで寄る辺のない女子でしたから…本当に腹立たしいわ悔しいわで。」「そうか」「?」「部屋まで送る」「そんな!お手を煩わせることは」「心配だ」「!」「行くぞ」「…は、い」 PR