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変換なしの雑食夢

ran

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十二国

「風漢様ぁ?」
「んー?」
「 今迎えの者ってのがきてますけど?」
「もう少ししたら行くと伝えてくれ」
「はぁい」

多分情事の最中なのだろう。暖簾越しに聞こえる其の声に溜息をつく。きっと上客なのだろう。女将も申し訳無さげにこちらを見てくるものの返す気は無いらしい。
私は苦笑して嬌声から離れていく。きっといつもの三人が来たのだろうと思っていたのだろう。


「あんたも大変だねぇ」
「いえ。主人のためですから」
「にしても」
「?」
「あんたも風漢様の相手してるのかい?」
「は?」
「まぁこの細腰であの人の相手をする訳にはいかないか。壊されちまう」
「ふふふ。」
「うちに来ても手練れが何人も参っちまってさ。気も効くし肝も座ってる。うちにずっといて欲しいもんだ」
「私も大旦那様の命がございますから。でもまだかかりそうでございますね。」
「あの姐さんは中々離しゃしないさ。急ぎかい?」
「いえ。出直しますわ。支払いは?」
「今んところ大丈夫さ」
「なら、大旦那様が来る前に帰って来ます様お伝えください」


そういって筆を借り、手紙を書く。そして金を渡して宜しくと頭を下げると逆に恐縮されてしまった。が、仕方が無い。
一礼して門を出る。不意に今あの人がいるだろう部屋を見ると窓辺に枝垂れるあの人と女性がいて。目が少し会う。驚いた顔をして、困った顔をなさるものだからまだ知りたいことを知れてい無いのだろう。微笑んで一礼する。上げた時にはもうい無いだろう。


「王妃殿下」
「先生?」
「もう街には行きますな」
「ですが…皆忙しそうで」
「貴方様も同じではありませぬか」
「大体こうでもせねばここには参られはせぬ」
「王宮の医者がおられますでしょ?」
「主上に筒抜けでしょ?無駄なご心配をおかけする訳には参りませんし。王宮の医者はみな殿方ですもの」
「女の私がよろしいと?」
「いいえ。私、先生が好きなのですよ」
「王妃殿下」
「随分悪いのかしら?」
「仙で無ければ数ヶ月も持ちますまい」
「そんなに?」
「少し休めませぬか?湯治でもなんでも。」
「そうね」
「いくら仙でも無茶が過ぎると倒れてしまいます。」
「ふふふ」
「笑い事では無いのですよ」
「ありがとう」
「?」
「あなたがいつも心底心配してくれるから。私はあなたが好きなのね」



そういって薬をもらって立ち上がる。が、やはりうまくいか無いらしい。影から出てきた白様が私の手を取ってくれる。初めて来た時はそれもできなかったのだからさすが先生ねといえば怒られた。

ここ数年。体の不調が酷かった。来るところまで来てしまったのだろう。

『王妃殿下』
「はい」
『おやすみください』
「ありがとうございます。あと」
『誰にも申しませぬ』
「ありがとう」


そうして私は瞳を閉じてしまう。贖うことのできない睡魔の中で女将の台詞を反芻するのだった



枯れゆく野薔薇

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