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変換なしの雑食夢

ran

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勝手すぎる三成 4

「母」
「何?」
「今日の夕飯はなんだ?」
「今日はねぇ。佐吉の好きな」
「ここに居たのね!」
「?!」




聞き慣れた、でも聞きたくない声がする。家の前にはある意味一番会いたくない人がいて私は慄く。

場違いなほどに綺麗に着飾っている、母がすごい形相で立っていて私は咄嗟に佐吉を隠すのだ。佐吉は何がなんだかわからない顔をしながらも私の後ろに隠れている。唯、この間の石田さん達が来た時と似ているから眼光は鋭い。



「見つけたわ!!!!」
「お母さん…」
「あの女とそっくりね!出奔だなんて!!!どれ程私が迷惑したと思っているの?!」
「…」
「貴方がいなくなって…私たち親子がどんなに肩身が狭かったか!さぁ!帰るわよ!!!」
「やめてください!」
「何をする!母から手を離せ!!!」
「其れが石田様の子ね!なら貴方でも良いわ」
「や、やめてください」
「離しなさい!この子は私のものよ!」
「佐吉から手を離して!!!」
「触るな!!!!」
「っ?!何この子!…流石お前の子だ!躾のなっていない!」
「煩い!母に何をする気だ!離せ!!!」
「もう帰ってください!!!私たち親子に関わらないで!」
「馬鹿を言うんじゃないよ!あんた達は私達のためだけに生きていれば良いのよ!」
「っ」
「早く用意なさい!石田様にお詫びするの!そうすれば!!!!」
「母?!」
「あんたのせいで!!!!」
「きゃ!!!」
「母!!!」
「あんたさえ!あんたさえいなけりゃ!!!!」
「い、嫌だ!!!母!!!目を覚まして!!!」
「死んでしまえ!!!!」
「母!!!!」











目が醒めると見慣れない天井に驚く。頭が痛くて動かせないな…と思っていたら看護師さんが目の前に現れてにこりと微笑まれた。
曰く、押されて転けて頭を強かに打ったらしい。入院しないといけませんねと言われて初めて頭の傷が痛くなってくる。今のところ脳出血はないですけど傷が酷いですから触らないでくださいと言われて私は今の状況が思いの外酷いことを知る。
母は何処から私の居場所を知ったのだろうか。と思った瞬間私は飛び上がって看護師さんの腕を掴む。血相を変えたのは私だけではなく、絶対安静ですよ!と言われるものの其れどころではない。





「佐吉…息子は?!」
「息子さんは無事です!でもその前に!寝てください!!本当に重症なんですよ!!!」
「佐吉は?!本当に無事ですか?!!!」
「本当に!逆向いてください!」
「?!」
「寝てしまったので横に。ずっと側にいたんですよ」
「よかっ…た」
「怪我もありませんから安心してください!」
「…」
「ほら、寝て」
「母?」
「?!」
「起きちゃった。お母さん起きたよ」
「?!!!?!」
「佐吉!」
「母!!!」
「よかった…」
「何も良くない!!母は…大怪我」
「母は大丈夫よ。佐吉が無事なら…ああ、泣かないで」
「母ぁ」
「ごめんなさい。恐ろしかったね」
「石田さん。ご主人ももう少しで帰ってきますよ」
「?!」
「今手続き」
「駄目!」
「?」
「主人なんて…」
「救急車から入院の手配までされていましたよ。…ああ帰ってきましたよ」
「?!」
「…」
「やれ、気がついたか?痛みは如何か」
「如何、して」
「貴様に会いに行くとこうなっていた」
「やれ看護師。席を外しゃれ」
「10分ですよ。無理出来ませんから」
「あいあい」




パタリと締められた部屋には機械音だけが聞こえる。ベットサイドの椅子に座ると傷は如何だと言われるので私は無言に徹する





「…何かいえ」
「貴方がまだここにいるとは思いませんでした」
「如何いう意味だ?」
「そのままの意味です。佐吉」
「母?」
「母の鞄に携帯電話があるの。取ってくれる?」
「わかった」
「おい!」
「仕事場に連絡しないと」
「やめれば良い」
「…生活が有ります。」
「そんなもの!帰ってきたら私が養う。」
「私達の家は此処ですから」
「?!」
「母」
「主任に連絡しないと…」
「私は大野の婆様が見てくれると言っていた!」
「そう言うわけには…主任に」
「おい!!!!」
「…大きな声を出さないでください」
「勝手に決めるな!お前は私の」
「勝手にしろと仰ったのは貴方です」
「それは…」
「私の家族は佐吉だけです。」
「っ?!」
「やれ、そう言うてやるな。あの女を退け今に至るまでずっとぬしの側にいたのよ?三成も佐吉に負けず心配しておったのよ…其処をなぁ」
「…吉継さん」
「ん?」
「なぜ母は此処を知っていたのですか?」
「それ、は…」
「今までの手配感謝します。でも、もう二度目の前に現れないでください!」
「母?」
「や、やれ。落ち着きゃれ。血圧が」
「おい!」
「私が死んで欲しいのならそういえば良いでしょ?!あの母が私たちに何の危害を与えないと思ったのですか?!」
「それは」
「私だったから良かったものの!もし、佐吉に何かあったら!私は貴方を許しはしません!」
「話を聞け!」
「母、落ち着いて!機械から変な音がする!!!」
「貴方なんて嫌い!!!大っ嫌い!!!私の生活を、人生を滅茶苦茶にして楽しいですか?!」
「違っ」
「出て行って!!」
「石田さん?!」
「鎮静剤を!!!」
「興奮させてはならないとあれ程言ったでしょ!」
「部屋から出て!!!」
「石田さん!!!落ち着いて!!!」
「やだ!離して!!!」
「鎮静剤まだか?!」
「佐吉を!!佐吉を返して!!!」











勝手すぎる三成 4







「やれ、佐吉」
「触るな」
「だがなぁ」
「貴様は私の父親なのか?」
「…そうだ」
「貴様の血が私に流れていると思うと虫酸が走る」
「…そうか」
「なぜ現れた!母は貴様達が来るまで幸せそうにしか笑わなかった!貴様らのせいだ!いつもどこか恐れてる!!!母を不幸にするため此処に来たのか!!」
「やれ、それは違う。主の父は主達を心底心配しておってだな」
「では何で6年もかかった!此処は母の唯一の場所だろう?」
「?!」
「それすら覚えていない貴様が何が心底だ!」
「…」
「三成」
「また、来る。時間だ」
「もう二度と来るな!」
「やれ、われは此処にいるが良いか?」
「好きにしろ!」
「貴様も帰れ!」
「大人がいなくてはならないこともあろうに。」
「ふんっ!」
「今回はわれの不手際よ。謝って済むことではないがなぁ…」

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