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変換なしの雑食夢

ran

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不幸娘と三成 5

食べた。と至極簡素な感想を頂く。殿様から手紙が来てその一言が書かれていた。良かった、食べたらしいと思いながら島様をみると不思議な顔をされる。曰く、あれ程の事をされたのにと言われて合点が行く。

「ボロボロですものね」
「ね、じゃないよ」
「島様」
「ん?」
「殿様が嫌がっておられますか?」
「は?!ないないないない!」
「この間刑部様にも言ったんですけど。私、無教養だし。今も、かなり頑張って敬語を使うのですけど…耳苦しかったり、鬱陶しかったり」
「してないって!」
「刑部様も…」
「いや、きっと泣くよ!あんたの事すっげー気にかけてんだから。」
「本当ですか」
「本当本当!だからさ!そんなに落ち込むなって!」
「怪我ばっかりして。挙げ句の果てには丸坊主の側仕え。最近は何もしてない。」
「?」
「今の私の状況です」
「あー…でもさ。元凶は全部三成様じゃん」
「殿様は何をしても許されるから殿様なのらしいので…」
「…それが侍女の合言葉?」
「はい」
「だから、怒ったり泣いたりしないの?」
「?」
「怒んないじゃん」
「洗濯物押し入れに隠してた時に叫びましたよ。殿様ではないですけど」
「あー…そういや」
「泣くのは…それすらしんどいですから」
「?」
「絶対ではないですけど泣かないようにしてます。出来るだけ」
「そっか、何があった?」
「秘密です」
「ふーん。」
「まぁ流石に縫われて剃られたのは辛かったですけど。わざとでは無いですし。わざとでも怒れる相手ではないです…ただ、遠回しに目障りだと仰っているのなら…」
「あの人は遠廻しみたいな事出来ないって」
「…」
「刑部さんも。あんたの事すごく気にかけてるよ。」
「はい」
「あ、そうそう。刑部さんから」
「?」
「三成様が喰わねぇの知ってるよね?」
「はい。真逆抱きかかえられるとは。霞で生きてると思いましたもん」
「あんたのは喰うんだよね」
「?」
「怪我が落ち着いてからでいいから。1日一回飯作ってくれねぇか?だって。刑部さんのも」
「はぁ…ですけど私は賄い方ではないですから。そんなに色々作れませんよ」
「食べるだけで奇跡だから」





すごい言われようだなと思いつつもわかりましたと言えば異常に喜ばれる。
いや、何よりも





「ひひひ。ここで作りゃれ」
「…」
「こちで畑をしても構わぬし。夜はここで休みゃれ」
「刑部様」
「ん?」
「家、ですよ」
「我とて美味いものを食したい」
「…そんなに期待しないでください。」
「何。晩餐を求めておらぬよ。素朴な味わいが恋しゅうてな。」
「…」
「抜糸した後頼むよ」
「は、い」









不幸娘と三成 5








「うっわー」
「あ、島様」
「実家に帰ってきたみてぇ。まぁもうないけどさ」
「なんだかもう…何です。どうぞ」
「佃煮?旨っ!」
「お弁当を作りましたからお願いします」
「まだ三成様来ないの?」
「あれを」
「『三成立入禁止』刑部さんの字じゃん」
「刑部様はよくこちらに来られて。あ、わらび餅作りますからお伝え下さいね」
(俺、怒られるんじゃねぇーの?!)
「因みに私も敷地外に出るの禁止です。傷が治るまで」
「軟禁じゃん!」

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