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変換なしの雑食夢

ran

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十二国

「お前は何かと言えば泰王の話ばかりだな」
「は?」
「違うか。左将軍か」
「主上?」



そう言うと立ち上がってどこかに行かれる。如何したのだろうと後ろ姿を見ていると六太が笑う

「如何したのかしら?」
「悋気だろう?」
「誰が?」
「あの馬鹿さ」
「…誰に」
「そりゃあ…て気がついていないのかよ」
「?」
「そりゃあ今までが今までだったからな」
「意味がよく」
「良いか。あの馬鹿あいつと戴の左将軍とに焼き餅焼いてやがるんだよ」
「はぁ」
「気の抜けた返事だな」
「だって」
「最近良く話に上がるからな。一本とられたのも気には食わねぇだろうし。」
「六太」
「あの馬鹿。母ちゃんの前では良いとこ見せたいんだろうからな」
「ふふふ」
「何笑って」
「だって」
「なんだよ」
「驍宗様もこんなお婆ちゃんなんて嫌でしょ」
「十分若いだろ?」
「そうかしら。ありがとう。六太」
「いや…って如何すんだよ」
「…どうしましょう」
「の割には嬉しそうだよな」
「ええ」
「はぁ。結局母ちゃんはあの馬鹿好きだもんな」
「そうですよ。」


そういって席を立つ。どちらに行かれたのだろうと戸外に出るとすぐのところに憮然として座ってらっしゃるのに気がつく。
但しこちらを見ないところ、本当に臍を曲げているようだ。

「主上」
「…」
「尚隆様」
「…」
「寒くございませぬか?」
「ああ、寒い」
「なら中で温かいお茶をお入れ致しますわ」
「いらん」
「あら」
「若い男の方がいいならそちらへ行け」
「その言葉そっくりお返しいたしますよ」
「…」
「大体私の目には貴方様しか入らないというのに」
「は?」




横にしゃがむと漸くこちらを向いていただけるので私は頬をふにふにと突く。お疑いですかと尋ねると苦虫を潰したようなかになる


「の割には」
「貴方様の試合姿が凛々しくて」
「…」
「素敵と思いましたのよと言う前にいつも御怒り遊ばれるのです。驍宗様は貴方様と良く似ていらっしゃるから」
「似てる?」
「ええ。若い時分の貴方に」
「そうか」
「お話ししても良い方でしたし」
「…」
「あら、眉間が」
「お前は何を言いに来たのだ?」
「貴方様が悋気せずとも私は貴方様しか愛せませぬし。他に目移りいたしませぬから安心いたしませと言いに来ただけですわ」
「…」
「温かいお茶は?」
「飲む」


そういうとなぜか抱きかかえられて寝室のある屋敷に連れて行かれる。まだ仕事がおありでしょうといえば釣れないことを言うなということ。
まぁ今日くらいは仕方がないなと独り言ちて無体は嫌ですよと眉間を突きながら伝えるだった




悋気

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