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変換なしの雑食夢

ran

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十二国

石が飛んできたとわかったのはその後すぐで。売女と叫ばれてからだった。一瞬何が起こったのか分からず目をパチクリさせると子供が立っていて再び石を投げようとする。自然とそれを取り押さえようとする大人が現れて周りが騒然となったものの大司馬様が盾になって下されなかったらその波にのまれて怪我をしていたのだろう


「大丈夫か?」
「は、い」
「すまない。真逆子供が」
「いえ。その子供は?」
「向こうで縛られている。母親と兄弟も一緒だな」
「…」


そういうと別室へという女官の手をどけて喧騒の中に入っていく。轟音の様な怒声と泣きじゃくる母親や兄弟の声。その中にじっとこちらを見る男の子は殴られたのだろう。片目が腫れていた



「貴方ですか?」
「なんだよ!!!売女のくせに!!!」
「このガキ!」
「すいません。王妃様」
「貴方はこの子の母親でしょうか?」
「はい」
「そう。」
「子の罪は親の罪です!どうかこの子には寛大なご処分を!!!」



そういって伏礼をするものだから私は頭を上げる様に言う。
そして大司馬に小刀をと言うと周りが騒然となった。


「真逆」
「でも王妃に石をぶつけたんだ。仕方がない」
「おい」
「何を勘違いしています?」



そういうと私は束ねられた髪をバッサリと切る。
幸い装飾もなかったからまっすぐに切れたなと思いながら母親の方を向く
唖然といった表情でこちらを見ているものだから私は微笑んで戒めを解いてあげなさいという。



「な、何をやっているんだ!」
「子の罪は親の罪ですので」
「わかる様に説明しろ!」
「私は望んでも子を得られませぬ。主上はそんな私に王妃となって国の民の母となれとおっしゃいました」
「は?」
「この子供も戦で惑わなければ罪を犯さなかったでしょう。しかし犯してしまった。その理由が国の荒廃なれば私は甘んじてそれを受けなくてはなりません。坊」
「…」
「主上が御座にあります。少しづつですが良くなっていきましょう。其れ迄許しておくれ」
「…」
「主上も贅沢を御厭いになる方です。貴方たちに負担をなるたけかけませんように私からも奏上いたします」
「はい」
「では手当をしてあげてくださいませ」


そう言って子供の手を取ろうとした瞬間大司馬様に成らぬだろうと叫ばれる。
きょとんとすると王妃に石をぶつけた罪は重いと言われて思案する。ごちんと頭を叩いて人に石を投げてはなりませぬよといえば痛かったのだろう少し涙目で二度としませんという


「おまえなぁ」
「あっ」
「な、なんだ?」
「それ以上に」
「イテテテテテテッ!抓ると痛い!!!」
「痛い様にしているのです。売女とはどこで習ったのですか?」
「みんなが言ってたから!!!」
「好きで身を売るものは居ないのですよ。今度そんなこと言うと両頬に致しますわ」
「わかった!いわねぇ!」
「本当に?」


はいともへいともいえぬ返事で許していると母親がありがとうございますと何度も言うものだから私は背中をさする。

「元気なお子は国の宝です。悪戯をし過ぎるのが玉に瑕ですが」
「ですが御髪が」
「気になさらずに。この件は私の不徳の致すところ。」
「そんな」
「またここに手伝いに来てもよろしいでしょうか?民は主上の身体其の物。傷つく民を一人でも介抱したいのです。」
「は、い」
「では他の方たちもこの家族に何もしませぬ様。民は宝。お互いが傷付けませぬ様」
「王妃様?!」
「頭を下げてお願いします。」









「という事があった」
「…」
「で如何して髪を切った?」
「そうしないと収まりませんでしたから」
「…」
「ほら見ろ。怒ると言っただろう」




そういうと額の傷も見つけられて何か叫んでいらっしゃる。大きな声でございますねと言えば何故か矛先がこちらに向く。


「主上」
「何だ!」
「髪の短い私は御嫌いですか?」
「嫌いといえばどうするつもりだ」
「難民のところに参りまして下働きをいたします」
「…お前は」
「だって貴方の身体が傷ついたままに出来ましょうか?」
「…」
「髪などまた伸びまする。ただ、あの場で親子を殺めましたら命とともに大切なものまで捨ててしまいます。」
「わかった」
「では」
「ん?」
「御見苦しいので私は伸びるまで下界に」
「はぁ?」
「いえ、我に帰るとですね。この様な髪は初めてで。恥ずかしい」
「おい」
「え?ひゃあ」
「とくと見せてもらうぞ。」
「主上?!皆様が…居ない!」
「さて」
「ひっ」
「もう二度と見ぬかもしれぬからな。」
「主上」
「やって良い事と悪い事の部別がつくまで躾けないとな」




桃色の髪

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