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変換なしの雑食夢

ran

好みではない夫の三成 10

「…」
「何だ」
「え、ああ。殿」
「?」
「…」
「おい、如何した?」
「ああ。そちらでしたか」
「?」
「すいません。ぼうっと」
「また熱か?」
「いいえ」
「貴様でもそういう時があるのだな」
「ふふふ。私も人の子ですから」
「にしてもだ…」
「!」
「刑部からだ」
「吉継様から?」
「数日後に出兵する。来たがっていたが無理だから…致し方ない」
「?!」
「私もだが…出陣が数日遅いからな。ことつかってきた」
「…良い香り」
「花が好きだな」
「ええ」
「こちらは私からだ」
「?」
「気に入らないか?」
「いいえ」
「…」
「…」
「やはり熱が」
「?」
「…月」
「はい」
「一つ尋ねる」
「はい」





「目が見えないのは嫁ぐ前かそれとも後か?」







「!」
「今確信を得た。私が触れるのを厭わない。…どちらだ?」
「見えないわけではありません。人より見にくいだけで…その。今日は調子が悪いから」
「生まれつきか」
「…一応お伝えはしたのですが」
「半兵衛様にか?」
「嫁ぐ前にです」
「…そうか」
「郷に返してくださっても…殿?」
「…」
「っ」
「…」
「と、の?…あ、の」
「…」
「三成、様?」
「?!」
「何方に?」
「あ、ああ!すまん。」
「叩き切るなら嬲るのはやめてください」
「?!だ、れがそんなことをするものか!」
「…」
「刑部の花を花瓶に入れていたところだ。後で直してもらえ。月」
「?」
「見えるか?」
「…近いです。」
「眼を細めるな」
「こうすればよく見えますから…」
「そう、か」
「殿?」
「私からの贈り物だ」
「?」
「見えていないのだろう?もう一度見てみろ」
「はぁ…鳥?」
「香炉だ。珍しい色をしていたからな。」
「綺麗」
「気に入ったか?」
「はい」
「そうか」
「殿」
「三成でいい」
「ですが」
「さっきは呼んだ」
「叩き斬られると思いましたから」
「何故だ」
「偽るのを嫌いますでしょ?」
「好かん!が、今回は半兵衛様のご判断だ。私の推察を挟む余地はない」
「あなた様らしい」
「?」
「普通なら叩き切るか、郷に返されるかのどちらです」
「知らん!」
「ふふふ」
「?!」
「三成様?」
「い、や。何でもない」
「???」
「それにだ。貴様が何であれ、娶れと命が下されたのだ。それが全てだ郷に返したりするのも叩き切るのも許可を得てからだ」
「…え?」
「私の一存では決まらない」
「そう、ですか」
「だから…月?」
「…」
「何故泣く?」
「さぁ」
「おい」
「戦さ場に行くとなると…当分は会えませんね」
「え?」
「女身では…里がそうでしたから。此処も」
「そう、だな」
「ご武運を」
「あ、ああ。…それ、より」
「側室の方は?」
「…は?」
「お会いに行かれるのでしょ?」
「如何いう意味だ?」
「そのままの意味ですが」
「っ」
「吉継様からの手紙確かに受け取りました。お怪我などなさらぬように無事おかえりくださいませとお伝えください」
「っち!」









好みではない夫の三成








「やれ」
「?!」
「こちよ。こち。」
「吉継様?!」
「ひひひ。我以外の何者でもないなぁ。月」
「出陣と聞きましたが」
「如何にも。」
「なれば」
「女が穢れなら戦場に立つ輩は如何する?」
「でも」
「でももへちまあるまい。月」
「?」
「見えておるか?」
「…」
「近いなぁ」
「今日は本当に見にくくて…吉継様」
「ん?」
「すり潰すのですか?」
「敵をなぁ」
「私は?」
「主には致さぬよ」
「…」
「ひひひ。やれ、月」
「?」
「我が見えるか?」
「近いです」
「醜い我が」
「?」
「故に主は我を受け入れたか?」
「吉継様」
「ん?…やれ月。なかしゃるな」
「馬鹿」
「ひひひ」
「馬鹿ぁ」
「やれ。そう声をあげて」
「私は貴方が大切なのです」
「月」
「兄様は戦に行ったまま帰らなかったから…貴方が、そう、なったらと」
「兄…あぁ主の許嫁だった男か」
「もう二度と大切な人なんて作らないと心に決めたのに!吉継様、がそうだから!」
「ほれ、なかしゃるな」
「他の人と同じにしないで」
「…」
「私は貴方を…っん!」
「やれ月」
「はい」
「この醜い我をか?」
「貴方をです」
「おぞましい我をか?」
「悍ましくはないです」
「左様か」
「?」
「 なぁに。無事に戻る。主は心配せずに三成と我の帰りをまたしゃれ」
「はい」
「本に愛い。」
「!」
「我の愛い、嫁御よな」

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