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変換なしの雑食夢

ran

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十二国

「延王妃殿下」
「ご無沙汰しております。それと」
「?」
「申し訳ございませぬ。折角早のご招待を受けましたのに。着いた早々風邪などひいてしまって」
「お気になされますな」
「もう歳でございますね」
「なにをおっしゃておられるのか」
「実は私体があまり強くないの」
「は?」
「仙でなければ長生きは出来ぬだろうと。これは主上に秘密ですよ」
「はい」
「不思議ですね。誰にも言う気は無かったのです。驍宗様のお顔を拝しましたらつい。戴も良い王を得られました」
「私は」
「驍宗様」
「?」
「私も秘密を申したのです。あなた様も」
「!」
「でなければ狡いですわ」
「あなた様は変わりませんね」
「それが私ですもの」


そう言って微笑むと先ほどより温和な顔になられる。


「泰麒がですか?」
「怯えているような顔をするのです」
「そうですか」
「何か?」
「いえ。泰は台輔お可愛い方でしょ?内の悪さと違って」
「え?」
「ふふふ。困っていらっしゃる」
「どう言えばいいのか。」
「六太や景台輔の言を聞けば優しく穏やかなお子だと。」
「はい」
「ですから気を使われているのでしょう」
「何に?」
「天に」
「は?」
「うちの悪さですら主上をお連れするのに何日もかかりました。王となるものの重責は凄いものと側で見てわかっているつもりです。ですがそれを決めた麒麟の重責も凄まじいものです。あの子が悩み傷つく様も見て参りました。」
「そうですか」
「時にあの子がこう言うのです。天は何も教えてくれないと」
「…」
「雨が降るのを人は経験で憶測をつけることが出来ますがそれ以上は無理でしょう?なのに麒麟たちはそれを真剣に考えるのです。それはとても可哀想で無意味なことなのに。懸命に考えるのです」
「はい」
「特に泰台輔は六太と一緒な蓬莱生まれですから。この世の理に疎いではなく、分からないことだらけでしょう。その上王がないとか。益々持って分からないことだらけなのに責務だけのしかかる。慈愛ものですから益々持ってお労しい限りです」


そういうとすごく悲しそうな顔を為さるので如何致しましたと尋ねると分かりませんでしたと仰られるので私は起き上がる。


「延王妃殿下」
「驍宗様」
「お身体にさわります」
「知らぬこと解らぬことはたくさんあります。ただそれを蔑ろに為さいますな。」
「は?」
「王は時に搾取せねばなりませぬ。否。せねば成り立たぬのは王の方でございます。」
「はい」
「肝に銘じませ。度の過ぎた抑圧も度の過ぎた自由も何も生みませぬ。解らぬ時は止まって考えるのです。今回のように。誰かに聞いたり求めなさいませ。」
「わかりました」
「あの日申し上げましたでしょう?慈悲を手に入れればあなた様は王に足る方と」
「あの時より忘れなことはございません」
「泰台輔の為を思ったこれは間違いなく慈悲でございましたよ。」
「…」
「本当に戴は良い王をお向かいなさりました」


そう言って私は笑うのだ。驍宗様も少し微笑む。大丈夫でしょうか?とおっしゃる。


「その為に主上が参りました。あの人が無茶をなさらないか…六官始め皆心配しております。」
「…」
「叱責する為に参りましたの。それ以上に」
「?」
「これを」
「これは?」
「蓬莱。私の故郷にある魔除けですわ」
「魔除け?」
「ええ。良からぬものがあなたを苦しめませんように。必ず再び会えますようにと。」
「…」
「まさか祝いの品に入れるわけもいかず…いえ。やはりお返しくださいませ。このようなもの他国の王にお渡しするわけには」
「いえ」
「?」
「嬉しく思います」
「無理をなさらないで下さいまし」
「本当でございます」
「…」
「お返しを致したいのですが…この有様ですので何もお渡しすることが叶いません」
「なら」
「はい」
「後でお2人で尋ねてきてくれますか?」
「泰麒とですか」
「はい」
「出来ますでしょうか?」
「貴方ならそれと」
「?」
「我が主上が無茶をなさってもお許しくださいませ」
「ふふふ。あなた様らしい」


そういって苦笑なさるのだから大丈夫だろうなとそう思って私も苦笑するのだった




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