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変換なしの雑食夢

ran

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嫌われるダリューン 5

「ジャスワント殿」
「サクラ殿。どうした?」
「今宵も殿下の身辺警護に?」
「ああ」
「なればこれを」
「?」
「ここの寒さは私でも堪える。私のもので申し訳ないが厚手の掛け布と温かい飲み物です」
「…」
「私がいれたものです。安心して下さい」
「ありがとう」
「いえ」
「…」
「?」
「貴女は私を疑っておいでか?」
「え?」
「毎日この様にして頂くゆわれはない…何か言いたいことがあればはっきりと言って下さい」
「…疑っておりませんよ。」
「…」
「確かに中にはその様なものがおります。が、全員では有りません。」
「古参の方は俺を嫌っている」
「ふふ」
「?」
「私は大層嫌われております」
「…は?」
「確かに我が家は武家の名門。父は死ぬ前年まで餓狼将軍として万騎長でした。母の家からも多数の千騎長はじめ2人の万騎長を輩出してます」
「ならなぜ嫌われる必要がある?」
「私が女であるからです」
「!」
「お忘れでしたでしょ?」
「…すまない。あまりにも堂々とした武人ぶりだったから」
「私はそちらの方が嬉しい。多くの者は私が女で千騎長にあるのは手練手管のせいだと思っておりましたから」
「そうか」
「私には兄がいましたが生まれて間もなく病死しています。他の兄弟もなくて跡取りとして養子を迎える話もあったのですが子飼いの家臣がそれを許しませんでした」
「何故」
「御家芸を失う可能性を孕んでおりましたから。ですから私にみっちりその技を叩き込んで男の子を産ませてととんでもない話で王に許しを得ていたそうです。その本人は早々と病に倒れ結果といいますか成り行きして私が当主となりました。」
「無茶苦茶だな」
「そうです。そのせいで大変でしたが今となっては良かったかなと何より姉が子を産んで教育すればお役御免ですね」
「そうか」
「ですから嫌われ者があなたに何かするということは有りません。食料を無駄にするくらいなら一対多数で首をとります」
「…」
「夕餉どころかまともに食事していないでしょう」
「それは…」
「我が家臣団と共にとって下さい。なれば当たりも緩やかになりましょう。食べている間は私が交代しますから」
「すまない」
「!」
「?」
「断られたらどうしようと思っていたから…良かったです」
「…」
「目下夜食です。しっかり食べて下さい」








嫌われるダリューン







「すまない」
「ジャスワント様」
「サクラ殿に」
「聞いてます。またうちの姫さんが世話を焼いたと言って皆笑っていたところですよ。おい!食事を持って来させろ」
「姫さん?」
「こういうと殴られるんですけどね。私らは赤ん坊の時から見てますから。王室に入ってもおかしくない身分だったんですけど」
「変わり者なんっす」
「…そうか」
「俺たちの姫さんはこれだから良いんっすけどね」
「?」
「先代様に輪をかけた平等主義なんです。あなた様のこと気にかけていましたから…まさか食事に誘うとは」
「良いのか?」
「姫さんが良いっていうのに俺らがダメとは言えないっす!それに此処のやつら半分はあんた同じっいてー!!」
「この馬鹿。姫に馴れ馴れしくするな、丁寧に扱えと言い聞かされていただろう。すみません。礼儀のない者で」
「いや」
「私は姫の守役です。これからは慣れるまで此方で食べて下さい」
「ああ」
「…」
「…」
「姫さんに手をだしちゃだめっす!」
「ー!!!」
「こいつ!」
「すいません」
「いや…すまない。」
「?」
「俺は女性が苦手だ、から。心配しないでくれ」
「そっすか!」
「…あとで仕置だ。」
「げ!あ!姫さんとダリューン様」
「…」
「何故サクラ殿はダリューン殿を嫌うのだろう?」
「狼と虎では番になりません」
「っていうか!ダリューン様がめんどくさいこと言うから姫さんが頑なになるんっす!」
「まー天下第一の意地っ張りだからなぁ」
「…そうか」

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