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変換なしの雑食夢

ran

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日常 15

「見ました?先日の宴の席」
「ええ」
「羨ましいわ。私は奥向きで見れなかったのよ」
「まぁこれは残念でしたわ」
「治部様が徳川様の差し出した杯を取り上げて御自身がお飲みあそばしたのでしょ?」
「そうなのよ。あの御気性ですから他の方の杯を交わすのが許せなかったのでしょう?」
「きっとそうよ。其れに徳川様はお万様の事が有りますし益々、ね」
「あの細身で抱きかかえる姿は身悶えましたわ」
「本当に、十二単を着た相模様を抱きかかえて連れさる治部様のお姿なんて絵巻物のようで」
「ええ。まるで昔男のよう」
「ほんにほんに」
「でいつ祝言を?」
「…」
「…」
「其れは、相模様次第で御座いましょ?」
「身分など関係ない実力主義の豊臣であの方ほど身分を気になさる方はおりませんでしょうに」
「ほんに…大体彼の方以外嫁げると思います?」
「無理でございますね」
「其れを早うお気づきになられればいいのに」





「…姦しいな」
「今私と貴方様が二人きりなのが問題なのでございます」
「刑部が忙しいからな。ならばお前くらいしかついてこれないだろう」
「そうでございますが…噂が広がりますわ」
「くだらん」
「あら」
「真実にしてしまえば問題ないだろう?」
「ふふふ。ご冗談を」
「ふん!」
「…如何いたしましょう…」
「私に聞くな」
「本当にもう…まさか一献頂ける譽れがあるとは」
「…酒は飲むな」
「もう二度と飲む気はありません」
「なら、いい。おい其方の紙を取ってくれ」
「此方ですか?」
「ああ。助かる」
「其れより、治部様も否定してくださればいいのに」
「何がだ?ここの計算を頼む」
「了解しました。私の、ものなど言いますから」
「当たり前だ。私はお前が好きなのだからな。お前もだ。私を慕っているのだろう?相愛なのだから間違いではない」
「…そう言うものですか?ああ。此方の訂正は如何いたしましょう?」
「斜線で横に書き入れろ。早く許嫁になれば話は早いのだ」
「ではその様に…ああ違いますよ。訂正の話です。大体、許嫁は名家の姫君でございましょう?」
「そんななよなよした女が私についてこれると思うか?」
「来させればよろしいかと。あら、珍しい刑部様が間違っておられますよ」
「何?…ああ。本当だな」
「…後で様子を見に行ってきます。かなり、無理をされているかと」
「ああ。そうだな。無理をするなというのに」
「其れこそ無理でございます。刑部様は治部様が大好きでございますから」
「…そう、か」
「ふふふ。なれば急いで済ませましょう」
「ああ」
「…」
「でだ」
「?」
「何時になったらうんという」
「…さぁいつの話でございましょうか」
「お前を娶らぬ限り私は誰も娶らぬし。お前を娶れば他はいらん」
「純粋でございますね」
「そうだ!」
「ふふふ」
「うんと言え」
「本来お慕いしているのも恐れ多いのですよ」
「煩い」
「まだうんとは言いません」
「…まだか!」
「まだ、と申しますか」
「何か不服だ!」
「不服ではありません。一般的にそうだという話でございますもの」
「そんなものは知らん」
「ふふふ。あら」
「如何した」
「此方も…此方も」
「?」
「誰か。左近様と八代を」
「??」
「ふふふ。」
「三成様。入りますよ」
「相模様…お呼びでございますか?」
「あ、ああ」
「ひっ!」
「如何したの?」
「あ、う…申し訳ありません!!!」
「「????」」
「八代。お手伝いするのでしたらしっかりなさい」
「如何いうことだ?!」
「左近様の書類。八代が手伝いましたね」
「何?!」
「す、すいません!俺が計算間違ってて…その」
「左近!!!」
「私が手伝うと…その」
「手伝うのはいいのです。ですが隠れて手伝っているのですよ?書くのは左近様が書くか貴方が書くか統一なさい。」
「「あ」」
「貴方のを知らぬものでしたら改竄されていると思うでしょ?これは兵の人数などを書いた大切な書類です。代筆なれば最初に書いておくべきですし、ましてや二人の文字で書くものではありませんよ」
「すいませんでした」
「治部様」
「すぐに書き直せ!」
「はひ!」
「八代。あなたは墨をするなり必要な手伝いをなさい」
「はい」
「すぐ行け!!!」
「「失礼致しました!!!」」
「…行ったか?」
「ふふふ。八代は仕事が早いですから。すぐに持ってきますよ。ふふふ。」
「なら、良い」
「治部様?」
「続きを」
「はい」





「あのさぁ」
「早く手を動かせてください。最終勧告を受けたのですから」
「いやぁさ。さっき部屋にお二人いたじゃん」
「?」
「ご結婚されたらあんな感じなんだね」
「?!」
「早くそうなりゃ、三成様も落ち着くのになぁ」
「ええ」







日常 15






「と言うわけよ。ひひひ」
「私に言うな」

「そんな目で見ないでくださいませ。私に申されても」
「はてさて。にしても二人してわざわざすまぬなぁ」
「飲めるか?」
「ささ」
「すまぬなぁ。」
「お疲れが出たのでございますよ。先日のお疲れも抜けきれておられぬのでしょう。今日はゆるりとお休みください」
「しかしなぁ」
「急がば回れと申しますもの。ね、治部様」
「…これだな」
「やれ、ぬしの方が」
「私の方はもう済んでいる。相模が手伝ってくれたからな」
「ふふふ。お手伝いいたしますわ」
「頼むが、先に」
「ええ。刑部様。」
「やれすまぬ」
「包帯も一度替えますよ」
「ぬ」
「頼んだ」
「はい。あとで参ります」
「ひひひ。ほんに我とてその姿が見たいものよの」

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