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変換なしの雑食夢

ran

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日常 5

「相模」
「はい…これは竹中様」
「久し振りだね。おや」
「?」
「櫛を代えたのかな?」
「え」
「以前は小さな花だったのに」
「ふふふ」
「?」
「不慮の事故で折ってしまって。それを憐れんで治部様が」
「三成君がかい?」
「いつもの礼と申されて…私の方こそお礼申し上げたいことばかりなのですが」
「ふーん」
「?」
「いつの間にそういう関係になったの?」
「は?」
「櫛を送るだなんて意味深だね」
「たまたま櫛が折れてしまったからですよ」
「そうかな?君は鈍感だから」
「まぁ酷い。おもてになる方と比べて欲しくはありませんよ。」
「否定はしないけど」
「大体、ここの方たちの様に親が健在の子女ではありませんよ。叩き上げですから、縁を目当てに参っておりませんもの。」
「三成君もそうだよ」
「竹中様」
「ん?」
「揶揄うのはおよし下さいませ。」
「ごめんごめん。でもね」
「?」
「彼はそう気の付くタイプではないし、どちらかといえば頓着しない性分だ」
「はぁ」
「でも櫛がないのに気がついたり、顔色や体調に気がつくんだよ。君の場合は」
「お優しいからですよ」
「だから鈍感って言われるんだよ」
「私としては何故、そうなるのかが不思議です」
「そう?」
「良いところの子女でもありませんし両親どころか縁者皆おりません様な年嵩の入った女子をもらいたい殿方はおりませんでしょ?ふふふ。八代などは如何です?家柄はさる事ながら女子としてもとても働き者の良い子でございます」
「君ねぇ」
「?」
「自分が幸せになりたいとか思わないの?」
「私は幸せで御座いますよ」
「!?」
「あの日…あのまま夜盗に襲われて馘かれても不思議ではありませんでしたし、苦界に売られたとしても運の良い方でしたから」
「…そうだったね」
「例え、気まぐれだったとしてもお助け頂き今の様に生きておれるのですから。幸せ以外の何ものでもありませんわ」
「ふふふ。これは困った」
「?」
「君が純粋無垢な事を失念していたよ」
「あら」
「まぁいい。その櫛」
「はい」
「とても似合っているよ」







日常 5








「お先にね」
「あらお風呂?」
「さっぱりしたかったの。」
「わたしも髪を洗おうかしら」
「ええ。たまには良いわよ」
「そうね…あら?それが噂の櫛ね」
「噂?」
「ふふふ。朴念仁の貴方が」
「ああ。お礼と仰るし…治部様はそういう方ではないのよ」
「そう?そうね。貴方にしてはそういうものかもね」
「?」
「でもよく似合っているわ。」
「ありがとう」
「貴方の見立て?」
「いいえ。治部様の」
「…」
「?」
「(そこまで詰んでるのに…どっちの所為かしら?)」
「如何したの?」
「いいえ。お風呂はいってくるわ」
「いってらっしゃい」

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