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変換なしの雑食夢

ran

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嫌われるダリューン 1

「何故」
「?」
「ここに居られる?」
「え?従軍命令に従っているだけで御座いますが」
「い、や。それはそうだが」
「ダリューン殿は本当に私の事お嫌いですね」
「は?!ち、違います!」
「これでも貴方様のような万騎長殿達の実力はありませんがそこそこの力はございますし。いざとなれば殿下の盾の一つになる覚悟はございます」
「おい。ま、待ってくれ」
「何より我が師の帰還を無視出来る不義理ものではございません。居られましたか。我が師。言われておりました書類をお持ちしました」
「サクラ殿!」
「なんだ、また喧嘩か?」
「いえ。後こちらの生薬ですが」
「ナルサス!」
「無理だぞ」
「まだ何も言ってはいない!」
「サクラの言語学と薬学の知識は私を凌ぐ。妥協案だ。散々話しただろう。一兵士としてではなく侍童として連れて行く。」
「だが」
「剣の腕も弓の腕も千騎長のそれと遜色ない」
「私が至らない為、何より女である為。末座でもご納得されませんでしょう。いざとなれば辱めを受ける前に自刃しますと申し上げても首を縦に振ってはくれません。」
「サクラ」
「我が師。私の至らなさでお手数をおかけして申し訳ございません。ファランギース殿に呼ばれおります故。また後ほど参ります」





失礼しますと一礼としてファランギース殿を探す。さすがに着いてこないらしいと一瞥して殿下と居られるファランギース殿に一礼して居ると我が師といつもの調子で口論するダリューン殿の喧騒が聞こえておもわず顔をしかめてしまう。ファランギース殿に笑われるものの許していただきたいと言って薬瓶を渡しする。




「助かる」
「なんだ?それは?」
「毒薬でございます」
「は?」
「先達てのならず者に一矢報いましたが…断つことはできませんでしたので」
「毒薬と申しましても死に至るものというよりも動きを止めるを目的にしたものでございます。口を割らすのは我が師の役目でございますから無意味な殺生は禁じられております。目下」
「サクラ?」
「あそこの偉丈夫に盛れればその効果を披露できますものを」
「ダリューン殿にか?」
「サクラとダリューンは仲が悪いのか?」
「あちらが私を嫌っておりますから。以前はそのようなことありませんでしたが…最近ひどいのでございます」
「ふふふ。心配なのだろう」
「おかげで千騎長は剥奪され前線から外されました。今は我が師の侍童でございます。殿下」
「なんだ?」
「私はそんなに頼りないでしょうか?」
「そんなことはない。サクラのおかげで助かる面も多い。ナルサスに言われただろう。千騎長としての働きではなく違う動きを期待して居ると」
「…はい」
「だが、あれでは主が心配するのも致し方ないか」
「ファランギース」
「過保護もよろしくないのでございます。我々は守られる女子ではございません」
「それはよく理解している。」
「大体私は殿方など嫌いでございます」
「そうなのか?」
「はい。あ!殿下と我が師。あとエラムは別でございますが。男というものは粗野で我儘で…何を考えているかわかりません。色々と思い出すと腹が立ちます」
「そうか?」
「ええ。特に私は己より弱い男は嫌いでございます」
「なれば万騎長くらいかのぅ。ふふふ。確かに高齢を除けば粗野で我儘か」
「己は夢や忠信には貪欲なのに女には貞淑を求めます。良き母は奥でしか生まれぬとでも思っておるのでしょう。私は真っ平で御座います。」
「サクラは自由が似合うからな」
「!」
「キシュワードが言っていた。アズライールより自由だと」
「人は元来自由なもので御座います。社会通念によってそれを制限されるのでございます。私は願わくば…」
「サクラ殿!」
「…っち」
「こういうところが自由なのだな」
「ふふふ。」
「殿下失礼いたします」
「待たれよ!話が」
「私はありません。目障りで御座いましょうから自室にて控えております」
「サクラ殿!」



「あれではいけないなぁ」
「ナルサス殿」
「ダリューンの思いは通じなさそうだな。」
「逆に拒絶されておりますれば…道のりは長いでしょうな」








拒絶されるダリューン









「…」
「あの」
「なんで御座いますが」
「お、怒らずだ。聞いてほしい」
「何か?」
「やはり出陣は控えた方が」
「あなた様一族やキシュワード様の一族と同じ我が一族も武門の一族。戦に恐れて帰ったとなれば先祖に申し訳がたちませぬ」
「我々は男であなたは女だ。もとより我が従兄弟が養子に入られて武門の名は保っている。あなたがわざわざ前線に立つ必要はなくなっている」
「…」
「だからやはりペシャワールにもどってキシュワード殿の手伝いを」
「…確かに今ここで闘いましても私はあなた様に勝つことは叶いますまい」
「は?」
「大将軍殿と我が父の約定に従い義兄上が参りました故、私は用無しということもよくよくわかっております」
「サクラ、殿」
「家か我が師か殿下の名がございましたらすぐに立ち去ります故」
「な、泣かないでくれ」
「ダリューン殿の目障りにならぬよう控えておりますから」
「な?!そういう意味では」
「それでは」







「ありゃー…」
「嫌われても仕方ないな」
「許可するの?」
「しない。雌狼を敵にしたくはないからな」
「雌狼?」
「あれの別名だ。集団戦法を得意とする家でな。あれの頭の中にはそれの全てが入っている」
「へー。」
「我が師」
「サクラ」
「私は暗に消えますのでご用の際は」
「わかった」

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