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変換なしの雑食夢

ran

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初恋と三成 6

「ん…」
「三成君?…気がついたかい?」
「半兵衛…様?」
「もー!何をしてるんだい。雨の中一晩中座り込みをするだなんて」
「申し訳ございま…ごほごほ」
「ずっと休んでいなかったからね。丁度いいよ」
「あ、の」
「ん?」
「私は何故ここに?」
「ふふふ。雪君が朝っぱらに君を背負って医務室まで連れて行ってくれたんだよ。」
「雪…殿が?」
「ふふふ。泣くわ叫ぶわ大変だったんだから。下手に力強いから離さないし。」
「…」
「絶望的な顔をしなくていいよ。どちらかと言うと、逆かは?」
「は?」
「逆」
「ぎゃ…な?!」
「手を離さないのでね。ここに居るって泣くし、目覚めないって泣くし。死んじゃったら如何しようってまた泣くし。あの秀吉が必死に慰めるなんて僕でも見たことなかったよ。」
「申し訳ございません」
「いや、ね。呆れるとか嫌悪するとかじゃなくて純粋に嬉しかったんだよ。僕達は。」
「???」
「こんなにも君のことを想って泣いてくれる女性がいた事。そして、それを君がちゃんと選んだ事」
「いえ、その」
「泣いて寝て、君が目覚めていないの聞くとさ泣きながら看護するんだから。…もう泣かしてはいけないよ」
「はい」
「さて、君も起きた事だし。僕は退散するよ」
「ありがとうございます」
「ふふふ。雪君」
「んー…はんべえさま?」
「早く起きたまえ」
「…石田様?!」
「雪、殿?」



ガバリと起き上がって雪殿は私の頬を撫でる。撫でて明らかに怒った顔で馬鹿ですか!死にたいんですか!と怒り始めるのでたじろいでしまう。謝りたかっただけだと言えばポロポロと泣き始めてしまうので慌てる。
すまんと言いながら涙を拭うと死んじゃうかと思ったんですよと言ってまた泣き始める。これには本格的に困ってしまった





「冷たくて何度呼んでも目は覚めないし」
「そうか」
「死人みたいな顔色になっていくし。私が」
「?」
「童みたいに怒ったりするから」
「それは違う」
「石田様ぁ」
「泣くな。私が悪いのだ。私の言は人を傷付けるという事を忘れていた」
「そんな事ありません!…私が馬鹿なのがいけないんです」
「雪、殿」
「?」
「不快になったらすまない、が。単刀直入に言う。叶うなればお前と夫婦になりたい」
「?!」
「甲斐の地を離れる辛さ。親兄弟、慣れた場所から離れる事がお前にとって耐え難い事も分かっている。」
「ごめんなさい」
「然し、いつの日か覚悟ができる日が来たらば。私の妻になって欲しい」
「!」
「その日まで私はお前を待っている」
「…」
「もし、それすら不快ならばもう二度と相見えるのはやめよう」
「…」
「…」
「…」
「無理は」
「?」
「無理はしなくていい」
「!」
「雪殿」
「あの、ですね。」
「?」
「覚悟ができるか否かわかりません。いつか漠然とどなたかのもとに嫁ぐのだろうと思っていましたが、急すぎで」
「そうだな」
「頑張って考えてみます」
「?!」
「その間石田様が駄目でも仰って…石田様?」
「良かった」
「え?」
「まだ別れを言わずに済む。それだけで今は十分だ」
「…」
「雪殿。少し寝ろ。目の下の隈が酷い」
「はい」
「治ったら」
「?」
「また海に行こう。」
「ふふふ」
「時雨を連れてだ。」
「はい」






初恋の三成 6






「という事で」
「?」
「私が看護します!」
「な?!」
「というより…えっと、あった!」
「秀吉様から?!」
「という事で!」
「…秀吉様、お許しください」

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