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変換なしの雑食夢

ran

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勝手すぎる三成 2

「お前は誰だ!!!母を泣かすな!!!!」
「なっ!?」
「佐吉。落ち着いて…お願い。母から離れないで」
「母。私はここに居るぞ!母の側から離れないから安心しろ!」
「っち!」
「ひひひ。主の幼き時にそっくりよ」
「帰って、下さい」
「やれそれはいかぬよ。6年。皆心配しておった。」
「…お願いです」
「入れろ!」
「っ?!」
「そんな顔をするな!態々こんな僻地まで!!!」
「煩い!私の母に怒鳴るな!痴れ者!!!帰れ!!!」
「何?!」
「佐吉!」
「貴様!!!父親に向かってなんたる口の利き方をする!!!即刻仕置きをしてやる!」
「やれ!三成!!!」




手を挙げて振り落とされると思った瞬間、自然と体が動いた。
この人の顔を正面から見たのは初めてかもしれないと痛む頬を感じながらぼんやりとそう思うのだ。思いの外、呆然とした表情が似合わない人だ。
わっと泣かない佐吉の大泣きで私は我に帰る。母と私を呼ぶ姿が余りにも可哀想で。抱きしめて大丈夫と聞くとぐずぐずと泣くのだ。どんなことがあっても泣かない佐吉が。




「貴様…絶対に殺してやる!」
「佐吉」
「私の、母に!!!この暴虐は許し難い!!!必ずだ!必ず抹殺してやる!!!」
「佐吉」
「母は後ろにいろ!」
「お願いよ。そんな悲しいこと言わないで」
「っ。母」
「私は大丈夫だから。ほら、泣き止みなさい」
「母。大丈夫か?私が弱いから…母が」
「佐吉…」
「三成!自失している間があるか!…済まぬ。誰か氷を買ってこりゃれ」
「吉継さん…」
「やれ、坊。すまぬなぁ。主の大事な母御を」
「早く帰れ!母や私に触れるな!!!」
「そうはいかぬのよ。ちと辛抱しりゃれ。…主も父が恋しかろう?」
「私には父などいない!」
「!」
「父が何をしてくれた!言ってみろ!!辛抱強い母が貴様を見れば恐るんだ!!!何より母を傷付ける父なら尚更だ!!!私には父などいらん!帰れ!!!」
「…ひひひ。本にようにておるなぁ」
「お願いです。帰ってください。佐吉。貴方も本当に落ち着いて。ね、佐吉」
「母…泣かないでくれ。母…」
「お二人とも…私はもう帰りません。帰るつもりも、佐吉をあんな冷たい家に置くつもりもありません。離婚届も何もかも。私と縁を切るのに必要なものは置いておいたはずです」
「…」
「婚姻中の生活費まで手付かずだったのは驚いた。ぬしは如何様にしておったのよ?」
「大叔母の遺産です。仕事もしていますからこの子と二人。慎ましやかに生きていくのに何も不自由はありません」
「…左様か」
「母。大丈夫か?顔色が悪い」
「ええ」
「早く往ね!!!これ以上母を虐めるのなら私は許さない!」
「佐吉。…どうぞおかえりください。この子は私の子です。あなた方とは関わりの無い子です」
「否ことを申すな。これは三成の子よなぁ」
「いいえ」
「…どういうことだ」
「三成、落ち着きゃれ」
「あの時、貴様は私との子が出来たと…そう言ったはずだ!!!」
「あなたか仰ったのでしょう。この子の事は私が勝手に決めていいと。貴方の子か否かすらわからないと。」
「っ」
「三成…主という男は」
「ですから認知とかそういう事も考えて無いです。もう、死んだものと思ってくださって結構です。貴方は勝手にしろとすぐ仰います。だから私は勝手にさせていただくのです」
「?!」
「父母にも…そうお伝えください。不肖な娘は何処かでのたれ死んだと」
「それは」
「…」
「…許可しない。刑部」
「ひひひ。また日を改めて参ろう。坊も許せ。」
「二度と来るな」
「あいあい。またなぁ」






かつかつと革靴の音が聞こえる。それと比例して体の力が抜ける。
へたりと座り込んで佐吉を見る。困った様な顔をして私にすり寄ってきて私を抱きしめてくれる。こうやって私達は支えあってきた。
中に入ると急いでタオルを冷やしてきてくれる。相当腫れているのだろう。ずきりと痛みが出てくる。




「カレー、食べる?」
「母」
「話はそれから。ね?」
「…」
「にしてもかっこよかったわね」
「!」
「でも口汚ないのはダメって言ったでしょ?」
「…そうでもしないと友達を守れない」
「ふふふ」
「?」
「佐吉はとても優しいね」
「母?」
「ん?」
「あれは誰だ?」
「…」
「嘘偽りはいらない」
「佐吉は嫌いだものね…そうね。待てないわね。…ご飯食べる前に話す?」
「ん…」
「あの人はね、母の夫だった人よ。大きな会社の副社長さん。跡取りだから今はどうなっているかわからないけど。…貴方の父親よ」
「?!」
「でもね。佐吉にはお父さんが居ないの。…母がここまで逃げてきたから」
「如何してだ?」
「…母は怖かったの。佐吉がね、こんなに優しく育たない場所で生活することが。母と一緒に笑って泣いて…でも苦労もたくさんさせているわね。佐吉はお父さんと一緒に行きたい?」
「母も一緒か?」
「うんん。母は戻れないもの」
「なら私もここだ」
「無理しなくていいのよ」
「いくらお金があっても母がいないのなら仕方が無い。テレビで見る様な豪華な食事や家があっても母がいないと意味がない!勉学もそうだ。私が優秀ならばお金は要らんと聞いている!」
「…時々母はあなたがいくつかわからなくなるわ。無理しなくていいのよ?母も頑張るから」
「母はこれ以上頑張らなくていい!私が楽をさせてやる。それに」
「それに?」
「母が頭を撫でて褒めてくれるから…私は十分だ」
「佐吉!」
「母」
「いい。よく聞いてね。母はなんと言おうとも佐吉が大好きよ。」
「知っている」
「あの人たちがあなたになんと言おうとも。母が明日からなんと言おうとも。絶対母の側からはなれてはだめよ」
「母もか?」
「母も。…脅されたり?色々言われて母が血迷ったことを言ったら貴方が怒ってね。」
「当たり前だ!母も私が間違えていたらすぐに言ってくれ。」
「ええ」
「もし保育所に来たら先生に言って警察を呼ぶ。変質者だと叫んでやる!」
「そ、こまでするの?」
「やるからには徹底的にだ。保育園も外には出ない。私は小さくて非力だ。連れさらわれたら大変だからな。母」
「?」
「明日先生に言ってくれ。変質者が狙っているから外に出れないと…いや、暴力男が私を攫って母から金を巻き上げようとしているとでも言えばいい。佳子先生はその手の話が好きだからな!守ってくれる」
「…嘘はいけない気がするわ」
「真実だ!私の母に…許しがたき愚行!!!斬滅する許可を!!!」
「(とても5歳児の台詞とは思えない…時代劇見せすぎたかしら)怪我しちゃ駄目だからね?主任に言ってみるわ」
「!」
「佐吉?」
「大野の婆様とずっと居られるか?」
「…大野の婆様好きね」
「母の次くらいに!」
「…主任と大野さんに聞いてみるわね」
「やったー!!!!!」
「(本当に5歳児かしら)」






勝手すぎる三成 2






「大野さんも願ったり叶ったりって。佐吉ちゃん来たらすごく機嫌がいいから」
「本当にすいません」
「良いのよ!本当に偏屈な人だけど佐吉ちゃんとはウマが合うのよね。でも大変だったわね」
「ええ、まぁ」
「本当に男ってやつは…やだ。こんなところで言っても仕方ないのだけどね」
「主任」
「何?」
「本当に何かあったら言ってください…今までご恩があって。迷惑がかかる事だけは」
「ん。何かあったら言うわ。第一、今貴方に抜けられると私が一番困るんだもの」
「?」
「貴方地雷処理って言われてるのよ。気難しい人に人気あるでしょ?」
「気難しいですか?」
「…今まで本当に大変だったのね」
「???」

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