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変換なしの雑食夢

ran

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不幸娘と三成 4

縫う為にと髪を剃られて包帯を巻いた今の状態を人は如何思うのか。私は恐ろしくて直視できなかった。それほど大切とは思っていなかったのに失えばその大切さがわかる。…髪の話だけれども。
ただ、流石に御前で奉公するのは憚れると言えば刑部様に取り敢えず衣服を整えたり殿様のいない間に色々仕事をすれば良いということになったので裏の間でチクチクと着物を直している。足袋も直さないとなーと一伸びした頃にはお昼になっていてそろそろ殿様が殿下の元へ行く時間だな。…部屋から出られない。





(お腹すいた)
「やれ、居られるか」
「刑部様?!」
「本に仕事に来たのか」
「?!」
「ひひひっ。違うちがう。ゆるりと休めば良いのにとなぁ。昨日の今日よ」
「?」
「休まなくて良いか?痛くはないか?」
「は、い」
「ほう…」
「いたー!!!」
「痛いのか…誰か布団を持て」
「刑部様?!」
「少し寝てから仕事しりゃれ。根を詰めると傷に触る」
「ですが」
「良い良い。三成には我から言う故。これを飲ましゃれ」
「?」
「痛み止めよ。」
「ありがとうございます」
「はようなおしゃれ」
「はい」




もう一度お礼を言うと刑部様はすいっと部屋を出て行った。
ボロボロの私に何と優しい言葉をかけてくれるのだろうか…。と思いながら部屋に運ばれる布団に横たわる。暖かい。


どれくらい経っただろう。矢張り寝てしまったのだと思っていたら声がする。目を擦りながらそちらを見てみると硬直してしまう


「おい」
「っ?!殿様!!!!」
「…」
「ひぃっ!」
「痛いか」
「昨日、縫いましたので」
「ふん」
「(あんたのせいだと言いたい)すいません」
「?」
「寝てしまって」
「寝てろ」
「?!」
「何だ」
「あの、」
「…」
「もう、お風邪は」
「?!」
「まだ熱が?!」
「いや、ない」
「…お食事は」
「…」
「あの」
「昨日の汁」
「?」
「あれは、旨かった」
「!」
「…」
「よかったです」
「あ、ああ」
「殿様は何がお好きですか?」
「…特にはない」
「そうですか…」
「…」
「なら、またお作りしても宜しいですか…?」
「ああ」
「!!!」
「っ」
「ふふふ」
「わ、笑うな!寝ていろ!早く治せ」
「へ?っうーーーー!!!!!」
「?!お、おい!如何した…血?!」
「いたぁ…」
「お、おい!傷口が?!刑部!!!」
「やれ、騒々しい。寝ておったら…三成よ」
「傷口が!」
「…本に主は!」
「刑部様」
「ちとまたしゃれ」
「な、おい!なぜ私が!」
「ぬしがおっては傷が増える!」
「ぐ…」





一針縫うことになったので髪も剃られました。一層全部切ろうかという声に戦々恐々する日々です。









不幸娘と三成 4







「如何したんっすか?」
「刑部様からいただきました」
「頭巾を?」
「はい…髪が酷くなってしまいましたから」
「あー…全部?」
「結局は。半分剃って半分残すのは…」
「そっかー。で」
「?」
「何してんの?」
「寒天を作ってます」
「…旨そう」
「桃が甘くなかったので。島様」
「ん?」
「殿様と刑部様に」
「持ってけば?」
「近づくなと」
「あー…」
「よろしくお願いいたします」




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