好みではない夫の三成 8 好みではない夫の三成 2017年10月10日 「今日は絵草紙です」「殿から?」「はい」「…困ったわね」「寵愛されているという事です。」「ふふふ。ああしの」「はい」「お礼の手紙」「あの、ですが」「そういうのがお好きみたいだし」「奥方様に書いて欲しいのでは」「私が?浅ましい字など見て欲しくはないもの」「…」「それにしても」「?」「ここから見える庭はいつも綺麗ね」「それは!…奥方様が御療養中は特に気にかけるようにと」「そう…ふふふ」「奥方様?」「貴方の方が随分と大阪に馴染んだみたいね」「?!」「あ、怒っているわけでも悋気でもないの。早く殿も貴方に手をつければ万事解決するのに」「それは」「?」「無理かと…奥方様を大変」「しの」「っ」「…ごめんなさいね」「いえ」「何はともあれ。紅葉も色づいてきたわ」「…」「嫌な色」「…?」「少し休みます」「はい」「お手紙お願い」「昔の許嫁が忘れられないんじゃないかな」と言った賢人の顔を見る。失念していた。というよりも興味が無かった。あれには昔許嫁がいた。「忘れていたのかい?」「ひひひ。もう耄碌してしもうたわ。…確か」「今の当主の兄さ。温厚な武人だったよ」「知っておるのか?」「少しね…戦さ場で討たれた。というか暗殺かな?」「血なまぐさい話よ」「まぁ、それは良いとして。仲の良い許嫁だったらしくてね。これはちょうど良いなと」「…」「彼女もよく理解しているみたいだしね」「ふむ…故に三成がちょうど良いと」「君が気に入ったのなら二人で愛でても良いよ。子が出来ればそれで良い。彼女も名ばかりの母になりたいみたいだしね」「ふむ」「如何したの?」「あれの孤独はそこからか」「そうというわけでもないけど…君は気づいていないのかな」「?」「まぁ、そのうちわかるよ」「意味深よな」「彼女は復讐のためにここにあるのかもしれないね」「…」「だからこそ、三成君が都合が良いのさ。君では惹かれあってしまうだろう?無論僕もだ」「孤独なもの同士がよく似合う。三成がほって置けないのもそのせいか…ひひひ。」「仲睦まじくここで生きてくれても良いんだけどね」「我にも嬲られてか?」「乗り気かい」「少しなぁ」「君らしくもない」「捨て猫を飼いならしてみたいと思うのもまた人の常よ」好みではない夫の三成「…あ、ら」「やれ、起きずにいりゃれ」「ふふふ。大谷様」「矢張り腫れたか。熱も高いなぁ」「如何、なされましたか?」「喋りにくいか?うなづくだけで良い。先ほど太閤の下知で我も主を嬲る要員になった」「?」「話を早く行って仕舞えば早く子供を産ん仕舞えという事よな…ん?そのような顔をしりゃるな。まぁ我から言った手前そういう顔をされても悲しいかなしい。」「二夫に仕えるのですか?」「それはちと違う。主は三成の嫁よ」「?」「我は抱けぬ故な…人肌寂しいときに共寝をしてくれれば良い。それもなかなかあるまい。」「大谷、様?」「吉継よ。よしつぐ」「吉継、様」「主にそう呼んで欲しかったのとこう看病する口実よな」「!」「口を開けしゃれ。少し苦いが…薬よ」「あ、う」「主はちと、人の優しさにならしゃれ」「私は」「我とて主に何かあればかなしい。」「?!」「其れに美花よりも仇花が好みよな」「…」「やれ、泣かしゃるな」「私のこと」「主が思っておる以上に知っておって思っておる以上に知らぬよ。それはお互い様よ」「…」「にしても主は愛いな」「!」「すまし顔も良いが年相応にしりゃれ。それの方が可愛い」「か、わ?!」「ひひひ。我も大義を貰うたからな。存分に可愛がろうよな」 PR