不幸娘と三成 6 不幸な娘と三成 2016年06月07日 「…」「…」「…何だ?」「よくくわしゃなぁと。」「五月蝿い」「ひひひっ」「あれを外したのか?」「ん?」「賄い方に替えたのか」「はてさて…如何だったか」「刑部」「まぁ致し方あるまい」「…」「何よりぬしも厭わぬ故なぁ」「ぐ」「ひひひ、やれ。如何した」「厭うては、ない」「好んでもなかろう」「…」「否定せぬのか?」「良く、わからん」「左様か」「ただ」「ん?」「あれの笑んだ顔は、好ましいと、思う」「?!」「如何した」「ぬしの口からその様な台詞が出てくるとはな。…髪が伸びたら側に上げるか?」「側?!」「嫌か?」「そう言う、風には」「なれば、他の男に嫁ぎしゃるが」「?!」「身分がある故正室は無理よ」「わかっている…刑部」「ん?」「万事、頼む」「あいあい」と言う話になったと言われて度肝をぬかれる。誰が誰と婚儀を結ぶのか?!私が殿様…と?無理だ!と言ったところでかわりはしないだろう。わかりましたと頭を下げると刑部様がホッとされるのがわかる。「尼僧の様な姿ですが…」「何、当分ここより出ねば構うまい。太閤、賢人にもその旨伝えてある」「…刑部様は宜しいのですか?」「何がよ」「私が、側室に上がる事です」「正室は無理よ」「そんな大それた事思っていません!そんな…恐ろしい。」「左様か…なれば言っておこう」「はい」「主は子を成すこと。また、三成を食べさす事が仕事よの」「はぁ」「あれが好んでぬしの食事は手をつける。それだけでも上々よ」「(食べさせるのって難易度高い気が)」「故にぬしがここから去られたら困る。」「私は帰る里も有りませんから…多分一生ここでご厄介になるかと」「其れを確実にするのが我の仕事よ」「…」「本に構わんか」「は、い」「時折、三成がここに来る。良いか」「…は、い」「傷が治るまで無体はせぬ様に言っている。」「?!」「ひひひっ…ん?」「…」「や、れ!泣かしゃるな…そんなに嫌であれば」「すいま、せん。思いもよらぬことで驚いただけです」「されど…」「謹んでお受けいたします。無学無教養の私が殿様のお役に立てるのなら…人命を賭してお役に立つ様がんばります」「さようか…」「?」「嫌、済まぬ。我とて…いや。」「刑部様?」「何でもない。」不幸娘と三成 6「泣くほど嫌なら断れ!」「へ?!殿様???」「刑部に聞いた!」「えっと…その。あ!」「何だ!」「食べますか?」「…」「羊羹です」「食べる!」「…ふふふ」「何がおかしい!」「いえ」「…ふん!」「私は高い身分でもないですし、頼る里も有りませんから…殿様がお嫌でしたらここに生涯いると一筆書きます」「?!」「無理をなさらないで…あたー!!!」「私から言っているのだ!」「ですけど!いたー!!!叩かないでください!」「いいか聞け!お前は私のものだ!」「え?」「…とくと、思い知らせてやろう」「まっ?!きゃー!!!」 PR